候補者だから何をやってもいい、わけではない。

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東京都知事選挙に誰が出馬しているか、という話は半分ぐらいどうでも良くて、半分ぐらいは実生活に関連する事でもあるので、神奈川県民のおいらとしては生暖かく見守るというスタンスをとることにしている。
ただ、支持母体の思想にまったく賛同できないので浅野候補は明確にNOというのだけはハッキリしているが。

出馬するだけだったら3百万払うことで自分の主張を伝える宣伝の場を確保することができる。
政見放送においても、たった5分半だが自分の言いたいことを何でも伝えることができる。
またその内容が面白いという理由で、ネットを経由して広く伝播していくことができるのだ。
泡沫候補が多く出てくるのは、そのパブリシティ効果に目をつけて行動だというのが見え見えで、嫌な気分になる。
「金で買えないものはない」と詐欺師堀江貴文は言ったが、確かにそうだな。

で、昨晩渋谷で、泡沫候補の筆頭ドクター中松の選挙カーが現れた。
別に、選挙演説することは悪くないし、いかにドクター中松が世界で認められているか、なんて都政にまったく関係ないことをアピールするのも構わない。

ただ、守らねばならないルールは、たとえ都知事候補であろうが、変人であろうが、守らねばならない。
ドクター中松は、その意味で最低の行為を行った。

夜7時の渋谷交差点といえば、ただでさえ交通量が多く渋滞が激しい場所だ。
ドクター中松の街宣車は、信号が変わると同時に交差点の真ん中にクルマを止めて、そこでスピーチを始めた。

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▲写真ではわかりにくいが、2車線を塞いで止まっている

当然交差点を四方から歩いてくる歩行者にとっては邪魔となり、足を止めて興味本位で眺めるやじうまのせいで横断歩道はごちゃごちゃになった。
信号が変わると、今度は2車線を塞がれてクルマは立ち往生し、路線バスはただその模様を見ているだけしかなかった。
なんとか避けるように迂回するクルマの列が、信号の変わり目とともに収拾がつかなくなる中、ドクター中松はただ自分の主張を繰り返していた。

一時的な渋滞なんてものは、大勢から見ればなんてことはない話かもしれない。
しかし、都政に携わろうという意志を持つ者が、その都民の歩行や走行を邪魔して自分の演説をするという神経はいったい何なんだ。
そして、こんな行為が道路交通法違反でなくて、いったい何なのだ。

確かに、ドクター中松の主張をただ眺めているだけであれば、変人のパフォーマンスということで笑って見ている事もできるだろう。

金さえ払って選挙に出馬すればなんでもやっていいと勘違いする輩は、ドクター中松に限った話ではない。が、決められたルールを、バレなければ破ってもいいなんていうモラルの持ち主に、政治に携わる資格はない。

っていうか、政治を舐めるのもいい加減にしろ。

潔癖な候補など、おそらくはいないだろう。
しかし、投票権を持つ者(おいらは都知事選への投票権はないが)としては、自分の目で見てその資格がないと判断した候補に対しては、遠慮なくその事実を元にNOを突きつけよう。
  

この記事へのコメント

  • デンジン

    交通妨害になってるってことをその場で直接注意する人はひとりも居なかったってことですか?

    NOを突きつけるのは別に選挙でなくてもいいわけですから、そう思ったらその場で注意すればいいことですのに。
    2007年03月30日 21:28
  • なおなお

    消去法で石原っていうのも寂しすぎるがね。
    地方から見ると滑稽な選挙でもあるわけですが、
    浅野が前知事だった県民からすると、複雑でもありますね。
    2007年03月31日 00:40
  • やるを

    そこまで熱くなる必要もないかと。
    2車線まるまる占拠してたわけでもなくて、ちょっとかかってただけでしょ?
    実際、一応他の車は通れたわけだし。
    2007年04月01日 00:24
  •  

    交通マヒさせてまで渋谷の交差点のど真ん中でやることもなかろう。
    名前を連呼する宣伝カーは良く見るが、これはヒドすぎる。
    2007年04月01日 14:25

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