5008の国内導入に関して思うこと。

5008_120920.jpg

5008の正式導入がアナウンスされたそうです。

5008に関しては、一度検討されたものの話が流れて、プジョー車のメンテナンスを手掛ける原工房が独自に5008の輸入販売を始めるという形で変則的に販売が開始されたわけです。

て、実車を昨年のフレンチブルーミーティングに持ち込んでプロモーションをしていたわけですが、その時に実車を見ての感想として、やはりこのクルマはプジョージャポンが正式にラインナップして販売すべきクルマだと感じた次第でありまして。

プジョーのラインナップには308swというステーションワゴンボディに3列シートを搭載した車種が存在するわけで、ファミリー需要の受け皿としての役割を期待されていたわけですが、実際のところ307swより居住性が改善されたわけでもなく、むしろ全高が抑えられてる分圧迫感が増したということもあり、3列目に大人を乗せることはほぼ不可能に近い状況であります。

小さいお子さまに座らせるとか、シートレイアウトを工夫すればなんとか・・・ではありますが、7名フル乗車は厳しいクルマでありまして、実際のオーナーの用途においても3列目を使う事例は限りなく少ないと言っていい状況にあります。

現行ストリームやオデッセイの例を出すまでもなく、やはり3列目シートを成立させるためには、背の高くないステーションワゴンボディでは難しいということは、おいらも割と早い時期に考えを改めるに至りました。

やはりある程度の全高は確保しないといけないわけです。
その意味で、国産ミニバン群の創意工夫は世界の最先端を行っているなぁ、と感心する事しきりです。

で、輸入車でこの辺りの車種が欲しいとなると、判を押したようにVWのトゥーランへと客が流れておりまして。

地味ではあるものの、文句の付けようのないパッケージングで、これを選ばない理由としては「華が無くて面白くない」以外はありえないよなぁ、というほど優れていたりします。

じゃあ、華を求めるとすればどこへ行くの?というと、シトロエンのC4ピカソ(欧州では2列シート版との区別のためC4グランドビカソと呼称)だったりするわけで、もはやモデル末期ではあるものの、シトロエンの販売台数をしっかり支える屋台骨のひとつだったりします。

変態装備満載で、いかにもシトロエンらしいクルマではありますが、その分価格が高めなのが悔やまれます。

で、当BLOGでも5008について何度も触れては、国内導入すべきだと何度も書いてきました。
その理由として、事実上独占状態のトゥーランとは異なった選択肢を提示する意味でも、またC4ピカソともキャラクターが被らない点でも有効だと考えているからであります。

C4ピカソに比べると、5008は華美な装備も少なくより実用的な車種と言えます。
その意味でキャラクターとしてはトゥーランに非常に近いです。

スタイリングに関してはMPVのイメージが明確なトゥーランに対して、5008はマツダのプレマシーにも通じる、スポーティなフォルムが与えられております。

その意味で「実用性に優れた」、「しかしVW以外の選択肢を考えたい」、「でもC4ピカソは高すぎる」という層にはリーチ出来ると思われます。


ただし。


価格設定を3008のようなプレミアム路線に行ったら失敗するよ。これは断言できます。

欧州での販売価格は、3008と5008はそれほど変わらず、308swよりちょっと高いというポジションだったりします。
日本においては308swが299万円と高めに設定されてますが、本来3008や5008がこれぐらいの価格のクルマだったりするわけです。

記事によると上野社長が「300万前後で考えている」と発言したとされますが、これが本当であれば、308swのポジションをリプレイスして、より明確なファミリー需要獲得のための武器を手に入れることになると思います。

くれぐれも、339万円とかガッカリするような値段は付けないようお願いしたいものですね。

それともうひとつ。

5008が投入されると、308swが担わされていたファミリー需要の獲得という重しが取れることになります。

307swにも設定がありましたが、これを機に2列シートとして値段を下げた純粋なステーションワゴンのグレードをリリースできないもんですかね?

仮に5008が300万で出たとしたら、2列シート版308swを280万ぐらいで出せば、ちょうど良いバランスになるわけです。

この辺、以前のエントリーにも書きましたが、もう一度強調しておきますね。


ちなみに。
ディーラーで聞いた話では、5008の国内導入に関しては、検討はされていたものの正式に導入されるという話はあの記者発表で初めて知ったとのことで、大騒ぎになったそうです。

なんか、PCJさんの内部でいろいろバタバタしてませんかね?
208の中途半端な導入仕様やスケジュールとかも含めて、なんか気になりますねぇ・・・




この記事へのコメント

  • ようたか

    5008日本導入はびっくりしました。
    何だか208発表会ではなくPCJ事業計画説明会のような感じですね。ユーザーとディーラーに対して「今年はなかなか商品が投入できず申し訳ございません。来年は頑張りますのでユーザー様、代理店様、我々を見捨てないで下さい。」というように感じました。
    上野社長が言った「5008は300万円前後になるだろう」発言が本当なら3008はどうなるのでしょうかね・・・値下げ?それとも、ガラスルーフではないモデルを出して整合性を取るのでしょうか。そうすると308は、208は、と値下げドミノになるのでしょうか・・・最後のチャンスかもしれないですね。
    2012年09月25日 04:44

この記事へのトラックバック