ラジオを大切にする人々

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※しばらくラジオの話が続いておりますが、あと2エントリーぐらいで終わりにしようと思います。

今回のにち10公開生放送を生で見られて最大の収穫は、安住紳一郎(以下“あずみん”)という人物がどういったスタンスでラジオに臨んでいるか、ということが実感できたことだ。

あずみん自身も好きでやっている部分はあるのだろうが、番組に臨むにあたって様々な情報を仕込み、毎回飽きさせない工夫をしている。

番組で読まれたメッセージに対して、安易に賞金や商品ではなく、永山裕子先生(a.k.a.散骨イラストレーター)デザインのポストカードにメッセージをこめた切手で返礼するなど、独自の試みをしていることはリスナーの広く知るところだろう。

そんなにち10だが、毎回スタジオからの生放送をするだけでも多くのスタッフが関わっているわけだが、公開生放送というイベントに際しては、会場設営、中継スタッフ、来場者の誘導、進行管理などさまざまなスタッフがさらに必要になってくる。

ざっと数えたところではTBS関係者は50人ぐらい?いたように見えたが、それだけのスタッフを動員して公開生放送というイベントを成功させるために、あずみんもずいぶんと自身の労力を割いていたようだ。

番組でエピソードとして披露していたが、体育館にパイプ椅子を並べるのに、床に傷が付かないように養生シートを敷く必要があったが、檜原小学校には手持ちのシートが無く、必要な場合は20万円ほど掛けて都度レンタルする必要があったそうだ。
しかし、番組予算から20万円を出すことが難しい(ラジオ番組の経費としてはとんでもなく高額)ため、代替案として昨年の公開生放送を行った神流町所有のシートを貸してもらうことになった。
しかし、それを取りに行くスタッフのアサインができなかったため、あずみんが自身が自分の休日を使ってトラックをレンタルして神流町まで取りに行き、檜原村まで運んだんだそうな。

本人はおもしろおかしく話していたが、本当であればこんな手間は掛けないほうがいいに決まっている。事故などのリスクを考えれば、決して褒められた話ではない。

しかし、あずみんを突き動かしたのは、この公開生放送を成功させるためにできることをやる、という真摯な姿勢だったんだろうと思う。

このエピソードを聞いた時、「この人は本当に自分の番組を大切にしているんだなぁ」と強く思った。

同時に、このあずみんの思いは、恐らくすべてのスタッフの間で共有されているものなんだ、ということ感じた。
会場の中を忙しく動き回るスタッフの表情が、そう感じさせたのだ。

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みんな、この公開生放送を成功させるために、自分の与えられた仕事をきっちりこなす。
まさにプロフェッショナルな集団だった。

放送を聞いてもらえばわかるとおり、赤坂と中継を繋いだり、送られてきたメールをすぐ読めるように段取りしたりすることで、進行が滞るような事態はほとんど発生せず、ユミタソがキューを見逃して妙な間が空いたことが何回かあるだけだった。

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この「安住紳一郎の日曜天国」という番組は、出演者も裏方も含めてみんなチームとして結束しているんだな、ということがひしひしと感じられた。

そして、自らチョコバナナを作って振舞ったひろしこと古川博志編成局長も、このチームの一員であったわけだ。

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Radikoのユーザが1000万を超えたという久々に明るい話題があったものの、ビジネスモデルの構築にはまだ時間が掛かる状況で、ラジオを取り巻く環境は以前にも増して厳しくなってきている。

事業の柱であるスポンサー収入については、ラジオ全体では減少傾向に歯止めが掛からない。
そのしわ寄せは制作費抑制という形で影を落としてきており、現場のモチベーションを維持しているのは「好きだからという気持ちだけ」、などと言われていたりもする。

しかしそれでも、ラジオにはラジオにしかできない魅力がある。
公開生放送の最後を、あずみんはこう締めくくった。

 ひょんな思いつきからリスナー確認調査が始まり、そして神流町、檜原村とこういう縁が出来ると言うのもなんだか不思議なもので、神流町のことは一生忘れないと思うし、今日お邪魔した檜原村のこともたぶん、皆さんも一生忘れないんじゃないかと思います。
 本当に縁とはおもしろいもので、こういう縁がたくさんあると人生は楽しいものになるんじゃないかと思います。

とても素敵なコトバだと思う。
おそらくあずみんがラジオに抱いている気持ちそのものなのだろう。

現実においらは、昨年の公開生放送は参加はできなかったものの、神流町という町の存在を知り、機会があれば訪れてみたいと思うようになった。
そして今年は、檜原村を訪れることで、いろんな体験をし、いろんなことを考えるきっかけをもらった。

そして、こうした素敵な経験をしたことで、おいらの人生がまた少し、楽しいものになった。
これらのきっかけは、あずみんとにち10という番組が与えてくれたものだ。
あずみんの思いは、少なくともこのおいらには十分届いているよ。

我々リスナーは、この良質な番組がいつまでも続くことを願っている。
あずみんも、そして番組を支えるスタッフたちも、この番組を続けることでより多くの人たちの人生が楽しくなるよう願っていることだろう。

編成を担う古川博志編成局長も、

「今後も質のいい番組を届けることで、ラジオを聞く人を増やしたい」

と語ってくれた。

檜原村という困難な場所から公開生放送を実現したのは、にち10がTBSラジオでもっとも人気のある番組だからという理由はもちろんあるだろう。
しかしにち10は、やるべき事をチームのみんなで取り組んできたからこそ、結果的にもっとも人気のある番組に育ったわけだ。

ともすれば、微妙なバランスの上で成り立っているこの番組が今後も長く続くように、リスナーも自分の出来ることを考えて一緒に番組を作っていくという気概を持ちたいものだ。
番組へのメールや聴取率調査への協力を続けるのはもちろんのこと、こんなに楽しいラジオ番組があるんだということを、声を上げていろんな人に伝えていくのもいいだろう。

そして、できる人だけでもいいから、スポンサーに付いてくれた企業をリスペクトしよう。

ラジオ番組はスポンサーが付くことで成り立っている。
だからCMを毛嫌いしてはいけない。むしろ楽しむくらいの気持ちを持ちたいものだ。

安住紳一郎という類まれなる才能を持ったラジオパーソナリティと、それを支えるチームの人たちと、いつまでも楽しい時間を過ごすことができるように。

ラジオを大切にする気持ちを持つのは、何も作り手だけじゃない。
受け手もまた、その気持ちを持つ事が大切なんだよね。
 
 

この記事へのコメント

  • しの

    にち10、私も大好きな番組です。
    >この公開生放送を成功させるためにできることをやる、という真摯な姿勢
    同感です。あずみんの人柄がよく現れていると思いました。素晴らしいことです!

    私事で恐縮ですが、最近「その仕事は出来ません。」という事を証明するために日々工数をかけて情報集めたり、実験したり、計算したり、報告書をまとめる日々が続いています。。。
    あずみんが過労でぶっ倒れない事を祈りつつ、毎週日曜にはまたいつもの様に元気を頂きたいと思います!
    にち10を支えてくださるスポンサー様にも目を向けてみようと思います。本当にありがとうございました。
    2012年10月18日 22:21

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