プジョーの売上を可視化してみる



新たなパートナーを得て今後の活躍が期待されるプジョーさんでありますが、国内市場の歩みをちょっとまとめてみました。

ソースはJAIAの実績から集計したものです。
ってことでまずは年次ベースで見てみましょう。

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206/307の大ブームで一気に台数を伸ばし、2003年にピークである15330台を販売したの後は、見事な右肩下がりで台数を落としてきてしまいました。

2001年から2007年までの日本全体の輸入車市場は25万台程度とほぼ横ばいで推移していたので、特に2004年からの状況はプジョーさんが勝手に沈没していったということになります。

その間に何があったのか振り返ってみましょう。

 407の国内導入は2005年6月。
1007の国内導入は2006年3月。
 207の国内販売は2007年3月。
 308の国内導入は2008年6月。
3008の国内導入は2010年6月。
 RCZの国内導入は2010年7月。
 508の国内導入は2011年7月。

2004年以降の落ち込みは、最量販車種だった206がモデルライフ後半に差し掛かったことにより販売台数が減少したことが大きかったわけですが、特別仕様車などを次々とリリースすることでなんとか影響を最低限に抑えようとしておりました。

新型車としては2005年から406の後継として407のセダン、ワゴン、クーペの3つのボディタイプが順次投入されましたが、台数的には失敗と言っていい状況でありました。
もともと数が多く売れるセグメントではありませんでしたが、406から大幅にサイズアップしたボディと価格が、406からの乗り換えが進まなかった大きな要因となりました。

このあたりからケチが付き始めた感があります。

プジョージャポン渾身の一台として1007が国内に導入されたのは2006年のことでした。
都内で大々的な発表イベントを行い、両側スライドドア&全12色のボディカラー、しかも内装の色合いまで自由に演出できるという気合の入ったラインナップで導入された1007は、その期待に反して実績面では大きな成果を挙げることができませんでした。

故障が多かったのと、2ペダルMT(2-tronic)という特殊なトランスミッションに加え、坂道でのヒルスタートアシストが付いてなかったことが奥様層に敬遠され、セカンドカーの需要を取り込めなかったことが悔やまれます。
ちなみに、おいらも仮予約までしたことがありましたが、残念ながら条件が整わず断念した経緯があります。
売上に貢献できなくてすんませんね。

ちなみにこの1007。
本国の方でもウケが悪かったこともあり、2009年には販売終了。
国内の販売はわずか3年程度で4000台程度しか売れなかったと聞いております。


そして最大のつまづきである207と308がそれぞれ2007年と2008年に発売されました。

207に関しても都内で一般オーナーを集めての発表会を大々的に開催しましたが、拡大され重くなったボディ、なんちゃってプレミアム路線で30万円近く値上げ、しかし4速ATで燃費が悪いというアンバランスさで、206からの乗り換え需要の取り込みができずスタートダッシュに失敗。
308に関しても同じポカをやらかして、2006年から2009年までのキレイな一直線の右下がりを描いております。

リーマンショック以降、国内の自動車需要が過剰なまでのエコカーシフトに進んだことが逆風になった感は否めませんが、それでもやり方はいろいろあったはず。
現に207のマイナーチェンジを機に価格を見直したところ、台数的には復調の兆しを見せ初めましたので、市場がプジョーに求めているポジションというのがどんなものかは、非常に明確になっていると思うんですけどねぇ…

2010年になってからはRCZや3008という新機軸の導入。
そして308も6速AT化&値下げも敢行されたことにより、プジョーに関する注目が再び戻ってきている感じではあります。

今年は前半に207の最後の特別仕様車がいくつか投入され、後は10月頃発表の208まで売るものがないという状況になるので、目標台数である6500台はかなり厳しいのではないかと思いますが、208でよほどポカをやらかさない限り、年末に掛けての一気に数字を積み上げてくるかもしれませんね。


さて、もうひとつデータを出してみましょう。
これは、月次の売上推移を年度別にグラフ化したものです。

Peugeot_sales_monthly.jpg
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3月、6月、9月、12月と非常にわかりやすい形で波が出来ています。
これは、

3月…ディーラーの年度締め
6月…ボーナス商戦&インポーターの半期締め
9月…ディーラーの半期締め
12月…インポーターの年度締め

というタイミングになっているからでありまして、これは他のインポーターでも同様の動きになっております。
改めてこうして見ると、2008年と2009年はホントに悲惨な状況だったんですねぇ。


さて、そうすると買い時はいつなのか?という話になりますが、やはりインポーターの年度締めである12月と、ディーラーの年度締めである3月が狙い目と言えます。

この時期は少しでも販売台数を上乗せしたいがために特別仕様車や、下取り&購入サポートの販促費が出やすい時期でもあります。

一般的にクルマを買うなら3月がオススメとも言われますが、在庫状況によっては思わぬ条件が提示されてくることもあるんので、消費者として賢い買い方をするならこれらのタイミングを狙わない手はありませんね。
 
 
話が逸れましたが、こうして可視化すると売上推移について見えてくるものがありますね。
データは揃ってるので、今後は他のメーカーの推移も可視化してみましょうかね。
ヒマがあれば。
 
 

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