仏プジョー、人員削減目標を最大1万人に引き上げも-労組マズいですね、こういう状況は…
7月2日(ブルームバーグ):欧州2位の自動車メーカー、フランスのプジョーシトロエングループ(PSA)は今年、従来発表を上回る人員削減を計画しており、削減規模は仏国内の従業員全体の最大10%に上る見通しだ。欧州の自動車市場が低迷する中、経営コストの削減を図る。プジョーの労働組合幹部が明らかにした。
プジョーの労組で2番目に大きい「FO」のトップ、クリスチャン・ラファイエ氏はインタビューで、同社が「人員削減の目標を仏国内だけで8000-1万人に引き上げる見通しだ」と述べた。ただ情報源については明らかにしなかった。プジョーは昨年11月に、欧州全体で6000人削減する方針を示していた。
欧州自動車工業会(ACEA)によれば、プジョーの1-5月の欧州販売は15%減と、減少率は業界全体(7.3%減)を上回っている。
ラファイエ氏によれば、プジョーは今月25日の1-6月(上期)決算発表時に、新たな削減目標を明らかにする可能性がある。同社の広報担当、ピエールオリビエ・サルモン氏はコメントを控えた。
ということで、昨年10月に正社員3500人+期間労働者2500人=6000人規模のリストラを発表していたPSAさんですが、それでは収まらずフランス国内の全従業員の10%以上のリストラを計画中だとか。
フランス国内だけで8000~10000人規模のリストラとなると、工場閉鎖だけでなく開発部門など影響は多岐に及ぶわけで、これが本当だとするとPSAグループ総崩れの可能性すら出てきてしまう規模の話です。
イメージ的に、現在日本国内でルネサスエレクトロニクスが生き残りをかけて必死にリストラ策を発表していますが、あれと同じぐらいの規模ということになります。
国内産業、特に地方工場の雇用など大きな問題をはらんでいる構図は今回のPSAのケースと酷似しています。
ここでおさらいしておくと、PSAとGMの資本提携により、インド工場の自社建設撤回とか、車種の共同開発やデュアルクラッチトランスミッションの共有化に伴う開発中断とか、BMWとの提携解消によりガソリンハイブリッドやPHEVといった次世代技術への道筋が見えなくなったりとか、まともにクルマを開発できる状態とは思えません。
恐らく開発現場も製造現場も大混乱なのではないでしょうか。
208の派生車種など、本来であれば次世代の開発先行車両のスクープ写真とかが出回るタイミングなのに一向に話題にならないのもこうした混乱が影響しているのではないかと勘繰りたくもなります。
恐らく新車開発のロードマップも大幅な見直しが行われていると思われ、今年9月のパリサロンでどの程度(コンセプトカーではない)新型車を発表できるかが、今後のプジョーっていうかPSAを占う上でカギになってくるものと思われますです。
パリサロンで不安を払しょくすることが出来なかった場合、PSAグループの買収とかいった話に発展しかねないと予想します。
その前に、今回のリストラ報道の真相が25日の上期決算発表である程度提示されるでしょうから、そこから将来の予測をしてみることにしますかね。
ひょっとすると、プジョーの日本国内戦略にも大きな影響を与えかねない話でもありますので。
っていうか、大抵の場合こういうことがあると戦略見直しなんて話になりがちなのよねぇ・・・
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