これからのルノーさん

 
 
プジョーさんが精彩を欠く今日この頃。
では妙に元気のいいルノーさんは何を考えているのか?

ということで307swの買い替え候補の可能性について情報を得るために、ルノー世田谷に行ってきましたよ。

その前に、ざっとルノーさんの戦略をふり返っておきましょうかね。

ここ数年のルノーさんは、『FTS(French touch Trendy Sports)戦略』に基づいて車種を展開しております。
その狙いについてはこちらの記事にて語られていますが、

「ルノーといえば、フレンチタッチ、トレンディ、スポーティだね」

というイメージを持ってもらうことを戦略の柱に据えている、ということです。

これをタマフル的キーワードで簡単に説明すると

『俺たちが自慢されたいフレンチ』

を体現するという意味であります。

オーナー達が触れ合う機会を設けるための「カングージャンボリー」などイベントの開催によってオーナーとの結束力を高め、なおかつニーズを直接ヒアリングする。

そして集めたニーズを分析して欲しいと思わせる特別仕様車を次々と投入して話題を作る。

さらにMTやハイパフォーマンスモデルを次々と導入して、マニアのニーズをキッチリと満たす。

普通に考えれば、カングービボップを導入するぐらいだったらセニックを入れてファミリー需要を取り込もう…みたいな発想になるわけですが、ルノーに求められているものは何なのか?をきちんと分析して、あえてキワモノ路線という捨て身の戦略で存在感を発揮したことで、ついに販売台数で長らく1位のプジョーを追い抜くという夏の珍事が発生するに至ったわけであります。

特別仕様車の少量販売では、収益率は間違いなく他のブランドより低いと思われます。
しかしそれを継続できているのは、フレンドリーに見えて実は緻密なマーケティングが行われた結果であるわけです。純粋にスゴいと思います。

とはいえ、今までのキワモノ路線で規模の拡大を続けていくことはなかなか難しいわけです。

日産の一部門から、再び独立した法人の設立となり、今後はより高い目標を掲げてビジネスをしていくことになるわけです。

そのためには、小ロットの特別仕様車ばかりでなく、通常ラインナップの拡充が必要になってきます。

そんなわけで、今後ルノーさんはどういうラインナップを入れる予定なのか?
この辺りを聞いてきましたよ。


■メガーヌエステートは?
先日、意表を突く形で限定60台で販売された、メガーヌのステーションワゴン版であるエステートGT
まさかの左ハンドル&MTという通好みのホットバージョンでありまして、60台はすぐに完売してしまったとのこと。

そこで、カタログラインナップとして、通常版(右ハンドル+AT or CVT)の導入が検討されているそうです。

現在のルノーにはステーションワゴンのラインナップが全くないので、この辺りの需要を取り込むためにも是非とも実現してほしいところでありますね。

ただし、市場性を見極めている段階なので、出るとも出ないとも約束できないとのことでしたが、こうして話が出来るぐらいは進行中ということなのでしょう。


■セニックは?
以前はラインナップしていたミニバンのセニックですが、市場性が無いとの判断で投入はしないそうです。
荷物を積みたければカングーを選んでね、というだそうで。
ある意味、今のルノーオーナーの偏り具合がわかるというものですが、何かMPVをラインナップしておいてもいいような気はするのですが・・・


■新型ルーテシアは?
今月末のパリサロンで発表される新型クリオ(日本名:ルーテシア)に関しては、カタログモデルとして数車種を導入することは決定しているそうです。
時期は未定。早くても来年ということになるので、それまでは現行型の特別仕様車で対応するようです。
エンジンもダウンサイジングして900ccからの設定になっていますが、その中でどれを日本に入れてくるか興味深いところです。
また、プジョーと同じくルノーさんもATの出来の悪さで苦労してきましたが、ついにDCTが用意されたので、これが日本に入ってくると面白いことになるでしょうね。

公式が出した動画でポロっと出てしまった次期クリオのステーションワゴンですが、残念ながらこちらの日本への導入の可能性は全くないとのことです。

208シリーズにおいて207swの後継を開発しないとのプジョー関係筋からの発表もあったりして、これで国内では輸入車のBセグメントワゴンはほぼ壊滅してしまいます。
MINIクラブマンか、Fiat500Lが投入されればBセグメントワゴンっぽい使い方が出来るかとは思いますが、うーん・・・
期待していただけに残念です。


■ディーゼルの投入は?
 ルノーがディーゼルを2013年に投入するという記事を日経が書いて一時期騒然となりましたが、その後続報は特にありませんね。

結論から言うと、誤報だそうです。
そんなニュアンスの話はしていないはず、とのことでまたもや日経のトバシ記事ですか・・・
現在の状況では、社内でもほとんど議論が進まず。残念でしたね。

しかし、もしディーゼルを出すとしたら?
企業戦略において非常に重要な発表になるので、直前まではブラフで隠し続ける可能性も無きにしも非ず、な気がします。
真相はいかに?気になる気になるww


こんな感じで、積極的な拡大を目指してはいるものの、その歩みはゆっくりとしたものになりそうであります。
カングーという日銭を稼ぐ孝行息子がいるので、じっくり市場を見極めた車種展開をしていくのかもしれません。

来年の見どころとしてはルーテシアのDCT仕様がプジョー208とどのような戦いを繰り広げるか、というところですかね。

隣の芝生は青く見えたりするものですが、プジョー&シトロエンが見習うべき点は多々あると感じずにはいられませんでした。


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック