208の新型トランスミッションは5速ETG

 
当初は今年の夏の終わりぐらいと言われていたのがずいぶんとスケジュールが後ろ倒しになり、結局12月にマイナーチェンジが行われる208に関して、当BLOGでもエントリーを書いてきましたが、確定情報です。

208の発表会においては1年後にトランスミッションとエンジンを刷新したモデルを導入することを明らかにするという、新製品に冷や水をぶっ掛けるサプライズがありました。

PSAグループのトランスミッションとしては、

 ・AL4(4速トルコンAT)
 ・EGC(5/6速電気式シングルクラッチMT)
※シトロエンではEGSと呼称
 ・AT6(Cセグメント以上に搭載されるアイシンAW製6速トルコンAT)

の3種類がありましたが、先行して日本に導入された208ではAL4が採用され、各所で散々な評価をされてしまったのは記憶に新しいところです。

かといってEGCについてもあまり評判は芳しくなく、結局どちらのトランスミッションの方がマシなのか?という残念な議論になりがちでした。

しかし、今年になってPSAはEGC/EGSをマイナーアップデートしました。

ETG(Efficient Tronic Gearbox)」と命名された新しいギアボックスは、新型C4ピカソや新型308から搭載が始まり、既存車種でも208から5008まですべてに対応するユニットとなっております。

つまり、12月に発表される新型208も、5速のETGが採用されるということになります。

PSAの発表によると、新しいETGは従来のEGCに比べて

「ギアチェンジの高速化」
「乗り心地の改善」

を実現しており、シングルクラッチ特有のギアチェンジの間の悪さやギクシャクした乗り心地を改善したと説明しています。

トルクコンバーターやデュアルクラッチといった高価で複雑な機構を採用せずとも快適なドライビングを実現したと胸を張っているようですが、どう見てもコストの都合です。本当にありがとうございました。

PSAもいろいろ大変な時期なので、従来のユニットをアップグレードすることで対応できる部分はそうしましょう、ということなのでしょう。


一方で絶賛されているデュアルクラッチと言えども万能ではなく、VWでさえBセグメント以下はトルコン型ATを採用するかもしれない、などというニュースも流れております。

また、シングルクラッチでも技術を突き詰めれば最も効率的なトランスミッションに成り得るという論調もあります。

ですので、シングルクラッチだからという理由だけで叩くのは時期尚早だと思います。
まずは乗ってみて判断するのが正しい消費者の選択ではないかと思う次第であります。
 
ちなみに、日本で電気式シングルクラッチトランスミッションを採用している車種としては、「VW up!」、「Fiat500」、「Fiat パンダ」、「クライスラー イプシロン」、「スマート fortwo」などがあります。

いずれもキャラクターで売るようなクルマである点に注目です。
逆に言うと、実用車としてまっとうな評価を受けにくいという可能性が考えられます。

多少ギクシャクしても、ある種のキャラクターアイコンであるFiat500であれば「これも味があっていいよね」といった評価が、208に搭載されると「なんでこんなデキ悪いの?」などと言われてしまう可能性があるわけです。

プジョー自身がキャラクターで売るという路線を取っていないので、デュアルクラッチトランスミッションを搭載するVWのポロなどとガチンコで比較されてどう評価されるのか?またそのリスクマネジメントをプロモーションでどう行うのか?

今後を占う上で非常に注目すべき点だと思っております。
 

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