V40の歩行者保護エアバッグ



先週の話だけど。
こんな発表がありまして。

中国資本になったとはいえ、「ボルボ=安全性」という抜群のイメージを維持すべく、ボルボは新たな取り組みを続けている。
この辺、ほんとよくやってるよなぁと感心する。

よく知られている話だが、ボルボ車が事故を起こすと、ボルボの人間がその事故状況を調査しにきて、詳細に事故の原因からクルマの壊れ具合まで調査して、それを次の安全性への研究にフィードバックしているとか。

現場に学ぶという姿勢はモノづくりの基本であるわけで、そこにコストを掛ける価値があると判断する企業姿勢は誉められて然るべきかと。


で、そんなボルボの飽くなき安全性の追求において、中の人の安全性確保についてはある程度目処が立ったこともあり、今度は歩行者保護という方向で新たな提案をしてきた。

発想そのものはシンプルだ。
歩行者を撥ねた際、その衝撃を和らげるために歩行者保護用のエアバッグをクルマの外側に取り付けようという発想だ。

歩行者保護の観点では、撥ねた後のダメージが少なくなるようにボンネットからAピラーの角度についての対策が施されるようになったが、今回のこの仕組みは衝突の瞬間にボンネットが浮き上がることでショックへのマージンを稼ぎ、なおかつエアバッグによって頭部へのダメージを出来るだけ抑えるようにするという発想だ。

このエアバッグは20km/h~50km/hの速度域で機能するわけで、すべてのケースで役に立つわけではないが、それでも街中で発生しやすいであろう歩行者との衝突において、その命や身体へのダメージを抑制することができるなら、それはいいことなんじゃないかと思うわけだ。

この手の装備はコストアップに繋がるため上級車種へ搭載されるのが常だが、今回の新型V40はエントリークラスのV30の後継も兼ねるポジションとなるため、ボルボのラインナップからすればエントリーからミドルレンジの車種ということになる。

恐らくこの装備はオプション扱いになるとは思うが、それでも安全性にプレミアムを見出す一定の顧客層は喜んでこうした装備を選択するだろう。

もちろん事故を起こさなければこうした装備の必要もないわけだが、現実にそうも言っていられない。
だからこそこうした装備が普及するためのいっそうのコストダウンと、任意保険での優遇といった措置で消費者が選択しやすい環境を作ることも重要になるんだろうな、と思う次第也。

ところでこれって、タカタの技術だったりするんだろうか?

こうした仕組みがあるって話はずいぶん前に聞いたような気がするし、市販車に採用されるまでは時間がかかったりするもんだからねぇ。

 

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