ディーゼル がんリスクが最高度に
ちょうどディーゼルに関するエントリーを書いていたらこんな報道があって祭り状態になっているわけですが、WHOがレポートで言おうとしていることをちゃんと理解して報道しているところは意外と少ないなぁと思ったわけですが。
この件にからんでディーゼルに関連する基本的な情報を山本敏晴さんがコンパクトにBLOGにまとめているので一読すると理解しやすいのではないだろうか。
ディーゼルに関するツイート 20120614まで 5411字
で言いたいことは3つ。
・旧来のディーゼルエンジンが環境に与える悪影響は間違いなく存在する。
・それを技術的に改良したのがクリーンディーゼルであり、今後の主流はこちら。
・新興国では重機や発電機で旧来のディーゼルを使うケースが多く、この対策が重要。
ってことであって。
まずは旧来のディーゼルとクリーンディーゼルは別のものとして分けて考えようってこと。
先進国でクリーンディーゼルが普及しつつあるというのは自明の通りだが、新興国ではそもそもディーゼルの新車をラインナップとして販売するケースはそれほど多くない。
問題となるのは、新興国は開発途上ということもあり、大量の重機や発電機などに使われている。
これらの機材はディーゼルエンジンを採用していることが多く、WHOのレポートもこうした部分を問題視している。
また、先進国などから輸入されてきた古い中古のガソリン車やディーゼル車などメンテナンスが行き届いていないクルマが排出する有害物質が問題となるわけであり、ここは政治がどのようなスタンスで環境対策を打ち出すかにもよる。
たとえば東南アジアでは今後爆発的にモータリゼーションが発生してくるわけだが、CO2排出抑制とある程度メンテナンス(整備)しやすいクルマという意味ではハイブリッドよりディーゼル車にアドバンテージがあったりする。
国策としてむしろクリーンディーゼルを推奨するという方法も現実的な可能性としてアリな話だったりするわけだ。
国が豊かになってくれば、環境対策された重機を導入する事も可能になるだろう。
しかも、国土の開発がある程度行きつくと重機の需要は減少する。
それは日本の状況を見ればわかる。
しかしその代わりに爆発的に増える自動車の環境対策というのは、燃料費問題も含めてどう政治が舵を切っていくかという重要な判断が伴うわけで、その選択肢としてディーゼルが選ばれる可能性は無いわけじゃないのよ、ってことぐらいは押さえておこうって話であって。
繰り返すが、ディーゼルを無条件に礼賛するつもりは無いが、こうも報道が歪められると天の邪鬼的な視点に立ちたくもなるわけですよ。
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