昨年のモーターショーの雑感で触れたように、もはや単にモーターショーでプレミアをするだけでなく、それに合わせてリアル、バーチャル含めていろんな企画を連動させていくことで世間の話題を集めるという手法が使われ始めたんだな、という気がしていた。
その中でBMW MINIが「MINI Coupeハンティング大作戦」なるスマフォ用アプリをリリースしたのは非常におもしろい試みだと思っていた。
アプリの内容は、バーチャル鬼ごっことも言える単純なもので、アプリのマップ上に表示されるMINI Coupeのマーカーを奪い合うといったものだ。
そのキャンペーンの模様は公式サイトで公開されている。
この手の鬼ごっこは、最終的にマーカーを所持していた者が勝ちなので、途中でどれだけ所有者が移り変わろうがあまり関係が無くなってしまう。
そこで、1日単位で商品を提供するという方法により、中だるみを起こさない配慮をしている。
また、鬼ごっこの欠点として、マーカーを奪取したものがそのまま遠方へ逃げてしまうと、ゲームが成立しない。
その点はGPSによりゲームのエリアを東京23区に限定することで、それを超えるとマーカーがリリースされてしまうという仕掛けを盛り込んでいる。
これにより、適度な範囲で鬼ごっこが成立するため、ひょっとして自分も参加できるかも?といった期待をうまく煽ることが出来たと思う。
プロモーションという目的と、それに消費者を惹きつけるためのうまい遊びの要素を入れた、ある意味理想的なキャンペーンだったと思う。
とは言いつつ、この手のゲームの常として、ヒマな人が有利というハンディがあるものの、まぁそれを言っても仕方が無い。
案の定おいらはこのゲームが開催中は激務の状態でオフィスからほとんど動けず、まったく参加できなかったのだが。
で、そんな「MINI Coupeハンティング大作戦」だが、斬新な試みが評価されて第11回モバイル広告大賞において「グランプリ」、「ベストキャンペーン」、「ベストブランディング」の3賞を獲得したそうな。
すげーな、おい。
商品が豪華だったというものあるが、なによりその遊びの仕掛けが評価されたということなのだろう。
クルマ系のプロモーションアプリを沢山見てきたが、その中でも「MINI Coupeハンティング大作戦」はダントツに良くできていたので、この受賞については悔しいけど納得だ。
アプリを使ったプロモーションで一つキーワードを提示しておこう。
それは、
「アプリを何度も立ち上げる理由」
というもの。
単なるプロモーションアプリはインストールして1、2回ほど起動されたら後はもう見向きもされないか、さっさとアンインストールされてしまうものが大半だ。
プロモーションWEBサイトと違って、プロモーションアプリはスマフォにインストールされることがゴールなのではなく、そこから頻繁に起動する理由を持たせなければ意味が無い。
トヨタフレンドの件で危惧したように、自前のSNSを構築したはいいものの、利用者を限定してしまったせいでちっとも盛り上がらないとか、ご当地巡りのアプリを作ったはいいが、そこへ行くための動機づけが希薄だったりとか、残念なデキのアプリがAppStoreに屍となって転がっている。(別にトヨタに限った話でない)
上記のエントリーで「仏作って魂入れず」と表現したが、「MINI Coupeハンティング大作戦」にはきちんと魂が入っている。
これが、アプリを何度も立ち上げる理由に繋がっている。
国産メーカーがもし同様のアプリを企画した場合、恐らく「鬼ごっこで逃げる事に夢中になって事故でも起こしたらどうするんだ!」的なクレームが入ることが想定される。
国産家電メーカーがルンバを作れなかったように、こういったリスクを考えると腰が引けてなんとなく安全策を取りたがる気持ちもわからなくはない。
海外メーカーがやると「面白い!」と称賛され、国産メーカーがやると「けしからん!」などと言われるこの理不尽さについては、これでも一応理解しているつもりだ。
しかし、そこを少しずつでもこじ開けていくことこそが、今必要なんじゃないかと思うわけだ。
そのためにも、アプリを作って単にリリースするだけではなく、それを使ってどんな楽しいことが出来るのかというところまで面倒みてやってよ。
アプリを生かすも殺すも、魂の入れ方次第なんだからさ。
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