仏プジョーがバッテリー不要の新型ハイブリット車、トヨタに対抗
仏PSAプジョー・シトロエン(PEUP.PA: 株価, 企業情報, レポート)は22日、バッテリーを使わない新型のハイブリッド技術を発表した。ハイブリッド市場で先行するトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)を追撃する。
独自動車部品大手ロバート・ボッシュROBG.ULと共同開発した。ガソリンエンジンと圧縮窒素による駆動力を組み合わせる新技術で、従来のハイブリッド車に比べ軽量化し、排出削減コストを半減できるとしている。
トヨタのハイブリッド車「プリウス」は、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせているが、プジョーの新技術「ハイブリッド・エア」システムでは、圧縮窒素により油圧モーターを稼動させる。
市場への投入は2016年ごろを目指しており、2万ユーロ(2万6600ドル)を切る価格設定を見込んでいる。
なにやら大騒ぎになっておりますが、圧縮窒素(空気)をトルクアシストとして活用するアイディア自体は各メーカーがいろいろと開発しており、別段新しいものではありません。
窒素の供給とタンクの安全性を確保するとなるといろいろと課題も多かったりするものでありまして、なかなか実用段階に進むのが難しい技術でもあったりするわけです。
そこを、ボッシュとPSAが手を組んで、エンジン+モーターアシストとは異なる方式のハイブリッドとして提案してきたというのは、それなりにトピックになる話ではあります。たしかに。
ただし、2016年の市場への投入を検討しているという、まだなんともボンヤリした段階である点などは、かつてのHYbrid4を発表したはいいものの、なかなか発売までこぎつけられなかったという過去を彷彿とさせます。
また何より、このタイミングでこのニュースが出てくるというのが、業績低迷に苦しむ中で、投資家に対するアピールとして開発段階の技術をとりあえず発表しただけなんじゃないか、と思わせるフシがありまして。
2016年というのは少なくともPSAにとってはGMとの提携事業を軌道に乗せることに集中しなければならない段階で、世界初の量販車種向け窒素ハイブリッド車を出せるほどの余力があるとは残念ながら考えにくいわけであります。
実証実験としてリース販売とかそういう話であればFCVなどと同じような話でありまして、とりたてて騒ぐことでもないですし。
とにかくセンセーショナルではあるものの、PSAという企業のポテンシャルを考えるとあまり現実味のある話ではない気がしております。
3月のジュネーブショーで何らかのデモンストレーションを行うようですので、とりあえず判断保留とさせていただきます。
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