三菱がPSA向けのiOnとC-Zeroの生産を停止

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そんなわけで、一時は資本提携の話さえあったという三菱自動車とPSA。
どちらも販売低迷に苦しむ中、次世代自動車の開発が負担になったPSAが、三菱自動車よりi-MiEVのOEM供給を受け、目標台数10万台という形で華々しく提携したのが今はもう昔の話のようだ。
っていうか、流れの早いこの業界においては、2009年1月の話など昔話に等しいわけだが。

で、高く掲げた目標に対して三菱自動車も期待するところが大きかっただろう。
しかし、TopGearでの取り上げられ方を例に出すまでもなく、やはり欧州でiOn/C-Zeroを販売するのは難しかったようだ。

通貨危機という非常に深刻な経済情勢にあっては、充電スタンドの整備は進まないし、なにより消費者心理の冷え込みからクルマに対してもコストパフォーマンスの高い実用車を求めるようになるのは仕方の無い話であって、販売するには時期が悪かったという不運もあったと思う。
しかしそれはそれ、これはこれ、である。
結果としてこの上半期でも、iOnは935台、C-Zeroに関しては852台しか販売する事ができず、結果として大惨敗。
三菱自動車はPSA向けOEMの生産を停止した。

Mitsubishi halts production of electric cars for PSA

さすがにここまで低迷するとなると生産を止めざるを得ないわけだが、再開するとしてもかなり台数を絞って細々と供給ということになるのだろう。

一応、すでに話の進んでいるPartnerとBeringoのEVバージョンを共同開発する話は継続ということになるらしいが、トヨタとの提携の兼ね合いもあったりして、このあたりの話もかなり流動的になったと考えた方が自然かもしれない。

PSAがあまりにヘタレ過ぎるのが悪い。
三菱自動車にとっては踏んだり蹴ったりの状況である。
こればっかりはお察し申し上げますとしか言いようが無いなぁ・・・

さて、そうすると三菱自動車としては地道にiMiEVのバリエーション展開を進めつつ限られたコストで次世代車を開発していかなければならず、国内におけるEV市場の冷え込みを見ても、どこかのタイミングでEVへの投資を一時凍結する決断を下さなきゃならなくなるかもしれない。

バッテリーの価格や世の中の経済環境、また日本においては電気の供給問題がある程度落ち着くまでは、EVをビジネス上の採算に載せることは不可能だろうから。

iMiEVの電費がマイナーチェンジで倍ぐらいに伸びるとかしたら、もう少し夢が見られるかもしれないけどね。

とはいいつつ、初めて普及価格帯でEVを発売した三菱自動車なのだから、なんとか頑張って欲しいと思う次第であります。いや、ホントに。
 

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