そんなわけで、書くのが遅くなったが2月23日にプジョーさん久々のニューモデルである5008の内覧会が開催された。
内覧会ということで世田谷ショウルームの地下駐車場に展示された実車を見るだけだったので、そのパッケージングの部分について雑感として書いておこうと思う。
展示されていたのは5008 Cieloとなり、330万円の上級グレードだった。
パノラミックガラスルーフなど快適装備が搭載されているが、基本的なパッケージングは5008 Premiumと大差はない。
2011年のフレンチブルーミーティングで原工房が左ハンドルの並行輸入車を展示していたので、実車を見るのはそれ以来ではあるが、右ハンドル化されるとイメージもずいぶん違って見える。
まず、全体的なフォルムはミニバンというよりは背の高くなったステーションワゴンに近いと言える。
兄弟者のC4ピカソがずんぐりむっくりな感じを受けるのに対し、5008は全高が40mm、長さが60mmほど小さくなっているため、ワンモーションフォルムと相まって引き締まって見えるのがその大きな要因と言える。

▲参考 シトロエン C4ピカソ
このあたりは何度も引き合いに出すが、マツダのプレマシーとパッケージングのコンセプトが酷似している。

▲参考 マツダ プレマシー
室内空間についてはさすがに308swよりはかなり余裕があり、3列目シートは2列目シートの座面の下に若干だが足を入れる余裕があるため、膝を抱えて拷問のような着座姿勢を取る必要はない。
ただし、大人が長時間快適に座れるほど余裕は無いので、やはり子供を乗せるなどエマージェンシー的な使い勝手になるのは止むを得ないと言える。
この辺りは国産のミニバンと大差ないのだが。
2列目シートは3座ともすべて同じシート幅を確保しており、各座独立で前後にスライドできることから、大人3人をシート位置をずらすことでストレスを少なくして座らせることができる。
この使い勝手は308swから踏襲されたものだが、5人&荷物をキッチリ載せたいというニーズには非常に適していると言える。
5008の特徴のひとつに多彩なシートアレンジという点が上げられるが、このあたりは国産ミニバンをよく研究しているようで、2列、3列を倒すとフルフラットな空間が生まれる。この状態で寸法を取ってみたところ、奥行1800mmx幅1180mmx高900mmの空間が現れる。
307sw&308swの積載性の欠点として、奥行きが若干足りない(1750mm程度)という問題があったが、スペース的には十分5008であればロードサイクルなどもそのまま車内に載せることも可能だ。
おいらにとってはほぼ理想的なパッケージングと言える。
このように、積載性という点に注目して5008を選択するというニーズにも対応できる。
ステーションワゴンが車種そのものの減少に加え、最近は全高が低くなる傾向が強く、荷物が積みにくなっている状況もあるので、実はこの積載性という点は見逃せない。
ただし。
ひとつ個人的に非常に気になる点がある。
5008 PremiumとCieloの仕様差は、主に快適装備の有無だけだと思っていたが、どうやら5008 Premiumにはメーター内部に燃費情報などを表示するインフォメーションディスプレイが省かれているらしい、との説明を受けた。
正気か?
今のご時勢、ガソリン価格高騰もあって、燃費の表示というのは低価格車でも標準搭載するような流れになっている。
エコドライブを実践するためにも、瞬間燃費およびトータル燃費の表示は必須の機能といって言いぐらいだ。
なんといっても、プジョー自身が206の時代からずっと搭載してきた機能なんだから。
こんなところを省略してCieloとの仕様差を付けるその神経がわからない。
5008Premiumは、300万円という価格を設定するためにかなり無理をしたと聞いているが、インフォメーションディスプレイを省いたところで原価的に大きくコストを削減できるわけでもないだろう。
そこまでして5008Cieloとの差を付けたいのか?
っていうか、そういうセコいことするからダメだと言われるだよ。
ODBポートから情報を取り出して、後付け燃費計を取りつければ代替手段として実現できなくもないが、プジョーに対応した燃費計というのがなかなか売ってない。
D.I.Y.でチャレンジしている人がいるようなので、そっち方面に期待したいところだが。
ってことで、個人的にこの点だけで5008 Premiumに対する興味が半減した。
とはいえ、週末にはバビロンレッドの展示車が世田谷店に入るらしいので、興味のある人は見に行ってみるのがいいんじゃないでしょうかね。
とりあえず、雑感としてはこんな感じです。
ディーラーが落ち着いた頃に試乗を兼ねてもう一度見に行ってきます。
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