
前回のつづき。
5速ETGのことを書いてたら長くなりすぎたので、それ以外の部分を続きとして書いておきます。

■ドライブアシスト今回より新たに「eVTi」のバッヂが付くように、可変バルブタイミングと電子制御式燃料噴射システムを搭載した新型1.2L3気筒エンジンと、「ストップ&スタート」と名付けられたアイドリングストップ機構が付くことで燃費が大幅に上昇しております。
特にプジョー車では初となるアイドリングストップですが、制御は比較的良くできているという感じです。
停止状態でブレーキをしっかり踏めばすぐにエンジンは停止し、離せばコンマ数秒で再始動します。
しかし、若干のクセがあります。
ブレーキを踏むとエンジンが止まるというのは、
交差点に進入して右折のタイミングを見計らっているようなシチュエーションでも起こりえるわけです。
一部の車種ではハンドルが切れている状態ではアイドリングストップしないような制御を入れている例もありますが、208のストップ&スタートではそういう制御はしていないそうです。
ブレーキから足を離すか、少しでもステアリングを動かせばコンマ数秒でエンジンが掛かるので、そういうものだと認識した上で使いこなすように心掛ける必要があるかと思われます。
もちろんアイドリングストップをキャンセルするスイッチもありますので、苦手だと思ったら使わないという選択肢もあります。
また、アクチュエーターの制御による半クラッチでクリープ動作を始めるので、トルコンATと同じ感覚でブレーキから足を離すとスルスルと動き出します。
登り坂の途中で止まっても、同じくアクチュエーターの制御によるヒルストップ機構のおかげで後ろに下がってしまうことがありません。
1007ではこのヒルストップ機構が無かったために坂道で停車するとズルズルと後ろに下がってしまうため女性ユーザには不評で、当初目論んでいた奥様用のセカンドカーのニーズを取り込めずに苦戦したことを思い出すと、目頭が熱くなります。
■走らせてみて小径ステアリングと刷新されたパワートレインのおかげで、クイックに小気味良く旋回してくれる楽しいハッチバックになったと思います。
その反面、ステアリングが軽くて妙に落ち着かず、直進安定性に若干不安があります。
(これは初期型208でもそうだったかもしれませんが、よく覚えていません)
現在乗っている307swが車重もあってステアリングに適度な重みもあるのでコーナーに合わせて切り込んでいくことができるのですが、208の小径ステアリングは微修正が必要な感じで低中速域では落ち着かない感じがしました。
高速域ではあまり気にならないんですけどね。
また、ETG5+3気筒エンジンの組み合わせにおいては、エンジンブレーキがほとんど効きません。
AL4の時にはもう少し効いていたと思うんですけど…
AL4の数少ない利点として強烈に効くエンジンブレーキというのがあったので、それがスポイルされてしまったようで少々残念な感じがしました。
また、前回のエントリーで書いたように、従来のトルコンATから2ペダルMTに変わったことにより、今まではアクセルを踏んだらリニアに加速していたところが、2ペダルMT化したことによってシフトアップの際に一息入れるという異なった動きをするクルマになりました。
厄介なことに、日本に存在する大多数のAT車とは異なった運転感覚のクルマになったということです。
あくまでクラッチ制御とシフトチェンジを自動でやってくれるMT車であるということを慣れるまで復唱するぐらい頭に叩き込む必要があるかと思います。
わかっている人はいいんですが、問題はわからない人なんですよねぇ…
■新型208はどのように売ればいいのか?競合のルノー・ルーテシアやフォード・フィエスタがデュアルクラッチの2ペダルMTを採用しているのに比べると、シングルクラッチである208の分がかなり悪くなるのは避けられません。
また、トルコンATしか乗ったことのない人にとって、ETG5の挙動は「どこか壊れてるんじゃないか?」と思わせるに十分な違和感を与えます。
総じてこれらの感覚はネガティブな評価に結びつく可能性が極めて高いわけです。
1007発売当初、2ペダルMTであることを強調して接客したために、必要以上に警戒感を与えてしまったことがありました。
(販売した後にトラブルになるよりマシですが)
新型208についても同じことが起こりえると考えられます。
1007に比べればヒルスタートアシストやクリープなど、2ペダルMTの欠点を補う装備が加わっていますので、「運転していて怖い」というイメージを与えるようなことはさすがにないと思います。
しかし、ETG5特有のギアチェンジの失速感が、AT車しか乗ったことがなくメカニズムに興味のない人には理解できない可能性が高いわけです。
何が言いたいかというと、夫婦二人で運転するような家庭の場合、パートナーの理解を得られるかどうかが販売のカギになるということです。
大抵の場合、ダンナがMT感覚で乗れば楽しいということを理解していても、たまに運転する奥さんが「なんか変な感じ」と思ってしまうとそれだけで商談はネガティブな方向へと進みやすくなります。
つまり、説得すべき相手にどうやって理解してもらうのか?ということになります。
こうしたケースでは、ダンナとディーラー営業マンとの間で事前に説得方針の打ち合わせをして共闘して奥さんの説得に当たるといったことが必要になると思われます。
独身の方ははどうぞ欲しいと思ったら買ってください。
ETG5はアピールの仕方によっては武器にもなるし欠点にもなりえます。
ちなみに、同じく2ペダルMT(ASG)を採用するVWのup!ですが、巷では売れていると言われていますがVWの期待ほど数は出ていないというディーラー営業マンの話がありました。
曰く、試乗した際にやはり2ペダルMT特有の加速がもたつく事に違和感を感じて、デュアルクラッチを採用した上級車種のポロを選ぶお客さんが少なからず存在したとのことです。
結果としてVW車が売れればそれでいいんでしょうが、208に関しては代替となる車種がありません。
(308に誘導するには車格が違いすぎる)
それだけにイメージ戦略と商談の進め方が非常に重要になるわけですね。
■燃費 短時間の試乗で燃費を語るのは愚の骨頂ですが、雑感を少し。
従来のAL4+1.6Lエンジン仕様で培ったアクセルワークのノウハウが、新型208については通用しない感じですね。
1.2Lとはいえ低速トルクは十分にあるのですが、早めにシフトアップして巡航に持っていこうとしても、瞬間燃費の値はあまりよい数字を出しませんでした。
ギアチェンジの際にアクセルを抜くとか、発進時に必要以上アクセルを踏み込まないとかETG5特有のノウハウを構築するのも楽しいかもしれません。
短時間の試乗では、13.8km/Lでした。
この記事へのコメント
匿名
http://urx.nu/6lGy
これはいけませんな(´・_・`)
海鮮丼太郎
ちょwwww
まんまじゃないですかwwww
まぁ、参考にしてもらえたのなら光栄です。
今度会いに行ってみようかな。