ゲームミュージックの歴史を紐解くと、世界初のゲームミュージックのレコードを発売したのは細野晴臣プロディースの「VIDEO GAME MUSIC」だったわけであり、ゼビウスはその中でもトップを飾り、世間にゲームミュージックという存在を認知させたタイトルだったりしたわけです。
余談ですが、我が家にはこのアルバムに収録されたゲームのコンポーザー全員のサインが入った記念のレコードがあったりします。
マッピーやリブルラブルの作曲で知られる大野木さんから譲ってもらったものです。えぇ、単なる自慢です。すいません。
そしてこれまた世界初となる細野晴臣によるRemixだけで構成された12インチシングル「スーパーゼビウス」は、当時のゲームマニアやテクノっ子のハートを鷲掴みにした、歴史的な1枚となっておりまして、基本的にこれ以降のゲームミュージックのRemixは「スーパーゼビウスを越えられるか?」というのがひとつの指標ともなったわけですが、なかなかそうしたRemixにお目にかかる機会はありませんですね。
っていうか、今聴いてもスーパーゼビウスって鳥肌立つぐらいすげぇんですよ。思い出補正をOFFにしてもね。
このように、ゼビウスというタイトルはゲームだけでなく時代を代表するサウンドとして各方面に大きな影響を与えてきました。
そんなゼビウスの30周年を(商売的に)盛り上げようという機運が高まっても、それはそれで何もしないよりは遥かに良いことです。
ってことで、iTunes限定配信という形でアルバムリリースとなりましたが、昨今のCD不況、とりわけニッチすぎるゲームミュージックというジャンルにおいて、CDというメディアで発売するほどのボリュームは見込めないという判断なのでしょうから、そういう時代なんだと頭を切り替えて配信なら配信なりの楽しみ方を考えましょう。
ってことで、以前指摘したトリビュートアルバムとしてどんな付加価値を提供するのか?という点に対する答えとして、アルバム購入するとダウンロードアイテムの中にPDFのデジタルブックレットが含まれておりました。
CDでいうところのインナースリーブですやね。
こういう売り方も出来るとは知らなかった。
で、そのデジタルブックレットにはコンポーザーの情報やオリジナル版制作に携わった慶野由利子(作曲)、遠藤雅伸(制作・プロデュース)、遠山茂樹(メカニックデザイン)のコメントが寄せられていたり、ソルバルウのペーパークラフトが封入されていたりと、30周年を記念する趣向を凝らした構成になっております。
アルバムはゼビウスが16エリアで構成されていることから全16曲構成になっています。
01のOVERTUREと16のOVERを除いて、楽曲としては実質的に14曲。
実にバラエティに富んだ内容となっており、割と飽きずに聴くことができました。
収録曲は以下の通り。
恐らく一般的に期待されるであろうテクノ色を強くしたRemixとしては、
02 DISTANT MEMORIES(AJURIKA Remix)
07 GUMP(Ryo Watanabe Remix)
10 TORAS(Torine Remix)
12 XEVIOUS REMIX OVERTURE ~ BEAT THE "GWASSHER"(2012 MYS MIX)
この4曲をローテーションしておけばけっこういい感じにアガれます。
逆にアプローチとしては割と誰でも考えつくところではありますが、細野晴臣のスーパーゼビウスから29年経ったアレンジの姿という解釈もできるでしょう。
異色のRemixとしては、BIG BANDテイストやFUNK色の強いこの2曲。
03 SUPER BAD XEVIOUS(Takeshi Nakatsu)
11 JARA-1(Junichi Nakatsuru Remix)
様々なミュージシャンが参加した「ゲームトリビュート」(1998)において、野村義男がギターでゼビウスのフレーズを奏でていましたが、割と残念な感じのアレンジであったので、それとはまた違ったアプローチで生演奏っぽい感じにまとめるのもまた新鮮な感じを受けます。
ボーカル曲という異色の取り組みとしては
05 FARDRAUT(Hiroshi Okubo Remix)
06 06 CRAZY ABOUT ZOSHI(Hiroyuki Kawada Remix)
08 ADDOR GUILENESS(LindaAI-CUE Remix)
13 PHOENIX(Yoshinori Hirai Remix)
といった感じですが、05を除いてもう少し捻りが欲しかったかな、と思います。
これは、どういった意図でこの歌詞を付け、アレンジにしたのか?という情報が全く無いから解釈しようがない、というのが正直なところでありまして。
そして最後を締めくくるのはネームエントリー。
16 OVER(Yoshihito Yano Remix)
フェードアウトの後にクレジット音で締めるということは、ここから先に何か再び動きがあることを暗示していると解釈してよろしいわけですね?
