スバルのCM「The Car Parts」



海外で放映されたスバルの企業広告がIAA(日本国際広告協会)の「第7回IAA日本ベスト広告賞」のグランプリを受賞した、とのお話。

「The Car Parts」と題されたこのCMは、ホンダの傑作CMである「The Cog」と同様に、クルマを構成している部品に着目して、それでどんな表現ができるか、という点を突き詰めているところが興味深い。



クルマがどういった部品で構成されているかを知識として持っているかどうか、またそのレベルによってこれらのCMを楽しめるかどうかが変わってくる。
ある意味、放映されるエリアのクルマ文化の成熟度によって評価が分かれる可能性もあるということだ。


どちらのCMもCGではあるものの、「The Cog」が現実的にありえるピタゴラスイッチ的(っていうかあっちが後だが)なアプローチであるのに対し、「The Car Parts」は完全フルCGであることによるダイナミックな映像を目指しており、同じクルマを構成する部品を使った映像でもまったく異なるCMになるという話でありまして。

個人的にこのCMを見た第一印象は、「クドいなぁ…」というものでありまして、フルCGだったら何でもできると言わんばかりにゴチャゴチャとした構図が続くのを2分半も見せられるのは、ちょっと飽きが来やすいのではないかと思った次第。

でも、良く出来ていることに違いはないので、この作品に賞を与えること自体に文句があるわけじゃないけどね。

ただ、作品に対するインパクトや見終った後のジワジワ来る感じは、やはり「The Cog」の方が数枚上手な気がするのでありました。

っていうか、「The Cog」はおいらの中でクルマのCMとしては生涯ベスト3に未だに君臨し続けているほど特別な作品でもあるんだけどね。

しかし、こうしたCMたちが日本のテレビで流されないのは、日本人のCMに対する民度の問題があるにしても、やはりもったいないよなぁ…。
  
  

この記事へのコメント

  • sおとめ

    今更書き込むのもなんですが、Hondaの「The Cog」はCGを使っていなかったと思います。
    タイヤが登って行くのは内部におもりが入っているためだそうですね。
    2014年04月15日 22:07
  • 海鮮丼太郎

    >sおとめさん

    コメントありがとうございます。
    中盤のパワーウィンドウが下りるところって、実写でどうやるか説明つきます?

    また、撮影とかなりの編集作業を行っているため、当方はこれをCGと解釈しています。

    http://en.wikipedia.org/wiki/Cog_(advertisement)

    2014年04月15日 22:41
  • sおとめ

    >海鮮丼太郎さん
    返信ありがとうございます。
    確かに、「アクションを画面の中心に持ってくるためのセンタリング、ワイヤの除去、水の強調、アクションが進むペースの調整をした」と書いてあります。
    コンピュータでのシミュレーション映像は無いにしろ、編集はされてましたね。すみません。

    パワーウィンドウは、金属の筒が転がる板の上に電極があるように思えます。ウィンドウの手前で、床に向かって伸びている被膜付き導線が信号線かと。
    アシストグリップのバネを動かすことができるくらいの重量がある金属筒ですから、電極を安定して踏むことくらいはできるのではないかと思います。
    2014年04月16日 19:53

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