PSAとGMと東風汽車

あれ?と思った話がまた出てきた。

仏プジョー、中国・東風汽車との資本提携を検討=報道

PSAと東風汽車に関しては、6月に以下の報道があった。
仏プジョーがオペルとの統合をGMに打診、創業家は経営権手放す意向
関係筋によると、プジョー家は、東風汽車などとの出資交渉の不調を受け、プジョーに7%資本参加しているGMに打診した。

ある関係筋は「GMも、傘下のオペルが設備過剰状態という状況にある。PSAが、GMにオペルとの統合を持ちかけているのは、それが理由」と説明。「すでにプジョー家は経営権を失うことを受け入れている。したがって、経営権の問題はなくなった」としている。
この時点で東風汽車との資本提携交渉は不調というものだったが、新たな交渉を始めたということのようで。

いずれにしてもプジョー家が経営権を手放すことについては合意が取れているものの、肝心の手放す先がなかなか決まらないというアレな状況であります。

複数の案が検討されているというが、すでに資本提携しているGMを維持しながら東風汽車からの増資を求めるといった辺りが本当の狙いどころなのだろうが、当然GMとの利害関係からすれば相反する話なのでそう簡単にまとまるわけもなく。

GMとの資本提携はすでに調達から生産まで共同で行う規模に発展しており、重要度からすれば東風汽車との提携よりは重要度が高くなっている。

新興国市場においても共同事業の検討をしている中で、東風汽車と提携する余地がどれだけあるのか疑問だが…
プジョーが東風と新興国市場に特化した合弁会社を設立し、GMと東風、それぞれとの提携関係を「区別」する案も検討されている。その場合、プジョーは現金の代わりに資産の一部を移転する可能性がある。
こういう話になると、GMも警戒するだろうからPSAから一定の距離を置くようになる可能性も捨てきれず、非常に困難を伴う話になりそうな気もするが。

とはいえ、そのGMとも深く突っ込んだ資本提携の話は飛んだと見ていいので、PSAは結局複数の資本と提携しながら局所戦をやるような企業運営をしていくことになるのかな…などとぼんやり考えるようになりましたとさ。

それにしても、プジョー家が経営権を手放して株式売却するチャンスは以前にも何度かあったのだが、結局難色を示して頓挫してたんだよね。
あの時にちゃんと動いていればここまで事態は混乱しなかったんじゃないの?と。

いろんな意味で見切りの悪い会社だなぁ、という気もするわけです。
まぁプジョー家はPSAにとってもアイデンティティでもあるのでそう簡単に話は進められないというのもわかるんですけどね。
 

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック