今年も日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下JCOTY)の季節がやってきた。
昨年はノミネートの中から10ベストの予想はかなり高い精度で的中させたものの、選考員の思惑をきちんと読み取れずに大賞の結果は全部ハズれてしまった。
で、今年は開催スケジュールをすっかり忘れていて、11月5日には10ベストカーが選出されるそうで。
その前にノミネートだけでも…と思って顔ぶれを見てみたのだが、どうも今年は妙だ。
毎年何らかの車種をエントリーさせていたプジョーとシトロエンの両社から、ノミネートに一台も入っていない。
ノミネートの基準としては
ノミネート車は、2012年11月1日から2013年10月31日までに発表または発売され、年間の販売台数が500台以上見込まれている乗用車が対象となります。一次選考により上位10車を日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考の候補車としてノミネートします。
ということなので、少なくとも
【プジョー】
・208(2012年11月1日発売開始)
・5008(2013年2月25日発売開始)
【シトロエン】
・DS3 CABRIO(2013年7月5日発売開始)
という3車種が該当する筈だ。
欧州発売から時間が経過しての導入となった5008と、DS3の派生車種であるDS3 CABRIOが漏れるのはわからないでもないが、プジョーにとっての基幹車種である208が、10ベストカーはおろかノミネートにすら入っていないのはどうも解せない。
その他のノミネートを見渡してみても、ダイハツやスバルはOEM車をエントリーさせているし、販売の規模から言えば圧倒的に少ないクライスラーの300やイプシロンなどもノミネートされている。
つまり、これを見る限りプジョー(&シトロエン)はJCOTYのエントリーを自ら辞退したのではないか?という推測が成り立つ。
JCOTYは”接待オブザイヤー”などと揶揄されたりするほど、受賞を勝ち取るには選考員の心証を良くするためにあれこれしなければならない。
(賞取りレースに接待が関係するのは日本に限った話ではないが、選考結果に共感が得られない状態が続いているのは異常だ)
走行会などを開催して選考員たちを招き、そのクルマの魅力をアピールする名目で接待が行われていることは、公然の秘密というより当の選考員たちが自らブログなどで自慢気に語っていたりするから呆れるしかない。
そうしたコストを負担してまでJCOTYに販促費を突っ込むのはムダだという判断をPCJが下したのであれば、その点は大いに評価したい。
正直言って、PCJのラインナップの中では最有力の208であっても、大賞はおろか10ベストカーに入ることすら難しかっただろう。
であれば、限られた販促費を効果的に振り分けるためにJCOTYとは距離を置くという方針にしたのであれば合理的な判断ということができる。
そういえば、同じフレンチ勢であるルノーも、あれだけ気合を入れて発売した新型ルーテシアがノミネートに入っていない。
グループの日産に至っては、シルフィが辛うじてノミネートされているものの、他社に比べて明らかに温度感が低い。
つまりこれは、メーカーにとってJCOTYに協力する費用対効果に疑問符が付いたということになるのではないか?
日本を代表する一台を選ぶというその趣旨からすれば、JCOTY側がノミネート車を絞り込むことに意味は無い。
しかしその趣旨に対してメーカーが距離を置くというのであれば、お粗末極まりない。
どうも今年のJCOTYはかなりきな臭いことになりそうだ。
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