そんなわけで、お祭りアルバムとしての役目は十分果たせているとは思うものの、個人的に思うのは、各コンポーザーが自身のRemixについてどういう想いを込めて作曲したのか?という部分を語らなければ意味がないのでは?ということ。
第三者によるRemixではなく、これは現在のナムコに所属する、もしくはその周辺のコンポーザーが集まって作ったアルバムであり、そこには公式という意味があるわけです。
ゼビウスから30年経ち、今のゲームミュージックの現場の人間がどのような解釈を与えたのか、それを単に楽曲だけから理解しろと言ってもなかなか伝わりません。
自身のコトバで語ってこそ、このアルバムの持つ意味を広く伝えていくことができるんじゃないの?と思うわけであります。
単に「30周年商戦に乗っかって企画してみました」なんて軽い意図でないのならば、想いをきちんと言葉にして、今後に繋げていきましょうや。
そうでないと、アルバムを発売したという話題が沈静化したらあっという間に埋没しちゃうよ?
マッピーやリブルラブルの作曲で知られる大野木さんから譲ってもらったものです。えぇ、単なる自慢です。すいません。
っていうか、今聴いてもスーパーゼビウスって鳥肌立つぐらいすげぇんですよ。思い出補正をOFFにしてもね。
CDでいうところのインナースリーブですやね。
こういう売り方も出来るとは知らなかった。
01のOVERTUREと16のOVERを除いて、楽曲としては実質的に14曲。
実にバラエティに富んだ内容となっており、割と飽きずに聴くことができました。
01 OVERTURE 1983(Yuji Masubuchi Remix)
02 DISTANT MEMORIES(AJURIKA Remix)
03 SUPER BAD XEVIOUS(Takeshi Nakatsuka Remix)
04 GROBDA(Yoshihito Yano Remix)
05 FARDRAUT(Hiroshi Okubo Remix)
06 CRAZY ABOUT ZOSHI(Hiroyuki Kawada Remix)
07 GUMP(Ryo Watanabe Remix)
08 ADDOR GUILENESS(LindaAI-CUE Remix)
09 SOL(Katsuro Tajima Remix)
10 TORAS(Torine Remix)
11 JARA-1(Junichi Nakatsuru Remix)
12 XEVIOUS REMIX OVERTURE ~ BEAT THE "GWASSHER"(2012 MYS MIX)
13 PHOENIX(Yoshinori Hirai Remix)
14 SHEONITE(Taku Inoue Remix)
15 A DREAM WITHIN A DREAM(Hiroyuki Kwada Remix)
16 OVER(Yoshihito Yano Remix)
02 DISTANT MEMORIES(AJURIKA Remix)
03 SUPER BAD XEVIOUS(Takeshi Nakatsuka Remix)
04 GROBDA(Yoshihito Yano Remix)
05 FARDRAUT(Hiroshi Okubo Remix)
06 CRAZY ABOUT ZOSHI(Hiroyuki Kawada Remix)
07 GUMP(Ryo Watanabe Remix)
08 ADDOR GUILENESS(LindaAI-CUE Remix)
09 SOL(Katsuro Tajima Remix)
10 TORAS(Torine Remix)
11 JARA-1(Junichi Nakatsuru Remix)
12 XEVIOUS REMIX OVERTURE ~ BEAT THE "GWASSHER"(2012 MYS MIX)
13 PHOENIX(Yoshinori Hirai Remix)
14 SHEONITE(Taku Inoue Remix)
15 A DREAM WITHIN A DREAM(Hiroyuki Kwada Remix)
16 OVER(Yoshihito Yano Remix)
07 GUMP(Ryo Watanabe Remix)
10 TORAS(Torine Remix)
12 XEVIOUS REMIX OVERTURE ~ BEAT THE "GWASSHER"(2012 MYS MIX)
逆にアプローチとしては割と誰でも考えつくところではありますが、細野晴臣のスーパーゼビウスから29年経ったアレンジの姿という解釈もできるでしょう。
11 JARA-1(Junichi Nakatsuru Remix)
06 06 CRAZY ABOUT ZOSHI(Hiroyuki Kawada Remix)
08 ADDOR GUILENESS(LindaAI-CUE Remix)
13 PHOENIX(Yoshinori Hirai Remix)
これは、どういった意図でこの歌詞を付け、アレンジにしたのか?という情報が全く無いから解釈しようがない、というのが正直なところでありまして。
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