昨日のエントリーで触れたイギリス市場の件。
日本と傾向が似ていると書いたが、どんなメーカーのクルマが売れているのかというデータを出しておかないと前提がよくわからないということで、2011年の販売データを以下に記載。
メーカー | 販売台数 | シェア | 前年比 | |
1 | Ford | 265,894 | 13.7 | -5.16 |
2 | Vauxhall | 234,710 | 12.09 | -5.08 |
3 | Volkswagen | 179,290 | 9.24 | 2.65 |
4 | BMW | 116,642 | 6.01 | 6.6 |
5 | Audi | 113,797 | 5.86 | 13.99 |
6 | Nissan | 96,269 | 4.96 | 7.35 |
7 | Peugeot | 94,989 | 4.89 | -13.11 |
8 | Mercedes-Benz | 81,873 | 4.22 | 9.2 |
9 | Toyota | 73,589 | 3.79 | -15.8 |
10 | Citroen | 68,464 | 3.53 | -6.62 |
11 | Renault | 68,449 | 3.53 | -28.41 |
12 | Hyundai | 62,900 | 3.24 | 1.86 |
13 | Kia | 53,615 | 2.76 | -4.45 |
14 | Honda | 50,577 | 2.61 | -20.54 |
15 | MINI | 50,138 | 2.58 | 14.23 |
16 | Skoda | 45,061 | 2.32 | 9.27 |
17 | Fiat | 41,612 | 2.14 | -21.62 |
18 | Land Rover | 37,637 | 1.94 | 0.98 |
19 | SEAT | 36,089 | 1.86 | 9.58 |
20 | Volvo | 32,657 | 1.68 | -12.76 |
21 | Mazda | 31,219 | 1.61 | -31.31 |
22 | Suzuki | 20,295 | 1.05 | -5.53 |
23 | Jaguar | 13,787 | 0.71 | -16.02 |
24 | Chevrolet | 12,524 | 0.65 | -8.44 |
25 | Alfa Romeo | 11,563 | 0.6 | 30.89 |
26 | Mitsubishi | 9,843 | 0.51 | -19.38 |
27 | Lexus | 8,269 | 0.43 | 33.33 |
28 | Porsche | 6,382 | 0.33 | -5.93 |
29 | smart | 5,044 | 0.26 | -34.07 |
30 | Saab | 4,138 | 0.21 | -29.84 |
Total | 1,941,253 | -4.41 |
イギリスの国内市場は、だいたい年間200万台で推移していることになる。
参考までに日本の市場が軽+登録車でだいたい500万台ぐらい。
(昨年は震災の影響で420万台と大きく落ち込んだ)
登録車の市場で見れば大雑把に日本の半分ぐらいと考えておけばいいだろう。
実績を見ると、昨年イギリスにおいてもっとも売れたメーカーというのは欧州フォードとなっている。
前年に比べて販売数は落ちているものの、フィエスタ、FOCUS、S-MAXなど幅広いラインナップがきちんと売れているのは、実用車としてのコストパフォーマンスが高いから、ということになるのだろう。
特にフィエスタに関しては評価も高く、日本導入が非常に楽しみな一台だ。
次いでVauxhallが2番手にあるわけだが、Vauxhallはブランドこそイギリス発祥のメーカーではあるものの、現在はオペルのバッヂエンジニアリングで展開されており、実質的にはオペルだ。(細かい敬意はWikiを見ておくれ)
とはいえ自国のメーカーの名を冠したクルマが上位に来るのはこれはこれで正しい姿なのかもしれない。
欧州市場においてオペルの苦戦が伝えられてはいるものの、イギリスで一定のシェアを持っているということは決してクルマそのものが悪いわけではない。(故障が多いのが問題だが)
その意味で、やはりオペルのクルマが日本で正規に買えないことは残念なことと言わざるを得ない。
意外にもVWは3位だったりする。
あれだけ欧州各国で販売を伸ばしているというのに、イギリスではけっこうな差を付けられている。
車種を絞っているわけでもなさそうだが、ここまで差が開くのは少し意外だ。
逆に欧州フォードはイギリス市場を死守しないと後が無いという危機感の表れなのかもしれないが。
BMW,Audiという高級ブランドに次いで日本勢でトップなのが6位の日産だ。
キャシュカイを始めとした車種をイギリスの工場で生産するといった戦略が販売にも結びついていると言える。
サンダーランド工場は採算性に問題が…などと言われてはいるが、雇用を作り出してくれるメーカーに対する消費者の反応はこういう形で反映されるという見本だろう。
次期型のキャシュカイとノートもイギリス生産がアナウンスされているので、当面この傾向は続くのかもしれない。
そして続くは我らがプジョーさん。
こうして見ると年間10万台近く売る力はあるのよねぇ。
そりゃビッグベンを盗んだりとかいった力の入ったプロモーションをやったりもするわけだ。
その割に昨日話題にした「DRIVE POWER 2012」での評判が芳しくない。
シトロエン、ルノーについても同様だがこれは別のエントリーでまとめることにする。
そして日本では激しい戦いを繰り広げているBMW、Audiに差を付けられる形でメルセデスが8位になっている。
3万台近く差を付けられているので、確実に一歩後退している感がある。
日本ではまだメルセデスの方が売れているが、Audiに抜かれる日もそう遠くはないのかもしれない。
その下にトヨタ。
なにやってんだトヨタ。
もっと頑張れトヨタ。
以下見ていくと12位にヒュンダイが入ってきているが、すでにホンダの販売を逆転している。
しかも兄弟ブランドであるKiaにまで抜かれている。
韓国勢の勢いがあるのは既知のとおりだが、だからといってホンダが手を抜いているわけではないというところが事態の深刻さを物語っている。
「負けるもんか。」
も結構だが、一刻も早く実績を上げていかないとならないと思うけどねぇ。
DRIVE POWER 2012にランクインしなかったスズキや三菱自動車もそれなりの台数を販売しているものの、この規模では採算を取るのはなかなか難しいラインだと思われる。
ダイハツが欧州から撤退したような事態が訪れることになるのかもしれない、などと不吉なことを想像してみたりして。
こうして見るとイギリスのトップ30のメーカーの中で日本で買うことのできないブランドは、欧州Fordの一部、Vauxhall(オペル)、Hyundai、Kia、Skoda、SEATといったところか。
しかしHyundai&Kiaの再上陸は時間の問題であり、残りはVWの廉価ブランドであることを考えると、日本の輸入車市場というのはかなり恵まれていると考えるべきかもしれない。
そんなことを改めて考えさせられるイギリス市場のお話なのでありました。
別にオチはない。
ふんふん。
この記事へのコメント