208のアクセサリー戦略

208
208_stripe.jpg


なんだかんだ言ってもやっぱり実物を見て乗ってみないとわからんよね。
そんなわけで、今日は全国の各プジョー店で208の内覧会が行われていたわけですが、お台場の帰り道にちょっと覗いてきた。

実車と試乗の感想については別にまとめるとして、208というクルマをどう売っていくのか?という点について先に書いておこうと思う。

記者発表会でもプレスリリースでも触れられていないのだが、プジョーは208の展開については単に4つのグレードの車種を販売するだけでなく、豊富なアクセサリーによってカスタマイズできるような戦略を採ろうとしている。

例えるならBMW MINIのようなもの、といえばわかり易いだろうか。

MINI_accessory.jpg

この画像のような感じに、ベース車にストライプのカッティングシートを貼り付けたり、ドアミラーカバーなどでカスタマイズすることで、自分なりの1台を作り出す感覚、とでも言おうか。

ちなみに、BMW MINIのアクセサリーページを見ると、車種ごとに詳細なアクセサリーが用意されている。

MINI_accessory2.jpg

さすがは「いつの間にかオプションの見積もりが100万・・・」の異名を持つBMW MINI。
本来であれば、MINIを扱うチューンショップなどがこういったことをやったりするもんだが、純正でやってしまうところがスゴい。


208も、限定的ではあるがこの路線でオーナーに選択肢を用意しようとしている。
今日現在でカタログが間に合ってないそうなので、海外の動画でご紹介。




ここで紹介されているうちのいくつかのアクセサリーが日本でも設定されることになる。
一例を挙げるとこんな感じ。

208_accessory_roofstripe.jpg
 ルーフステッカー 26,040円
 ルーフスポーラーステッカー 3,255円
 
208_accessory_backmirror.jpg
 ルームミラーカバー 10,815円

208_accessory_sidemirror.jpg
 ドアミラーカバー 25,095円
 フロアマットセット 13,650円

このあたりを基本として、数種類のデザインを用意してあり、好みの組み合わせでカスタマイズできるようになっている。

こうした取り組みは、207の時には見られなかったので、戦略としてはずいぶん前進している。

ちなみに同種のアクセサリー充実路線については1007発売当初、内装を着せ替えすることのできる「カメレオキット」というのを展開をしたことがあった。

1007cameleo_kit.jpg

残念ながら1007そのものの販売が芳しくなく、カメレオキットの評価もきちんと成されないまま終息してしまった。
カメレオキットは内装のピンポイント装飾だったが、ノリとしては同じような感じだ。

唯一難点を挙げるとすると、ベースとなる208のボディカラーが割と地味である、という点。

BMW MINIやFiat500やルーテシア、国産ではデミオやフィットなどを見ればわかる通り、Bセグメントはどちらかといえば派手なボディカラーが映える。

BMW MINIのストライプなどは、ボディカラーとのコントラストが明確であればあるほど見栄えが良くなる。
つまり、原色系の方がこういった装飾との相性が良いということだ。

208に関しては、原色に近いのはブラック、ホワイト、レッド、ブルーが用意されているが、鮮やかというよりは上品な色合いになっている。

必然的にストライプなどが入っても、派手さを前面に出すのではなくさりげない感じのステッカーチューンになることから、どういった層が食いつくのか、イマイチよくわからない。

恐らくは、208GTの購買層とのマッチングが良いと思われるが、5ドアのPremiumやCieloでワンポイントのアクセントとしてミラーカバーなんかを装着するというのはアリかもしれない。

そういう選び方ができるようになっているのは、高額なセット一式で押し付けてくるよりは良心的だと思う。


そんなわけで、走行性能にはまったく関係は無いが、こういう自分好みのカスタマイズという選択肢を用意したことで、208がポップアイコンとして受け入れられる可能性が少し出てきたのではないかと思う。

ただ、こういう戦略を採るのなら、なんで記者会見の場で発表しなかったんだろうか?
世間の注目が一番高い時に、どういった方法で訴求するのかをアピールするのはとても重要なのだが・・・

それと、本来であれば実車でこれらのアクセサリーを装着した状態を確認したいところだが、さすがにすべての組み合わせをディーラーで用意するのは不可能なため、シトロエンDS3のサイトのようなアクセサリーのコンフィギュレーター(装着シミュレーション)をできるようにしなければ意味がないのだが、現時点で公式サイトにそれらの情報は見られない。

本発表となる11月3・4日までにはWEBと各ディーラーの準備が整っていることに期待してみよう。
 
 
[補足]
ステッカーチューンといえば、かつてこんな壮絶な話がありました。
思い出したので再掲しておきましょう。

http://kaisendon.seesaa.net/article/105053313.html
http://kaisendon.seesaa.net/article/106294807.html
http://kaisendon.seesaa.net/article/118173656.html
http://kaisendon.seesaa.net/article/119745294.html

この記事へのコメント

  • dkura

    北イタリアの我が町でもチラホラ208を見かけるようになりました.仰せのとおり地味なカラーがほとんどです.こちら,ミニでもラインを入れている車を見たことがないのですが,欧州人にこういうデザイン戦略は効くんでしょうかね?
    2012年11月03日 22:48
  • 海鮮丼太郎

    >dkuraさん

    異国の地よりご覧頂ありがとうございます。
    そうですか、イタリアでもチラホラ遭遇するようになってきたんですね。

    イタリアの販売状況を調べてみたら、10月末までで14,663台を販売しているそうです。

    チラホラ見かけるという台数ぐらいは売れている感じですね。

    ステッカーチューンに関しては、国によってクルマに対する考え方が違うので、流行るところとそうでないところが出てくるんだと思います。

    やっぱりこの手の流行はかつてのMINIに代表されるように欧州ではイギリスが活発のようですね。

    上記の動画もプジョーUKのオフィシャル動画だったりします。

    日本でもまだ定着してはいませんが、ルーテシアのゴルディーニ仕様やアバルトなど、一部で流行の兆しがありますし、BMW MINIのステッカーチューンも割と眼にするようになりました。

    なんといっても日本には痛車という文化もあったりするので、手軽に出来るのであれば流行するのではないかと考えています。

    今回の208のアクセサリー設定は、オフィシャルとしてはまぁまぁお手頃な価格だと思いますので、これを208を購入する人がどう受け入れるかというのが興味深いところです。

    そういえば、ステッカーチューンで思い出したことがあったので、本文に補足しておきました。
    2012年11月04日 15:13

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