先行して販売されている市場の動向を見ると、どの程度期待ができるかをある程度予測することができる。
そんなわけで、毎度おなじみイギリスの状況を見てみよう。
その前に、イギリスのクルマ事情についてはこちらでおさらいを。
イギリスで一番売れているブランドは欧州フォードであり、他の欧州各国とはちょっと状況が異なっているが、登録者の市場が日本のだいたい半分程度であり、基本的に右ハンドル車を輸入販売しているとことから類似点が多く、イギリスのトレンドはかなり参考になる。
さて、そんなイギリスで208が発売されたのは6月28日からとなっているが、オーダー数が7500を超えたとの記事が出ている。
初期のオーダーで7500台というのは好調なスタートを切ったと言っていいだろう。
とはいいつつ、7月の車種別ランキングTOP10を調べてみると、そこに208の名前が無い。
10位に入っているVauxhall Insigniaが2591台だから、208はこれ以下の販売台数ということになる。
デリバリーが遅れているのだろうか?
もうちょっと掘り下げて、イギリス市場の上半期(2012年1月~6月)までの車種別販売台数ランキングを見ると、208は1308台となっている。6月から販売を開始しているので、1308台=6月だけの実績ということになる。
(モデル末期の207を半年間で15783台売ってるところも注目)
こうして見ると、初期受注に対してデリバリーは徐々に始まっているという段階なのだろう。
フォードがフィエスタを狂ったように売りまくっているのとは対照的ではある。
とはいえ、7500台の受注だ。その好調な理由を探ってみよう。
208の特徴は、207に比べて居住性を高めつつダウンサイジングを敢行し、質感と安全性を大幅に高めたことを売りにしている。
つまり、207の失敗はこの見直された部分にあったとプジョーは解釈しているわけだ。
特に206に比べて大幅に巨大化、価格も大幅にアップしてしまった207は、そのせいで女性層の取り込みに失敗。
結果として芳しい販売実績を残せなかった。
…どこかで聞いたような話だな。
っていうか、日本と状況同じじゃないかw
この失敗はプジョーUKの担当者も認めており、だからこそ208は女性にもウケるデザインに仕上げて、トップの座にいるフォードフィエスタを上回る実績を狙いたいのだそうだ。
New Peugeot 208 targets women in bid to recapture UK sales
イギリスに限らず208を販売するエリアでは女性層を取り込むことはマーケティングのかなり高いプライオリティに設定されている。
イギリスでの7500オーダーのうち女性比率の具体的なデータが無いのでわからないが、それなりに取り込みができていると考えてよさそうだ。
さて、この狙いは成功するのか?
少し考えてみようと思う。
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