高齢者向けスマートフォンについて考える(2)


前回のエントリーでは、流行だからといって安易に高齢者にスマートフォンを薦めてはいけないと書いた。

高齢者がガラケーからスマートフォンに乗り換えてそれを使いこなすには、画面のサイズ、解像度、物理キーの有無といった、慣れるまでの超えなければならないハードルがいつくもある。
それらをクリアできるかどうかは、

使ってみなければわからない

という厄介な状況があったりする。
若い連中のようになんでも適応する能力を、高齢者に同じように求めてはいけないのだ。

昨今の実質2年縛りを前提とした割引プランに安易に乗ってしまうと、使いこなせなかった場合に簡単にガラケーに戻ることもできず途方に暮れることになる。
そのため、高齢者にスマートフォンを薦める場合は、出来る限りリスクの少ない方法から入るやり方を考えたい。
これがおいらの基本的な考え方だ。

おいらは、高齢者がスマートフォンを無理なく使うために必要な条件はこの3つだと思っている。

 (1)画面が見やすいこと
 (2)操作が簡単なこと
 (3)月額使用量があまり上がらない事

そこで前回のエントリーの結論として、

 ・通話などライフラインは従来どおりガラケーを使う
 ・スマートフォンは情報端末として、画面の大きいものを使う
 ・使用頻度はそれほど高くないだろうから、低速定額回線を契約する


という方法を提案した。
いきなりガラケーからスマートフォンに乗り換えて後悔するより、目的をきちんと分けて慣れさせていくというのがその趣旨だったりする。

スマートフォンを情報端末として位置づけると、必ずしも端末の大きさはスマートフォンでなくても良くなってくる。
画面が大きい方が高齢者が操作する分には都合がいい。これは紛れもない事実だ。
しかし、タブレットサイズ(10インチ程度)になると、使いやすいが持ち運びにくい。
ここで選択肢として登場するのがスマートフォンとタブレットの中間サイズである、7インチクラスの製品だ。

近日中にAppleもiPadの7インチ版をリリースする予定になっているが、このクラスの端末はいろいろと使い勝手がいい。
7インチクラスの端末は、実質的な選択肢としてはdocomoのGALAXY Tabシリーズに絞られる。
なんでdocomoなのかというと、後述するdocomo回線のMVNOである格安SIMを利用するためだ。

ではGALAXY Tabをどうやって入手するか?

docomoの回線契約は必要無いので、端末だけ入手できればそれでいい。
正規に契約すると実質0円とかいいつつ2年間縛りでけっこうな額を支払わなければならないことになるため、ここは盗品市場ことヤフオクを利用して端末だけを入手する。

docomoのGALAXY Tabは3種類の製品が存在するが、その中でも昨年末に発売されたGALAXY Tab 7.0 Plus SC-02Dが性能のバランスがとれていて、なおかつ値段も下がっているので狙い目だ。

先日新機種(SC-01E)が発表されたこともあり相場も下落気味なので、充電スタンド付きの程度のいいブツをサクッと入札、サクッとゲット。
これで端末側の準備ができた。

まずは端末だけを家の中だけ無線LANで使わせてみるという方法もあったりするのだが、今回の目的は高齢者が情報端末を持ち歩いて使いこなせるか?を実際にチェックことにあるので、通信回線も同時に調達することにした。

親父に使わせてみてわかったことだが、高齢者がスマートフォンでやることというのは、それほど速度を必要とするケースは少ないということだ。

WEBの閲覧、メールの確認、GoogleMap。

ほぼこの3つの行為に集約されており、動画や大きなデータのダウンロードなどを必要とするケースは外出先ではほとんど発生しない。

つまり、高速3GやLTEなどの回線を必要とせずとも、最近台頭しつつある低速(100kbps)だが安価なSIMを月単位で契約するという選択肢もありえる。

低価格SIMに関しては複数の業者から発売されているが、有名なところでは日本通信の「イオンSIM」「IIJmioウェルカムパックforイオン」DTIのServerMan SIM 3G 100の3種類ぐらいだろうか。

各商品の特徴は以下の通り。

 ・月額500円(DTI)~1000円(日本通信、IIJ)程度で使い放題
 ・回線速度が100kbps程度に制限されている
 ・基本的に1ヶ月単位での契約で期間縛りなし(DTIのみ2年の縛り)

  ※いずれも初期費用として3150円の契約手数料が発生する

DTIを除いて契約期間に縛りが無いのがいい。
これであれば、100Kbps程度のスピードで使い物になるかどうかを気軽に試してみることができる。
想定以上に遅いのであれば、解約して別の選択肢を検討すればいい。

そんなわけで3種類ある製品のうち、2年間の縛りと回線品質に問題のあるDTIは外し、日本通信も回線が安定しないという評判があるので外し、残ったIIJmioを選択することにする。

この話、まだまだつづく。


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック