「アサリがあっさり死んだわけ」が観れなくなったわけ



「アサリがあっさり死んだわけ」に驚いた

などというエントリーを書いたのが2011年12月。

図書館振興財団が主催する「図書館を使った調べる学習コンクール」の第14回受賞作品のデキがあまりに素晴らしく、その内容を閲覧するためのリンクを載せておいたのだが、残念なことに現在このリンク先がエラーになってしまっている。

ページが移動したのか?と思い、図書館振興財団のWEBページ全体をチェックしなおしたが、受賞履歴の検索はできても、その中身を閲覧する仕組みが用意されていないようだ。

ネット上でも非常に話題になった作品なだけに、閲覧できなくなってしまったことが残念でならない。

そんなわけで、 図書館振興財団に問い合わせをしてみた。

  【Q1】過去受賞作品が閲覧できなくなったのは何故か?
  【Q2】閲覧する方法はないのか?

これに対して図書館振興財団から返信をもらった。
要約すると以下の通り。
【A1】
今後「全ページ」の公開はいたしません。表紙・目次等作品の一部分を公開する方向でございます。
ネット上での作品全ページ公開の取りやめは、受賞者の著作財産権を、当財団での利用(販売)等に関わる方針変更が理由でございます。

【A2】
複製作品セットを無料でお貸出ししています(返送料のみご負担ください)。
財団事務局で複製作品をご覧いただくことも可能です。その際は事前にお申込みが必要です。

http://www.toshokan.or.jp/contest/kashidashi.php

上記サイトからFAX用紙を出力いただき、事務局あてのFAXにてお申込みいただけます。
とのことだった。

なんでこんな方針変更が行われたのかと不思議に思ったのだが、よくよく調べると、昨年この話題に触れた時は、「図書館を使った調べる学習コンクール」を主宰していたのは、NPO法人図書館の学校だった。

このNPO法人図書館の学校が今年の4月より図書館振興財団に事業移転されたことが、WEBでの公開を終了するといった方針変更に関係していることは想像に難くない。

一応、作品の複製を無料での貸し出しや、財団事務局での閲覧が可能ということではあるものの、こういう方法ではなかなか世間一般の認知度を高めることが難しい。

おいらが「アサリがあっさり死んだわけ」を知るきっかけになったのは、ネットで話題になったこと、そして何より作品全文がWEBで公開されて閲覧することができたからに他ならない。

なんでもネットに上げろという論調に与するつもりはないが、少なくとも図書館の利用促進を目的とした研究発表の成果物は、著者の許諾が取れているならば広くWEBで公開することが、こうした活動の認知が広がることになり、トータルで見てこの財団のメリットにもつながると思うのだが、どうだろうか?

図書館振興財団としてやれることに限りはあるだろうし、無為に責めるつもりもないのだが、純粋にWEB公開停止が残念でならない。

作品の販売といったことも検討しているというが、うちの会社で電子化を請け負って、無料でかなりの部分を閲覧できるようにするっていう方法を提案してみようかなぁ・・・ 


[2013.7.26補足]
このエントリーを書いた後、図書館振興財団のWEBページがリニューアルしています。
その中で図書館を使った調べる学習コンクールの第16回受賞作品の一部がWEBで公開されています。
残念ながら過去の受賞作(上記第14回受賞作『アサリがあっさり死んだわけ』を含む)を閲覧することはできませんが、それでもこうして受賞作の一部を公開してくれることは、非常に意義のあることだと考えます。

今年度もコンクールへの応募受付が開始されていますので、過去の受賞作品を参考にしつつ、子供たちが新たなチャレンジをしてくれることを大人たちは願っております。



この記事へのコメント


この記事へのトラックバック