GM and PSA in alliance talks - French minister
八方美人的にいろんな企業と提携を重ねるPSAグループにあって、今度新しく候補に挙がったのがGMだというからおもしろい。
フランスの労働大臣がぶっちゃけた話として、PSAとGMがプラットフォームの共有化など具体的な部分まで踏み込んで協議しているとのことで、当然のことながらこれは欧州GMであるところのオペルとの提携の可能性が強まっているという話でありまして。
とはいいつつまた浮気かよ、的なツッコミも入りそうな今回の話。
オペル(&ヴォクソール)としては、2009年にカナダのマグナ&ドイツ政府の支援を受けてGMから離れて独自の再建を模索するつもりが、一転してGMが売却の方針を翻したもんだからその時の混乱が今でも尾をひいていたりします。
魅力的な車種をリリースし続けてはいるものの、コスト削減が思うように進まないオペルをやっぱりGMが持て余したことから今回の話が浮上したのであろうことを考えると、オペル関係者の無念はいかほどのものか。
とかいいつつ、オペルは頑張ってはいるものの欧州市場においては収益性に問題があったりして苦戦しているのも事実なわけですが。
一方のプジョーさん。
こちらも突然のルマン撤退報道やフランス工場でのリストラ方針など、いろいろうまくいってない感じがひしひしと伝わってきましたが、GMとの提携で活路を見出すことができるのか。
ただ、PSAはいろんな会社と提携し過ぎていて、独自の技術というものが意外と少ないということもあり、この辺りにGMとの提携効果がどれぐらい活かせるのかちょっと未知数な部分もあるのが気になります。
一時期はフィアットとの交渉も伝えられていたこともありましたが、フィアットはコスト削減のために新車開発を凍結して売れるクルマがなくなってしまうという斜め上の方向に迷走中であることから現実味は薄れてきましたし、クライスラーを傘下に持つという点もGMとの交渉を進める上ではボトルネックになりかねず、PSAとしてはどういう道を選ぶにしても茨の道という気がしないでもありません。
両者の問題点については、今回のGMの報道とは関係なくアップされた日経ビジネスの記事が目を覆いたくなります。
プジョー、フィアット、オペルが抱える苦悩~過剰生産と顧客離れ
韓国車とドイツ車が欧州の大衆車市場に攻勢
市場全体がシュリンクしている欧州にあって、アウェーとはいえドイツでここまで値引き販売しなければならない状況というのは、正直驚きを禁じ得ません。ゴルフも盛大に値引きしているところを見ると、大激戦なことはわかりますが、これでは利益が確保できないわけですね。
GMとの提携はオペルとの共同開発に留まらず、中国や南米市場での販売拡大も今回の提携交渉には含まれているようで、それに加えて北米市場へのPSAの再参入の道筋を付ける意味もありえるため、実はけっこう提携の確率は高いのではないかと個人的には考えております。
まぁ、アメリカでPSAのクルマを売るのはかなり難しいと個人的には思いますが。
プジョー家の承認が得られずに三菱自動車との資本提携交渉が頓挫したのも記憶に新しい状況ではあるものの、明らかに行き詰まりを見せているPSAとすれば創業者一族の影響を徐々に排しながら生き残りの道を模索するしかないんじゃないかなぁ、と。
さて、ジュネーブショーで実りある結果が発表される事になるんでしょうか?
この記事へのコメント