こんなニュースが。
トヨタ、プラットフォームを7種に半減-サイズごとに共通化
トヨタ自動車は車のベースとなるプラットフォーム(車台)をグローバルで現在の約20種類から半分以下の7種類に集約する方針を固めた。一つの車台をより幅広い車種に採用し、設計・調達費の削減や品質強化、生産の効率化を図る。
トヨタは部品モジュールを組み合わせて車を開発する設計改革「ニュー・グローバル・アーキテクチャー(NGA)」(用語参照)に着手しており、車台の共通化もこの一環。2014年にもNGAを反映した車を投入する予定だ。
トヨタの車台は乗用車系だけで12の基本型がある。一部改良した派生型や商用車系を合わせると約20種類。これをベースに60程度の車種をつくり分けている。今後は車台をボディーサイズごとに明確に整理する。例えば2種類の車台がある「エスティマ」「ノア」など主力ミニバンは新開発の車台で共通化する。
プラットフォームを集約するというのは、効率化という点ではもっとも威力を発揮するが、逆にそれにより車種開発の制約も増えることを意味する。
とはいっても現在のプラットフォームは多少のストレッチやカスタマイズの余地がまったく無いわけでもないので、7種類が少なすぎると言ってしまうのも時期尚早な気もする。
で、こういう方針転換をした際に問われるのは、集約される分あらゆるニーズに対応できるだけの高いクオリティのプラットフォームを開発することができるのか?という点だ。
VWグループが単体ではオーバークオリティ気味のプラットフォームを上はアウディから下はスコダまで広く流用することで量産メリットを最大限に活かして、高いパフォーマンスのクルマを売りまくっている。
そのVWグループも、主要なプラットフォームはたしか4種類だったと記憶しているが、つい先日「MQB」という次世代プラットフォームを発表、新型ゴルフ(VII)と新型A3から順次採用とのこと。
トヨタの発想もこれに倣ったものだが、高いパフォーマンスとコストダウンは相反する点も多い。
VWに対抗できるだけのクオリティと、新興国でも利益の出せるコスト構造を両立させるのは、かなりハードルの高いチャレンジになる。
しかしそれができなければ後進メーカーとの距離が縮まるだけだ。
旗を振る人々の危機感はそうと強いものと思われるが、それが現場でどうカタチになるのか。
トヨタという企業の今後が問われる大きな話題だと思う。
ちなみにおいらは、プラットフォーム集約は、その分きちんとしたクオリティのものを実現するチャンスだと思っているので、応援したいと思ってますよ。
そういえば日産は先日「CMF(Common Module Family)」という次世代の車両設計技術を発表しており、こちらはボディ全体を4つのモジュールと電気系のアーキテクチャに大別し、それらを組み合わせることであらゆる車種を効率よく設計できるという話。
モジュールを組み合わせてクルマを仕上げるというのは、なんとなく電子ブロックをイメージしてしまってなんとなく微笑ましい(そんな単純な話ではないのだが)が、コスト削減と効率化というのは、クルマの設計をしていくうえで益々重要になってくる。
各社の取り組みに期待しましょうかね。
とはいいつつ我々消費者は、別にどんな技術で作られたクルマだろうが関係ない話でありまして。
目の前のクルマが実用的で、満足いく走りで、カッコよければそれでいいんですけどね。
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