着々と準備の進むGT6


ゲームの表現力が豊かになることでどのような可能性が広がるのか?
そのアプローチの大半が、よりリアルな方に向かっていくことになる。
それは当然と言えば当然のことと言える。

FPS系の留まるところを知らない進化やオープンワールド系の飽くなき可能性の探求など、ゲームとリアルのバランスを保ちつつ進化しているジャンルは、素人目に見てもワクワクさせるものがある。

一方で、レース系ゲームに関してはその究極的な目的が実車と同じ運転感覚が味わえることにあるため、どうしてもストイックに物理表現を追求しがちだ。

そんな中でもコンソールゲームで激しく火花を散らすXBOX陣営の『FORZAシリーズ』と、PS陣営の『GT(Gran Turismo)シリーズ』においては、同じ物理表現の追求を行いつつも、異なったアプローチを取っている。

FORZAシリーズは、効率的な開発とスケールメリットを活かしてリアルさを追求しつつもこれはゲームであるというスタンスを崩していない。
それに対してGTシリーズ、特に直近のGT5に関してはリアルな表現を最優先にしすぎたために、ゲーム性がおざなりになる部分があった。何しろ自ら"The Real Driving Simulator"を標榜するぐらいだから。
その割にGT5プロローグの頃から延々と続く開発方針の迷走と信じられないバグによって、特にオンライン対戦においてFORZAシリーズに大きく水をあけられる事となったのは記憶に新しい。

GT Academyなどゲームプレイヤーを実際のレースに送り込むといった試みもあるわけで、GTシリーズの方向性を必ずしも全否定するつもりはないが、ゲーム性が伴わなければ広い支持は得られないということがFORZAシリーズとの対比でハッキリしてしまった。

そんなGTシリーズも(開発が遅れなければ)12月6日に最新作であるGT6が発売されることとなった。
PS3シリーズ最後のGT、そして次世代機PS4の重要なタイトルとしても開発されているGT6は、今までのような山内一典の気まぐれによる失敗は許されない。

ここで仕切り直しをするためにも着々と準備が進められている。

「Vision Gran Turismo」を発表
本プロジェクトを通し、アルファロメオ、アルピーヌ、アストンマーティン、アウディ、BMW、ベルトーネ, GMデザイン、ホンダ、インフィニティ、イタルデザイン・ジウジアーロ、ジョーダン(スポーツウェア)、メルセデス・ベンツ、ナイキ、日産、プジョー、SRT(クライスラー)、フォルクスワーゲン、そしてザガートのデザイン部門が2013年冬発売予定の『グランツーリスモ6』のためにコンセプトモデルを開発し、ゲーム上での走行が可能になります。
コンセプトカーを走らせるというアプローチはすでにGT by Citroenなどの試みがあったが、こうしたことはまさしくゲームならではの演出だ。

モーターショーなどで展示されるコンセプトカーは必ずしもすべてが走行可能な状態ではなく、実際はハリボテだったりすることもあるが、ゲームの中であれば実物を制作せずとも意図するパフォーマンスを体感させることができる。

そうした自動車メーカーにとってプロモーションの場としてGT6を活用出来るかどうかは、Gran Turismoというブランド力と、GT6の完成度に掛かっている。

その意味で、GT6に関しては事前にこうしたプロモーションができる状態にあると考えると、準備は順調に進んでいると言えるのかもしれない。

あとはオンライン周りの完成度とリアルとゲームがどこまでバランスよくデザインされているか。

FORZAも最新作をXBOX360とXBOX Oneのローンチとして投入するなど気合いが入ったガチンコ勝負になるわけで、単なる表現力以上の提案が必要になってくる。

新たな時代の幕開けを、より広いユーザ層が楽しめる"ゲーム"として仕上がっている事を切に願う次第。
 

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