気合いの入ったルーテシアの発表会

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ルノーさんが本気出してきたwww

先日、Tipoのイベントに併催する形で一般に初お披露目となった新型ルーテシア。


今年はCセグメントHBの当たり年で、ゴルフVIIを始めとして魅力的なクルマが目白押しだが、その1つ下のBセグメントでも熱い戦いが繰り広げられている。

BセグメントHBでは、モデルライフ後半で鮮度は薄れたものの、VWポロが絶対的な存在感を発揮している。
他にはBMW MINI、Fiat500、プジョー208、シトロエンC3/DS3と欧州各社が力を入れている、最量販ゾーンでもある。

ルノーはここ最近の好調を受けて、マーケティング施策を強化しているのは以前から書いているとおり。
新型ルーテシアの発表にあたっては、昼間にプレス向けの発表会を開催した後、同じ会場で夜に一般客を招いてのスペシャル発表会が開催された。

新型ルノー ルーテシア、スペシャル発表会と先行展示会開催

平日の19:30〜21:00の開催とあって、仕事が終わってから参加することも可能な開催時間だ。
発表の演出も、プレス向け発表会と同じ演出が行われたそうで、レーザー光線を駆使した演出もかなりウケたんじゃなかろうか。

また、7/26、27も同じ会場で先行展示会が行われ、大阪、名古屋と順次お披露目される予定だ。


この、プレス向け発表会が行われた後の会場をそのまま使って、後から一般客向けにお披露目するというのは、他の発表会でも見られる光景だ。

しかし、会場を借りる時間が長ければ長いほど会場の使用料も跳ね上がるため、かなり力の入った発表会でなければこうしたことはなかなか実施するのが難しいという側面もある。

記憶にある中ではルノーが新車の発表会にここまでお金を掛けたことはなかったと思う。
(ちなみにメガーヌの発表会は二子玉川ライズのオープンスペースで行われた)

一部車種の発表ではルノー世田谷のショウルームを使って行ったこともあったり、コストの掛け方が極端な気もするが、それだけルーテシアに力が入っているということだろう。

ちなみに、このプレス向けと一般向け発表会の同日開催というのはプジョーもやっている。
旧小笠原邸で1007は旧小笠原低で、207の発表会は東京有明TFTホールで行われた。

その後こうした派手な一般向けの発表会が行われていないので、プジョーにとってはこの頃が絶頂期だったのかなぁ…
208はヒカリエでプレス向け発表会を行ったものの、一般向けは無かった。


で、肝心のルーテシアだが。
ずいぶん戦略的な仕様と価格設定をしてきた。
露骨にプジョー208を仮想敵に設定しているのがよくわかる。

208より一回りだけ大きなボディに、いずれも直列4気筒DOHC 1.2リッター直噴ターボエンジンに、ゲトラグ製の6速EDC(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載しつつ、

アクティフ 1,998,000円
ゼン 2,150,000円
インテンス 2,380,000円

という3グレードでの展開となる。
それぞれプジョーでいうところの208 Allure(199万円)、Premium(218万円)、Cielo(242万円)とぶつかるわけだが、装備面が充実しつつも価格は208より低く設定されている。

発表会では、「Cycle of Life」と名付けられた新しいデザイン戦略により、6つのライフステージを想定したクルマ作りを行っていく旨がずいぶん丁寧に説明されたとのこと。
 6つのステージは、人と人が出会い恋に落ち(LOVE)、出会った2人は世界中を旅し(EXPLORE)、家族を持ち(FAMILY)、働いて充足し(WORK)、余暇を楽しみ(PLAY)、そして賢さを得る(WISDOM)に分かれており、新型ルーテシアは“LOVE”をテーマとするコンセプトカー「デジール」(2010年のパリモーターショーに出展)を元にデザインが行われている。

プジョーが208で「RE:GENERATION」を掲げたように、ルーテシアもデザインからパワートレインまで新たなデザイン思想持ち込んだ第一弾という位置付けとなる。


今回のルーテシアの見どころは、3つのグレードにおいてパワートレインはすべて同じで、装備の違いによって差別化を図るという方針だ。

エントリーグレードであるインテンスは200万円を切っており、その割に実用車の装備としてなんら不足はない。
ルノースポールなどハイパフォーマンスモデルが後から出てくることを考えると、むしろ今回のルーテシアはエントリーグレードこそが一番ルーテシアらしいとも言える。

これが200万円を切っているインパクトは大きい。

プジョー208もエントリーグレードが3ドアのMT仕様で199万円となっており、広告宣伝においても199万円〜というアピールが有効に働いている。

しかし、ルーテシアは変速ロスの少なく効率的なデュアルクラッチトランスミッションを搭載しながら200万円を切ったというインパクトは、ライバル208のATモデルが218万円からとなるので、実質的に5ドア+ATとなるとルーテシアの割安感が際立ってくる。

逆に、ルノーのオーナー層に一定数存在するMTを希望する顧客層には残念なラインナップとなっているが、いずれ何らかの形でMT仕様が用意されるものと思われる。

個人的にいちばんいいと思ったのは、カラーリングが素晴らしいこと。
もともとルノーはパッション系の明るいカラーラインナップが多かったが、今回のルーテシアもルージュフラム、ブルードゥフランス、ジョンエクレールといった明るいカラーを揃えつつ、メタリック、ダーク系の色も揃えて全7色がラインナップされている。(ベースグレードのアクティフのみ3色)

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▲ゼン/インテンス ボディカラー

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▲アクティフ ボディカラー

Bセグメントは明るいカラーが似合う。
イメージリーダーになっているルージュフラムか、ジョンエクレールあたりの色が新型ルーテシアには映えるのではないかと思う。

デザイン、ボディカラー、パワートレイン、価格、いずれも魅力的で、まさしく

「俺たちが自慢されたいフレンチコンパクト」

を体現するような、魅力的な車種に仕上がっている。

燃費が公表されていないことと、ベースグレードのアクティフが受注生産扱いであること、7インチタッチスクリーンのローカライズ(ナビがここに入るかが不透明)という懸念点があるため、真の評価はそれらがきちんと判明した時点で改めて評価されるべきだろう。


果たして、

『ルノーともう一度恋に落ちる』

人はどれだけ出てくるのか。
期待度の高い新車が出てきたことで、今年後半の推移に注目したい。

しかし、こんなのを先に出されちゃうと、秋に予定されているプジョー208の仕様変更(1.2リッターエンジン+EGC)はかなりやり難くなりそうだな…
 

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