なにやら変なPSAの話

 
なにやら変な話になってきました。
フランス政府から公的支援を受けたことで、当初計画していたリストラに関して待ったがかかり、それを受けてGMとの提携交渉が中断(というかかなりのトーンダウン)になってしまったPSA。

ここで提携について新たな方法を模索しなければならなくなったわけだが、なぜかインドのタタモーターズと交渉しているなんてニュースがドイツ経由で入ってきまして。

Tata denies report on alliance talks with PSA

当然タタ側はこれを否定。
PSAも否定するという事態になっておりますが、得てして交渉が締結する前はどのような噂も否定するというのが上場企業のコンプライアンスというものですので、実際のところはよくわかりません。

インドの大財閥グループであるタタにしてみれば、高級ブランドであるRangeRoverを傘下に収め、新興市場には自社ラインナップで臨む中で、中間車種を扱うブランドを持っていてもいいかもしれませんが、それにしてもあまりに突飛な話であります。


しかし、PSAのFrederic Saint-Geoursが現在の状況について、AutomotiveNewsのインタビューに答えているので、その辺りに今後のヒントが見えてきそうな感じではあります。

PSA's Saint-Geours tackles big challenges


曰く・・・

「市場規模の小さい欧州に依存しすぎた」
「特に経済情勢の厳しい南欧の依存度が高く、その影響を受けている」
「提携先を探したが、三菱とはうまくいかず、現在GMと交渉している」
「欧州外諸国のウェイトを高めるため、中国や南米に生産拠点を作っている」
「2年前欧州外の比率は30%だったが今は42%に上昇した」
「2015年までに50%に達することを目指している」

「新型モデルの開発は継続している」
「商品力で攻勢をかける。208は欧州においてセグメントリーダーになるだろう」
「208の成功は大幅な値引きによるものではない」
「韓国勢に価格競争では対抗できないので、より高級な車種に力を入れていく」
「シトロエンの強化はその一環であり、DS Line(シリーズ)は好調に推移している」
「DS Lineはシトロエンの売り上げにおいて欧州で15%、中国で25%のを占める」
「プジョーに高級ブランドを用意する予定は無い」
「代わりに上位グレード(208GTiや208XYなど)を展開することで高級ラインナップのシェアを高める」
「現在高級ラインナップは20%を占めるに至っている」
「4年前は高級ラインナップの比率は9%だったが、今は20%になった」
「財政が厳しい状況が続くため欧州における13%のシェアにはこだわらない」
「C-ZEROとiOnの市場はなかった。これからは商用車のEVで勝負する」

ざっとまぁ、こんな感じ。
シトロエンが通常ラインナップのC Lineと、上級ラインナップのDS Lineを展開しているのに対しプジョーは上級ブランドを用意するのではなく、各車種の上位グレードを用意することで高級ラインナップを増やしていくという方針なのだそうな。

ここしばらくプレミアム路線への転換を図ってきたPSAではありますが、中身が伴っていないと批判を受け続けてきました。

208ではデザインと質感の向上にコストを割いているので、豪華装備の上級グレードを出してきてもそれほど違和感は無いのかもしれません。

で、トランスミッションに対するコミットメントは無いのかよ、おい!
 

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック