そんなわけで、昨年に引き続き日経BPマーケティングが実施したアフターサービス満足度調査の結果が発表になったので、その中から自動車関連の結果を見ていくことにしよう。
なお、詳細が知りたい方は日経ビジネス7月30日号をご覧ください。
【アフターサービス満足度調査の概要】
2012年4月24日~5月28日の間、日経BPコンサルティングが保有するインターネット調査システム「AIDA」を使用して実施した。
日経BP社と日経BPコンサルティングが保有する調査モニター約20万人に対し、月刊のメールマガジン「NBPC調査モニター通信」及び、電子メールでアンケートを告知。1万6809人から有効な回答を得た。
回答者の平均年齢は49.2歳。
男性77.0%、女性22.2%(不明0.8%)。
主な職種は、
技術・専門職 35.2%
事務職 23.3%
主婦 9.5%
経営者・役員 8.2%
営業職 7.3%
主な居住地域は、
関東 50.8%
近畿 18.2%
中部 11.6%
満足度指数は、各企業ごとの製品や事業のアフターサービス経験者に、アフターサービスの評価を「満足」「まあ満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」の選択肢から1つ選んでもらい、それぞれの回答者数に順に100、50、0、-50、-100を掛けた数値を合計し、その企業のアフターサービス経験者数(無回答は除く)で割ったもの。小数点第2位を四捨五入。▲はマイナス値を示す。
なお、回答者数が30人に満たない企業はランキング対象から除外し、一部を参考値として掲載した。
調査項目によっては、社名よりブランド名を優先させた場合もある。
長くなったが調査の概要を乗せておかないと全体が見えづらくなるのでご了承を。
では、簡単にまとめなどを。
・全回答者数が昨年の19900人から-16%も減少。
・回答者の平均年齢が1.1歳上昇。
・男性比率が昨年にくらべて+1.6%上昇(女性は-1.3%)
ほとんどオヤジの好みを集めたランキングという性格が強くなってしまったが、注目すべきは有効回答が大幅に落ち込んでいる件。
昨年は「2万人の大調査!」とアピールしていたが、今年も同程度の調査期間を確保しておきながら有効回答が16800人分しか集められなかったのは、このアンケートの求心力が低下したのではないか?という邪推が成り立つ。
少なくとも毎年実施する調査であれば同条件で調べなければ意味が無いと思うのだが、昨年比で-16%も減っている結果を以って前年との比較をするのは正確性を欠くなぁ、などというのをまず最初の印象。
それではランキングの結果から見ていくことにしよう。
▲クリックで拡大
・自動車関連の回答者数が昨年比-20%のため、同列比較ができない。
・ベストは昨年に引き続きレクサス。ワーストはBMWが初の獲得。
・メルセデスがCS改善で大幅アップ。逆にアウディは順位を落とす。
・集計対象メーカーが昨年の15から13に減少
・ベストは昨年に引き続きレクサス。ワーストはBMWが初の獲得。
・メルセデスがCS改善で大幅アップ。逆にアウディは順位を落とす。
・集計対象メーカーが昨年の15から13に減少
・昨年ランクインしていたボルボ、プジョーが集計対象外へ
予想したとおり、万年最下位のプジョーさん、ついに今年は回答者数が30という規定数に満たなかったため集計対象外となった。
そのため、昨年より下位に低迷していたBMWが押し出されて最下位確定という不名誉な称号を得ることに。
上記した通り、アンケート回答者の総数が-16%も減っており、中でも自動車関連の回答者数は合計で3485人と、前年比-20%になっている。
これによりランキングを構成する条件が変わってしまったため、参考としてボルボの回答者数が26名だったことを考えると、ちゃんと2万人分のサンプルが取れればひょっとすると結果は変わっていたかもしれない。
こんなところにIFを持ち出しても意味無い話ではあるが。
そんなわけで、順を追って見ていこう。
レクサスに関してはずっと1位を堅持し続けており、相変わらず高い満足度を提供していることがわかる。
対して2位以下は大きく顔ぶれが異なってきている。
予想したとおり、万年最下位のプジョーさん、ついに今年は回答者数が30という規定数に満たなかったため集計対象外となった。
そのため、昨年より下位に低迷していたBMWが押し出されて最下位確定という不名誉な称号を得ることに。
上記した通り、アンケート回答者の総数が-16%も減っており、中でも自動車関連の回答者数は合計で3485人と、前年比-20%になっている。
これによりランキングを構成する条件が変わってしまったため、参考としてボルボの回答者数が26名だったことを考えると、ちゃんと2万人分のサンプルが取れればひょっとすると結果は変わっていたかもしれない。
こんなところにIFを持ち出しても意味無い話ではあるが。
そんなわけで、順を追って見ていこう。
レクサスに関してはずっと1位を堅持し続けており、相変わらず高い満足度を提供していることがわかる。
対して2位以下は大きく顔ぶれが異なってきている。
特に2位のメルセデスに関しては、昨年は下から3番目だったので高級車ブランドとしてこれはマズいでしょ、とBLOGに書いた。
その反省もあってか、CS向上のためにディーラーの指導を強化し、報奨金制度を上積みすることで現場の意識改革を促したそうだ。
これにより2012年のランキングは2位に急浮上という結果となった。
昨年はスバルが同様の手法でランキングを上げ、今年もさらに3位に入るなど高い評価を得ている。
結局のところは窓口となるディーラーをどのように教育していくか、というポリシーの問題のような気がする。
4位以下は国産メーカーが並んでいるが、昨年2位だったホンダが7位までランクを下げている。
要因としては、ハイブリッド車がホンダ全体の販売のうち3割を占めるようになってきており、整備体制の構築などで現場に負荷が掛かっているから、なのだそうだ。
