PCJ上野社長のインタビュー

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プジョー&シトロエンの国内展開について、あまり表立って出てこない上野社長のインタビュー記事がオートックワンに掲載されています。

社長に訊く ~プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 上野国久~ 


現在はPCJ(プジョー・シトロエン・ジャポン)として両ブランドを統括していますが、元々はプジョー担当からの経歴があるPSA本社採用の人物です。

そのインタビュー内容ですが、なかなか興味深いことを仰られております。


・ドイツと違ってフランス企業は“暗黙の了解”の領域が日本と同じく広い。
・例えばちゃんと点検を受けているなら保証外扱いのものも対応する、みたいな。
・両ブランドを統括しているが、シトロエンは独特の雰囲気があり元気が良かった。
・本社の財務危機で欧州外販売比率を高めているが、
 特別に新商品はなく現行ラインナップで頑張れと指示が出ている。
・日本からリクエストを出しても、新しい展開は出てこない。
・年間でプジョー7000台、シトロエン4000台はもう少し伸ばしたい。
・とはいえそこから大きく台数上乗せは考えていない。
・パイクスピークなどモータースポーツはプロモーション効果が無いと考えている。
・TVCMも効果が薄いと考えている。
・日本ではあまり熱心にやらなくても1万~1.5万台であれば売れる。
 輸入車のシェアが高い地域はディーラーにお客が来るから。
・ショッピングモールでのイベントは一番効く。実車を訴求すると人が集まる。
・燃費が弱点だと認識している。WEBアクセスはあってもカタログ請求してくれない。
・208の1.2Lは新型トランスミッション&アイドリングストップ機構が付くので期待している。
・208Allure(MT)が売れたのは、逆に良いAT車が無かったから。
・VWもMTをやってないから、需要をうまく取り込めた。
・シトロエンは競合が無いので、将来的に5000台売れればいい。
・4年前は1200台だったんだから、60店舗とスタッフを維持できればそれでいい。
・日本市場は特殊なので、継続性を考えて一時的な無理はしない方針。
・自動ブレーキなど先進装備は難しい。かなりのコスト要因になる。
・日本においてフランス車は第3の選択肢。
・いろいろ考えた末にフランスが好きな人が乗ってくれればいい。



といった感じです。
つまり、ルノーやVWが積極的に行っているオーナーとの接点を持つようなマーケティングはあまり興味が無く、それよりも一般の人達に興味を持ってもらうような機会を多く作ろうという考え方がメインのようです。

確かに二子玉川ライズなどショッピングモールにプジョーディーラーが実車を持ち込んで展示会をやっている光景はよく目にします。

クルマにあまり興味の無い人がディーラーに足を運ぶことはない。
だったらこっちから接点を持つように出向いていこう、という戦略自体は悪くはありません。
天下のトヨタでさえ、モールや地域の大型量販店の店頭などでひんぱんにこうした展示の機会を設けています。

その意味では、パッションとかエモーションといった部分を重視する、いわゆるクルマ好きは相手にしないということなのでしょう。
クルマ好きは勝手にディーラーにアプローチしてくるから、という理由で。
確かにそれは独特の立ち位置と言えなくもありません。

一時的な訴求より無理せず事業の継続性を重視しているあたり、攻めというよりは守りの姿勢(現状維持)を基本としていることも見えてきました。
そう考えると、ディーゼルやHYbrid4投入についてはほぼありえないと考えて良さそうです。

それが悪いことだとは思いません。
無理して収支が悪化して事業縮小するよりは、目立たなくても淡々と継続することが結果として消費者のためになる、という考え方は一理あるわけです。つまんねーけど。

特に日本法人ではどうしようもない商品ラインナップの非力さは当分解消される見込みも無いので、そこに飛び道具を持ってきても大幅に販売を伸ばすのは簡単ではありません。

ただ、競合との関係について言及が無いのが気になります。
(聞いてても記事にしていないのか?)

PCJとして淡々とビジネスをするのはいいのですが、現実問題として商談の際には競合車との叩きあいになることもあるわけです。
例えば安全装備については競合はどんどん手を打ってくるわけですが、対抗措置を取らなければ検討のテーブルにすら上がれません。

装備の貧弱さをカバーするために値引きに走るのも長期的にはあまりプラスにはなりません。

では、競合したら勝負を降りるのか?
それでは販売台数は伸ばせません。

何事もバランスが大事ではありますので、このあたりどのようにお考えなのか、別のところでもいいので上野社長には語っていただきたいものです。

それと気になるのが、

「プジョーに乗る理由」

というブランドアイデンティティが育っていないのはどう考えているんでしょう?という点です。
一般のお客さんにプジョーを知ってもらうことは良いわけですが、彼らとて数多の選択肢の中からプジョーを選ぶからにはそれなりの理由が必要となるわけです。

環境性能に優れるわけでもない。
走行性能に優れるわけでもない。

という状況において、「なんとなくフランス車ってオシャレじゃない?」的なニーズを取り込もうということなんでしょうか?
シトロエンはラインナップと独自の客層でなんとかなりそうな気がしますが、プジョーに関しては無色透明感を貫く感じなんでしょうかね?

