日本のメーカーがハイブリッドやEVで先行する中、猛烈にキャッチアップ中のドイツを始めとした欧州のメーカー達。
とはいいつつ、ボッシュが年次会見で(多分なポジショントークを交えて)予測しているように、2020年ぐらいまでは内燃機関が主力であり続けることは自明であり、だからこそ既存の技術をブラッシュアップすることで環境性能を向上させ、その後で電化へと繋いでいくシームレスな戦略を立てている。
その意味で、欧州メーカーは日本のハイブリッド車に対抗する環境性能に優れたクリーンディーゼルの販売を推進したい立場にいる。
その割に、国内でディーゼル車を販売している輸入車メーカーは、先述したようにメルセデスとBMWの2社しかない。
その理由が欧州と日本の排出ガス規制の基準に大きな違いがあるからだ。
現時点の欧州基準である「EURO5」に対して、日本で施行されている「ポスト新長期規制」はより厳しい基準のため、わざわざ日本の基準に適合させるためのコストメリット(採算性)が見出せないという理由によるものだ。
しかし、メルセデスはイメージが重要な高級ブランドとして、「Blue Efficiency」という一連の環境テクノロジーの一環としてBlueTECというクリーンディーゼルの販売を強化する方針を打ち出した。
もちろんガソリンエンジン車も直噴化による効率向上やハイブリッド車などあらゆる方面に手を出しているが、それを環境技術の統一ブランドとして浸透させる戦略を取ったわけだ。
これは高級車という利幅の大きなクルマだからこそできる戦略とも言えるが、メルセデスの企業としての姿勢と考える事もできる。
だからこそ、CD協議会にも正会員として名を連ねたということなのだろう。それがブランド戦略にプラスになると考えたのだから。
もう一社の高級ブランドであるBMWについては、少し考え方が異なるようだ。
X5でディーゼルを導入しつつもCD協議会への現時点での参加は断ったとのことだ。
BMWにとってのディーゼルは、当初は日産と同様にSUVらしさの演出のためにディーゼルを設定したという認識だったのだろう。
しかし、X5におけるディーゼルの受注比率が7割にも達するほど好調という事を受けて、年内にはセダン&ツーリングの量販モデル(5シリーズ?)にディーゼルのラインナップを強化する方針だそうだ。
状況が変われば方針も変わる、ということなのだろう。
メルセデスへの対抗という観点からも、CD協議会に名前を連ねるのもそう遠い話ではないのかもしれない。
高級車御三家となりつつあるアウディについては、この1年の間にも「ディーゼルは出さない」⇒「やっぱ出すかもね」といった変節があったりするものの、CD協議会の方で何か具体的な話を聞いている訳ではない、とのことだった。
しかし、アウディとしてもライバルが動くのを漫然と眺めているわけでもないだろう。
恐らく近いうちにディーゼル車の国内導入を発表するのではないか。
問題は、アウディはブランディングとしてハイブリッドを前面に押し出してしまったので、どの面下げてディーゼル入れるんだ?という話もあったりして。
案外シレっと“多様なユーザニーズを満たすため”とか言って出してきそうだが。
こんな感じで、ある程度体力のある高級ブランドは、日本のポスト新長期規制にわざわざ対応させてまでディーゼルを導入してくる体力がある。
では大衆車メーカーはどうなんだろうか?
ここで出てくるキーワードが「2014年」だ。
この話、もうちょっと続く。
この記事へのコメント
よをかん
はじめましてです。
レピッシュと
上田現を愛する、9月に車検を控えている主婦です。
ちらりと覗かせていただいたので
さらっとごあいさつさせていただきましたf^^;
ぽんすけ
以前コメントさせていただいたときの
名前が思い出せません笑
昨日の日経webにディーゼルの話題ありましたね。
PSAは来春から208にディーゼルを投入とか。
ほんまかい、という感じですが。
海鮮丼太郎
遅レスすいません。
コメントありがとうございます。
上田現、お好きですか。
もうずいぶん経ってしまった気がしますが、やっぱりたまに聴いちゃうんですよねぇ。
新しい曲は聴けませんが、いつまでもレピッシュと上田現を大切に聴いていきたいと思う今日この頃であります。
>ぽんすけさん
意外な情報ありがとうございます。
記事見つけられなかったんですが、URLとかおわかりになりますか?
ってことで補足エントリーを上げておきました。
208のディーゼル、来年という話は可能性としてはゼロでは無いと思われます。
もうちょっと調べてみますね。