ドライバーの所有マインドが低下

 
~2012年 全国カーライフ実態調査 前編~

ドライバーのマインドはそのまま保険の運用における重要な指標になることから、ソニー損保は割とこの手のユーザ調査を積極的にやっている。

今年度の調査が発表になったので、そこでいくつか気になる点をピックアップしてみよう。

その前に、この調査の対象を確認しておく。
自家用車を所有し、月に1回以上車を運転する18歳~59歳の男女3,000名に対し、車の主な運転目的を聞いたところ、「通勤・通学」45.4%、「日常の買い物・送迎」42.8%
つまり業務用途は除かれており、通勤・通学という日常的な用途は含むということで、自家用車の調査精度としてはかなり高い方ではないかと思わる。


まず、レポートのサマリーとしては以下の3点を挙げている。

◆月間走行距離300km未満のちょいのりドライバーが56.6%◆1ヵ月の平均維持費 ガソリン車「15,500円」、ハイブリッド車「14,800円」
◆「ガソリン代・燃料費」の負担感は3年連続上昇

月間平均走行距離が300km未満のドライバーが56.6%となっており、昨年の同内容調査における55.1%から比率が高まっている。

日本における全車両の平均走行距離は年間1万kmとなっているが、半数以上の自家用車の稼働率は極めて低いことがよくわかる。

ここに含まれないのは通勤・通学で毎日使うような郊外のドライバーになることが想定されるわけで、「通勤・通学にクルマを使わない≒都市部」のドライバーとの乖離が大幅に広がっているということになる。

つまり、クルマ離れ(依存度の低下)は都市部で進行しつつあり、若者のクルマ離れと言われる所以とも合致する。

1ヶ月の平均維持費については、ハイブリッド車がガソリン車に比べて700円/月ほど安いが、想像していたより差が少ない。
軽自動車の方が維持費は安く、コンパクトカーと同等という結果だ。
プリウスと同等のボディスタイルであるセダンで比較すると2800円/月となるので、このあたりであれば年間維持費で33600円の差が出てくることになる。

5年乗ったら約17万円の差となる。
このあたりに価値を見出すかどうかは個々の価値観次第ということだろう。


で、消費者心理を図る上で重要な諸経費において負担を感じる項目については、車検・点検費が68.5%、自動車税が59.9%となっており、前回調査に比べて微減ではあるものの相変わらず負担と感じている消費者が多いことがわかる。


エコカー補助政策は、新車(特に登録車)の購入を促す経済政策であったわけだが、それでも軽自動車の販売が40%を超える昨今の状況は、所有マインドの後退が引き起こした結果であって、言い換えればこれは生活防衛のための消費行動という事ができる。

さらに踏み込むと、車歴10年を越えるクルマの増加、買い替えに新車ではなく中古車を選ぶ層の増加、買い替えではなくクルマを手放すという層も一定数いるという現実。

このあたりにも、所有マインドの低下が感じられる。


維持費の負担は税制の見直しが必須ではあるものの、そもそも可処分所得の低下がクルマを維持することに耐えられなくなりつつあるという現実を前にして、できることはそう多くはないのかもしれない、とかちょっと思った次第也。


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック