超絶な円高でも値下げをせず、円安に振れるとすぐに値上げすることでお馴染みの輸入車業界ですが、先日のVWにこっそり追随するように我らがプジョーさん(&シトロエンさん)も7月1日から値上げに踏み切ることになりました。
今回の価格改定は、近年の原材料費をはじめとする生産コストの上昇によるもの
だそうで、あくまで円安を口実にした値上げであることを伏せていますが、そんなもん信じる奴はおりませんがな。
で、新しい価格一覧がこちら。
こうして見ると一律の値上げではなく、いくつかの特徴が見られます。
208に関しては、最廉価グレードのAllureが199万円と価格が据え置かれております。
これは、
「Peugeot208 199万円~」
という宣伝文句が使えなくなるデメリットを考慮してのことです。
XYとGTiは先日発表されたばかりですが、当然円安基調を盛り込んでじゅうぶん利益を取れる価格設定を最初からしていますので変更ありません。
代わりに一番のボリュームゾーンになる(はずだった)PremiumとCieloは+2万円の値上げです。
この点については後述します。
308シリーズに関しては、CC Griffeだけが+5万円と大幅値上げになっている以外は、価格が据え置かれています。
ゴルフへの対抗(のつもり)上、このあたりの価格はいじれなかったと考えるのが妥当でしょうか。
モデル末期で商品力も弱く、積極的にあまり売る気もなさそうでありますが。
その代わり、3008に関しては両グレードとも+3万円の値上げとなりました。
5008がまったく値上げしていないのと対照的ですが、これにもある理由が透けて見えます。
RCZについては先日マイナーチェンジが発表されているわけですが、その際すでにこっそり3万円値上げしております。
そして508シリーズは全グレードが+3万円の値上げとなりました。
さてここで今回の値上げの意図を考えてみましょう。
新型を除いて、
値上げをしていない車種・グレードは、プジョーにとっては売れ筋だから、値上げを踏みとどまったと考えることが出来ます。
冒頭の208 Allureのように、199万円という価格のインパクトが消費者の興味を引きます。
5008はプジョーの中では一番キャラクターがはっきりしていて売りやすい車種です。
実際、ファミリー層のディーラー訪問率は上がっているそうで、300万~という価格のインパクトが好意的に受け止められているとも言えます。
ここをいじるのはさすがに販売現場も許さないでしょう。
308シリーズは競合との激戦を繰り広げるCセグメントの量販車種ゆえ、富裕層向けで数の売れないCCだけを値上げするということで調整しました。
このように、売れ筋もしくは戦略的な意図があるものは値上げをしてないということになるわけです。
逆に、値上げしている車種・グレードを見て一目でわかることは、
「あまり売れない車種」
ということになります。
208 Preimum/Cielo、308cc、3008、508ということになりますが、確かにプジョーさんの思惑通りに売れていない車種ばかりということになります。
つまり、
元々あまり売れてないので、値上げをしたからといっても大勢に影響がないということです。
そう考えると、売れ筋車種の値上げは踏みとどまり、売れない車種だけ値上げしたという、
ある意味で良心的な値上げと言うことができるのかもしれません。
為替予約とかいろいろありますが、円安が海外メーカーにとって利益を圧迫する要因であることは事実ですので、別に値上げをするなと言うつもりはありません。
しかし現在のプジョーの状況からすると、今回の値上げの影響は良くも悪くもあまり関係ないというのはなんとも皮肉というか無常でありますね。
しかし、本来一番売らなければいけない208 Premium/Cieloを値上げしたということは、値上げしてもしょーがないなんて空気がPCJ社内にあるんですかね?
この記事へのコメント