“If more cars had BlueEFFICIENCY,
you wouldn't be able to read this.”
(もし、もっと多くのクルマがBlueEFFICIENCYであれば、
あなたはこのメッセージを読むことができない)
“BlueEFFICIENCY”というのはメルセデスの環境テクノロジーの総称であり、クリーンディーゼルであるBlueTECや直噴エンジン、ハイブリッド、燃料電池搭載のF-CELLなど、今後のメルセデスのロードマップを含めたものとなっている。
で、目下のクルマに求められているのはCO2削減とか燃費の向上であるわけだが、環境について訴えることとして一番わかりやすいのは排気ガスの影響を可視化することであって。
石原都知事が黒いススの入ったペットボトルを記者会見で披露してディーゼルを槍玉に挙げて、国内のディーゼル市場に大ダメージを与えたことからも、(手法には問題あるが)可視化というのは消費者への影響が極めて強いことが実証されている。
じゃあそれを広告に取り入れたらどうなるか、っていうのが上記のメルセデスのBlueEFFICIENCYのロードサイド看板だったりするわけだ。
設置された当初は真っ白なボードの下に申し訳程度にメルセデスとBlueEFFICIENCYのロゴが入っているだけの状態にも関わらず、これが1ヶ月もすると排気ガスの汚れによってボードが汚れ、そこからあぶり出しのようにメッセージが浮き出てくるという仕組み。
毎日ここを通勤で走るような人は、最初は真っ白だったのこの看板にだんだん文字が浮き出てくることに気が付いただろう。
つまり、1ヶ月でここまで看板が汚れるほどの排気ガスが存在し、そこに表示される皮肉の込もったメッセージが可視化されることで広告として最大の効果を発揮することになる。
もちろんBlueEFFICIENCYのクルマが増えたとしても排気ガスを完全にゼロにできるわけではないから、このメッセージを読むことができないなんて表現は広告ゆえの誇張ということにもなるのだが、手法としてはお見事だと思う。
日本でも環八とか湾岸道路あたりに表示すれば1ヶ月ぐらいで文字が浮かび上がりそうだが、中国なんかだと2週間ぐらいでクッキリ表示されたりしてね。
なんにしても、環境に優しいというメッセージは広告としての耳障りはいいので、いろんなチャレンジができる。
だからこそ広告は趣向を凝らしたメッセージを発信して欲しいものだと思う。
エコロジーにおけるエコノミーの胡散臭さを隠すには、チャレンジこそが重要なのだから。
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