2011年の輸入車販売台数実績が発表になりました。(PDF)
これにより2011年の各メーカーのランキングも確定ということになります。
1位:VW(→)
2位:BMW(→)
3位:Mercedes-Benz(→)
4位:Audi(→)
5位:BMW MINI(→)
6位:Volvo(→)
7位:Peugeot(→)
8位:Fiat(→)
9位:Porsche(→)
10位:Jeep(↑)
11位:Citroen(↑)
12位:Renault(↓)
13位:Ford(↓)
14位:Alfa Romeo(→)
15位:smart(↑)
16位:Jaguar(↓)
17位:Dodge(↓)
18位:Chevrolet(↑)
19位:Land Rover(↓)
20位:Cadillac(↑)
※矢印は前年比の順位の変化を表してます。
まぁ、ざっとこんな感じになります。
3.11以降日本車の生産が停滞したり、クルマに対するニーズの微妙な変化をうまくキャッチしたメーカーとそうでないメーカーで差が出た感じですな。
台数ベースでも見ても、VWからボルボまでが明確に第一グループを形成しており、それ以下のグループが限られたニーズの中でなんとか凌いでいるという状況でありまして。
中でも最初に注目してしまうのはやはり我らがプジョーさんであります。
一時期は年間15000台を売り、第一グループ入りはおろかボルボを脅かす位置に着けていたのに、今やボルボの背中は遠く離れてしまいました。
ボルボにあってプジョーさんに無かったもの。
「魅力的な車種を用意したかどうかの違い」
これに尽きるのではないでしょうか。
どちらも新型車の投入はそれほど頻繁ではなく、基本的に特別仕様車で数を稼ぐという手法だったわけですが、ボルボはその辺の展開が上手でありました。
対するプジョーさんは207がモデルライフ後半で新鮮味が無く、308も需要を広げるほどの施策を打てておらず、気合を入れて投入した508も、初速は良かったものの継続して売れている幹事があまりしません。
なんと言っても街中でぜんぜん見かけませんし。
結果として2011年の実績は他社が前年に対して大幅に数字を伸ばしている中で微増に終ったことは、ちょっと危機感を持った方がいいんじゃないでしょうか。
特に、ほぼチンク1車種しかないフィアットにここまで肉薄されるのは、本来プジョーが得意だったファッションアイコンとしての市場を完全に食われたことを意味するわけでありますから。
2012年は年末に208が発売されるものの、そのせいで207はすでに生産中止となっており、1月に最後の特別仕様車が出て終了となるわけで、本格的に今年は売るものがありません。
PCJとしても目標販売台数は低めに設定されているんでしょうけど、今年はブランディングの建て直しをする年にした方がいいと思いますよ。
輸入車メーカーの中で、一番顔が見えず個性の希薄なメーカーになっちゃったからなぁ、今のプジョーって。
さて、その他の勢力に目を移すと、やはりドイツ勢の勢いが圧倒的ですな。
御三家(VW、BMW、Mercedes-Benz)が相変わらず好調に推移する中、AudiやBMW MINIは前年比125%以上と、完全に新規の顧客を獲得できている様子が伺えます。
ここ数年、日本の輸入車市場は限られたパイの奪い合いの様相でありましたが、今年は第一グループのメーカーが日本車からの乗り換え需要をうまくキャッチして、全体の市場を広げるのに貢献してくれたと言えるでしょう。
特にVWグループは商品力、マーケティング力に秀でていることは悔しいですが認めざるを得ません。
しかしこれだけ好調に推移すると、トラブル事例もいろいろと増えてくることもありまして、品質という面で本当に顧客満足度を維持できるのかどうか、注目したいところであります。
エコカー補助金の復活で、日本の自動車市場は二極化がさらに進むでしょう。
2011年はプリウスが25万台も売れたり、軽自動車へのシフトも進む中、国産車においてドライバビリティを追求するクルマの選択肢が限られる傾向が高まるわけでして、そのニーズは輸入車へと向かうことは2011年の傾向から見ても明らかであります。
そうしたニーズをうまく捉えるには、国産車と同じような感覚で買えるクルマを用意するという至極当然の対策を採ればいいわけです。
価格、販売店の対応、故障リスクの低減。
必ずしも環境性能に優れていなくても、許容範囲に収まってればいいんです。
そこんところを勘違いしているメーカーが多いようですが、検討のテーブルに載せてもらえるかどうか、という点で最大限の努力をすりゃいいんです。
カタログ燃費が劣るなら、せめて支払い総額を国産車と同等にするぐらいの施策は、現在の超円高水準であれば余裕で対応できます。
実際、VWなどで見積りを取ると、車両価格からの値引きはそこそこであるものの、下取価格を異様に吊り上げて、支払い総額が国産車と大差ない、なんて見積りが出てきたりしております。
おいらの307swと同程度の中古車販売価格より下取りが高いとかって何のギャグだよwww
まぁこれは、メーカーからの拡販金を下取価格に充当しているわけなので、重要なのは支払い総額がいくらになるか、というお話なわけです。
また、第一グループの各社は復活したエコカー補助金の対象車種を用意しているので、より拡販しやすい環境なわけですね。
2012年は輸入車販売にとっては好材料が揃っているだけに、今年実績を上げられないインポーターは無能という烙印を押してもいい状況であります。
せっかくの市場拡大のチャンス。うまく活用して魅力的な輸入車の市場を広げていってくださいね。
ってことで2011年の実績から今年の展望みたいなことを簡単にまとめてみたのでした。
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