修理作業工数を見直すなどで満足度改善に取り組むというが、必要な工数まで削ることのないように、とあえてクギを刺しておきたい。
9位には昨年より1ランク下がったVWが付けている。
販売好調ならびに顧客対応に関する施策を次々と打ち出しているVWなだけに、どうしてランキングを下げ続けるのかよくわからないが、昨年分析したように国産車からの乗り換えオーナーが多いことで、国産車並の品質、サービスを期待されたことによるギャップが低い評価に繋がっているのではないか?という説を唱えておく。
そしてプレミアムブランドとして最も好調なはずだったアウディが11位につけており、昨年の5位から大きくランクダウンしている。
とはいいつつ、実はアウディは推移を見るとわかるように、全般的に評価は芳しくなかった。
昨年だけが例外的に5位までジャンプアップしたが、今年はまた定位置に戻った、という雰囲気だ。
昨年のランクアップの要因として、保守部品のデリバリー体制の強化や顧客対応の改善といったかなりストレートかつ真摯な改善を行ったわけだが、それでも満足を得られないというのは新規で獲得した顧客の要求がそれ以上に高いということなのかもしれない。
売れることは喜ばしいことだが、その分だけ対応しなければならない範囲は広がるということなのか。
そして、今年はボルボとプジョーが集計対象外になってしまったことにより、BMWがワースト獲得ということになってしまった。
BMWは2008年に最高位である5位を獲得した後、右肩下がりにランキングを落としてきた。つまりこの結果はなるべくしてなった最下位であるとも言える。
その理由はいったい何なんだろうか?と考えてみる。
国土交通省のDBを調べてみると、MINIを含むBMWグループの2011/1/1~2012/4/30までのリコール届出数は50件。43件がBMWで7件がMINIの分だ。
ライバルはどうかというと、メルセデスは同期間で7件。アウディは1件。VWは1件となっている。
こうしてみると、リコールが極めて多いことがわかる。
リコールとなれば顧客に連絡してディーラーへ作業のための入庫しなければならない。
この辺りが嫌がられた可能性というのは十分ありえる。
その反省もあってか、CS向上のためにディーラーの指導を強化し、報奨金制度を上積みすることで現場の意識改革を促したそうだ。
これにより2012年のランキングは2位に急浮上という結果となった。
昨年はスバルが同様の手法でランキングを上げ、今年もさらに3位に入るなど高い評価を得ている。
結局のところは窓口となるディーラーをどのように教育していくか、というポリシーの問題のような気がする。
4位以下は国産メーカーが並んでいるが、昨年2位だったホンダが7位までランクを下げている。
要因としては、ハイブリッド車がホンダ全体の販売のうち3割を占めるようになってきており、整備体制の構築などで現場に負荷が掛かっているから、なのだそうだ。
修理作業工数を見直すなどで満足度改善に取り組むというが、必要な工数まで削ることのないように、とあえてクギを刺しておきたい。
9位には昨年より1ランク下がったVWが付けている。
販売好調ならびに顧客対応に関する施策を次々と打ち出しているVWなだけに、どうしてランキングを下げ続けるのかよくわからないが、昨年分析したように国産車からの乗り換えオーナーが多いことで、国産車並の品質、サービスを期待されたことによるギャップが低い評価に繋がっているのではないか?という説を唱えておく。
そしてプレミアムブランドとして最も好調なはずだったアウディが11位につけており、昨年の5位から大きくランクダウンしている。
とはいいつつ、実はアウディは推移を見るとわかるように、全般的に評価は芳しくなかった。
昨年だけが例外的に5位までジャンプアップしたが、今年はまた定位置に戻った、という雰囲気だ。
昨年のランクアップの要因として、保守部品のデリバリー体制の強化や顧客対応の改善といったかなりストレートかつ真摯な改善を行ったわけだが、それでも満足を得られないというのは新規で獲得した顧客の要求がそれ以上に高いということなのかもしれない。
売れることは喜ばしいことだが、その分だけ対応しなければならない範囲は広がるということなのか。
そして、今年はボルボとプジョーが集計対象外になってしまったことにより、BMWがワースト獲得ということになってしまった。
BMWは2008年に最高位である5位を獲得した後、右肩下がりにランキングを落としてきた。つまりこの結果はなるべくしてなった最下位であるとも言える。
その理由はいったい何なんだろうか?と考えてみる。
国土交通省のDBを調べてみると、MINIを含むBMWグループの2011/1/1~2012/4/30までのリコール届出数は50件。43件がBMWで7件がMINIの分だ。
ライバルはどうかというと、メルセデスは同期間で7件。アウディは1件。VWは1件となっている。
こうしてみると、リコールが極めて多いことがわかる。
リコールとなれば顧客に連絡してディーラーへ作業のための入庫しなければならない。
この辺りが嫌がられた可能性というのは十分ありえる。
BMWのディーラーは店にもよるが、総じて接客レベルは高い。
こちらを値踏み(ステータスを持ち合わせているか?金は持ってそうか?みたいな)してくる感じが好きになれないが、アウディのように一見さんお断りな雰囲気は少なく、接客で評価を下げているとは考えにくい。
やはり整備に伴う部分の不満が蓄積されているのかもしれない。
あくまで個人的な感想だが、国道246でトラブルで止まっている比較的新しいBMWを見る確率は、メルセデスのそれに比べて1.5倍ぐらい多い気がする。
この辺り、メディアでは高級車として持て囃されているものの、品質レベルの問題というのを抱えているのかもしれない、と感じる次第だ。
さて、次以降のエントリーではその他のグラフで考察を続けていこうかと思う。
【詳報】アフターサービスランキング2012を掘り下げてみる(2)
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