最後に言い忘れましたが、肝心の販売台数ですがプジョーは現時点で前年比ほぼ同数、シトロエンは大幅減です。この分だと両ブランドを合わせても9000台行くかどうかで、上野社長の仰るプジョー7000台、シトロエン4000台という数字には遠く及ばないんですが、大丈夫なんでしょうか?
 
 

この記事へのコメント

  • ようたか

    何だか、上野社長の愚痴のようにも聞こえます。
    文中で
    「フランス人は失敗したからといって、謝ると言うこともしないですね。」
    とありますが、この精神が今日のPSAの凋落を招いているような気がします。

    2013年09月18日 13:53
  • 海鮮丼太郎

    >ようたかさん

    半分愚痴であるのは間違いない気がします。
    自然体というよりは、どう見ても苦しい状況でどうやって現状維持に努めるかという辻褄あわせのようにも見えますので。

    当初は上野新体制に期待していましたが、どうもPSA本社がこの状況では手持ちのコマでなんとかしろ、というオーダー以外は話しにならないような雰囲気すら感じます。

    トップが208の不調の原因がAL4であることをここまで潔く認めるというのはちょっと意外でした。

    また、燃費が問題になっているにもかかわらず打つ手なしというのも、何が問題かはきちんと認識していながら商品力のせいで打つ手がないという現在の苦しい状況を率直に語っている気もします。
    新型トランスミッションとアイドリングストップでどこまで改善できるかは未知数ですが、やれることをやるしかないのなかな、と。

    鼻息荒い他社の社長のインタビューに比べれば、プジョーファンとしては「やる気あるのか!」と思う気持ちもわからないではありませんが、現状はここまで厳しいんだということを理解したうえで、自分なりの「プジョーに乗る意味」を見出していければいいのかな、と。

    15000台規模まで拡張した三河のPDIセンターが宝の持ち腐れにならないといいのですが…

    ちなみにフランス人が失敗しても謝らないというのは、PSAの場合は経営判断(商品戦略)を誤っても軌道修正する自浄作用が働かないという構造問題な気がします。
    プジョー家には経営から退いてもらう方が長期的にはいいのかもしれません。
     
    2013年09月18日 19:35
  • ようたか

    >海鮮丼太郎さん
    そうですよね。
    あまり責めると上野社長がかわいそうですね。
    さらに言うと他人事ではないので。

    地元の自動車販売店関係者から聞いたのですがVWはディーラーの建て替えを推進していて、建て替えられなければ辞めてもらうようにしてディーラーの数を減らしているとか・・・
    大変ですね。
    2013年09月18日 20:08
  • 海鮮丼太郎

    >ようたかさん

    そうは言っても、やっぱりトップのインタビューとしては物足りないですよねw

    せめて、プジョーとシトロエンはこういう部分がいいので伸ばしていきたいとか、そういった展望を聞かせてもらえれば少しは安心できたんですがw

    VWに関しては国内販売を2018年までに11万台規模まで増やすためにディーラーはむしろ増設していく方針だと聞いてます。

    古い店舗など一定の基準を満たさない店はリニューアルできなければ契約解除という方針を打ち出したのかもしれませんね。

    プジョーもブルーボックス化を進める際に同じようなことをやってなかなかうまく進まなかったなんてこともありましたから、売れてるうちはいいですが、過度なディーラーへの負担は考え物です。
     
     
    2013年09月19日 07:01
  • しの。

    いつも興味深い記事をありがとうございます。
    嘘偽りのない言葉(たぶん)に誠実さこそ感じられましたが、いちインポーターのトップがこの発言でいいのか?!と少々不安になってしまいう様な脱力系のインタビューですね。(苦笑

    国産車に欲しいと思えるクルマが皆無なので、個人的には国産車にはない武器で勝負して欲しいと思っていますが、このやる気の無さではEURO6施行後もディーゼル導入は期待薄ですね。。。
    行き場を失ったMT難民が、マーケット的にみて多少の影響力はある、という事が認知された(らしい)事だけが唯一の救いです。(涙
    2013年09月19日 23:01

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