一度倒れて、再建のために立ち上がって、一時期はWRCに参戦なんて話も出ていながら、やっぱり倒れちゃったSaab(サーブ)でありますが、いよいよ最後の時が近づいてまいりました。
ヤナセですら手を引いたというリスクがありながら、代わりに販売代理権を取得したPCIにどれほどの勝算があったのかはわかりませんが、いざ販売を始めようとしたら肝心の新型車の生産がストップしたり、パーツのデリバリーに障害が出たりと前途多難な様子が見受けられましたが、ついには販売代理権も失ってしまう事態となりました。
ピーシーアイ株式会社とサーブ・オートモービルAB間の
ディストリビューター契約解除及びアフターセールス事業の停止について
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素はご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、サーブ・オートモービルABは、その資金繰りの悪化により、昨年3月から、車両の生産中止を余儀なくされました。
その後、経営再建の可能性を探ってまいりましたが、それが不成立に終わり、12月19日に現オーナーであるオランダのスウェーデンディッシュ・オートモービルが、サーブ・オートモービルABの破産を申請しました。そして現在サーブ・オートモービルABは、裁判所の管轄下におかれております。
それに伴い、サーブ・オートモービルABと弊社ピーシーアイ株式会社間で2010年7月14日に交わされた「ディストリビューター契約書(卸売業者契約書)」は、解除されました。
その為、弊社の販売店及びアフターセールス部門も、業務を停止せざるを得ない状況となりました。
これに伴い、ピーシーアイ株式会社では2011年12月19日をもちまして日本国内における全てのサーブ車両を対象に付帯する以下の保証の効力を停止せざるを得ない状況となってしまいました。
・新車保証
・穴(孔)あき錆保証
・リコール/キャンペーン
皆様には、多大なご迷惑をおかけいたします事を、深くお詫び申し上げます。
なお、アフターセールスのパーツを供給するサーブ・オートモービルパーツABは、この破産申請の対象会社ではありませんので、今後も事業を継続し、弊社もそれを踏まえて、パーツ事業を継続致します。
また、パーツ保証に関しましても通常通りに適用されますのでご安心下さい。
ってことで、PCIからすれば販売できないのにアフターサポートをしなきゃならないとか踏んだりけったりでありますが、まぁ仕方が無いですよね。
そういえば、欧州のブランドで復活を掲げて華々しくドーヴィルを発売したデトマソも、ドーヴィルの製造権を中国企業に売り渡すそうで、伝統のブランドといえどもきちんと時代に対応していかなければサスティナブル()な経営をすることはできませんよ、というお話なわけですね。
さて、デトマソはちょっと特殊だとしても、サーブの例を対岸の火事として楽観視しているわけにもいかない状況が日本メーカーにも忍び寄ってきておりまして、デトロイト3のようにブランド延命のためにOEMを乱発するとか始めると、その兆候は徐々に見え始めてきたりするわけです。
言うまでも無く三菱とかスバルのことですが。
iMiEVの後がなかなか続かない三菱が、コルトの後継車がどれほどブレイクするか。
モデルチェンジする毎にユーザーの離れていくスバルは北米で活路を見出せるのか。
まぁ、これだけ政治の無能によってこれだけ冷え切ってる国内市場にこだわる必要も無いので、海外で活路を見出せるのなら、そっちに注力するって選択肢もありますよね。いすゞみたいに。
ってことで、変化の激しい2012年、どう推移していくか見守ることにしましょうかね。
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