PSPは果たして苦境なのか?

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PSP:売れ行き急ブレーキ 背景に競合機大ヒット
 PSPは04年12月、ゲームだけでなく高画質な映像や音楽も楽しめる多機能端末として発売。国内価格は税込み2万790円で、世界全体の出荷台数は累計2294万台(今年9月末現在)。昨年度だけで約1400万台を出荷した。今年度も4~9月に約590万台を出荷したが「上半期の実績や、年末商戦に向けた小売店などからの受注が予想より弱含みだった」として年間の出荷目標を引き下げた。

恐らくは、方々で嘲笑のエントリーが書かれていることだろうから、あえて細かいことにはツッこまない。販売台数じゃなくて出荷台数とか。

で、一方でこんな擁護記事もあったりするのだが。
400万台販売でも売れていない?PSPが販売計画を下回る?
ちなみに、ライバル携帯ゲーム機として何かと比較されがちなニンテンドーDSだが、こちらは2006年9月末現在で約658万台、さらにDS Liteは約486万台の販売となっている。あれだけの社会現象を起こしたDS Liteが、この数字。ネガティブなリリースが配信されたものの、PSPも決して不調というわけではなさそうだ。

DS Lite 発売日 2006年3月2日
PSP   発売日 2004年12月12日

いや、なんでもありませんが。

で、不調の原因として年末商戦に向けての小売店からの受注が低調だったとのことだが、元々販売店のPSPの在庫は潤沢だったわけで、それに加えて年末にはPS3を販売せねばならず、取引の与信上売れるかどうかわからない製品を仕入れるバイヤーはほとんど居ないだろう。
それより1台でも多くのPS3を仕入れたいと思っているに違いない。もしくは、ソニーとの関係を希薄にしてでも、WiiとDS Liteの仕入れに資金を回している可能性が高い。
だって、確実に売れることがわかっているんだから。

ソニーはこの年末をPS3で乗り切ると宣言しているわけで、PSPのラインナップにはそれほど力を入れてこなかった。
複数の製品を年末商戦に突っ込むとなると、身内でのバッティングの懸念もある。
そして何より、PSPは失敗のイメージが着いてしまっているが、PS3は決して失敗してはならないプロダクトなわけだから、すべてのリソースをPS3に集中するぐらいの勢いでなければならない状況だった。
それが、蓋を開けたら初回8万台の出荷、年内に20万台も出荷できれば御の字だろう。
市場にはPS3が欲しいという人が山ほど居るのに、それに対して供給できない=売上が上がらない。

かといって、今からPSPに力を入れるにも、キラータイトルの準備はそう簡単に出来るもんでもない。
出来ることと言えば、新色の本体を発売したり、宣伝で注目を集めるしかない、と。
そんな必死な宣伝の一環がこんなのだったりするわけだが、今度はこれだ。

JR東日本とソニー(略) グリーン車におけるPSP無料レンタル・キャンペーン(長いプレスリリースタイトルは焦点がボケるので慎みましょう)

いちおうお付き合いでJRも車内広告に掲載しているようだ。
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飛行機の機内でこうした貸し出しサービスを任天堂がやってたような気もするが、そもそも

 ・対象の新幹線は『はやて』だけ
 ・しかもグリーン車限定


これだけでも条件はかなり限定される。
翻ってPSPのユーザ層は、実際に持っているもしくはこれから欲しいというホット客が以下の層になっている。

 ・中学~高校生
 ・圧倒的に男子
 ・ゲームが好き

逆に、これらの層ではNintendoDSよりPSPの方が支持が高いのだが。
大学生や20代の社会人もターゲットになるが、彼らは宣伝で欲しいと思うことは少なく、自分から能動的に買う層なので、宣伝を増やしたところで取り込める数はたかが知れている。
ということは、手っ取り早く10代男子に絞ったマーケティングをしていけばいいものを、なぜ新幹線のグリーン席なのか。
グリーン車に乗るというのは、ある程度の財政的に余裕がある家族もしくは社会人といったところだろう。
仮に財政的に余裕のある家族連れが乗ったとして、新幹線という特殊な乗り物で、なおかつ移り行く景色を楽しむことよりPSPで遊ぶことの方が魅力的と思う家族がどれほどいるもんだろうか?
しかも、本来ターゲットになる10代の男子は、思春期を迎えておりそもそも一緒に行動したがらなかったりする。
じゃあ他に、グリーン車にリッチ層の社会人にアピールできるのかというと、彼らに訴えるだけのタイトルがない。レッツ学校!ぐらいのもんだ。
先に青山界隈のカットスタジオで同様の貸し出しキャンペーンを行って、閑古鳥状態だったのに何も学ばなかったのだろうか?

PSPはもう、女性や一般消費者層を取り込むのはほぼ不可能な情勢になっている。
また、残念ながらNintendoDSは新しいゲームのスタイルを提案したが、PSPにはそれがない。これは紛れもない事実だ。
そんな状態ならば、無理せず地道に販売を伸ばすための方策に絞って、宣伝活動をしていけばいいのに、よほどマーケティング部隊の人たちは一般の、しかもおしゃれ層を取り込むことに未練があるんだろうか?

マクドナルドなどで高校生達がこぞってPSPの鉄拳で対戦に夢中になっている様子を見ると、無理しないで売れる連中に売っていけばいいじゃんと思うんだけどね。
  
いや、そんなに言われるほど悪いゲーム機ではないのと思うのよ。
持っててちょっとだけ良かったPSP。
 

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