昨日はバイクで移動したので、今日は自転車でぶらぶらとお出かけ。
ってことで今日は国道246を西に走って町田へ来てみた。
町田をゆっくり散策するのは5年ぶりぐらいですけど、ごちゃごちゃとしていて相変わらずですな。
一時期駅周辺のテナントの撤退とかいろいろあって心配しておりましたが、やはり学生が多く集うターミナル駅だけあって、学生がいる街はそれなりに活況を呈するもんだ。
このどちらかといえば下品に雑然としたところが町田クオリティ。久々に来たけど安心した。
で、町田に来たついでに駅前のヨドバシカメラに行ってみた。
特に目的はなかったのだが、最近の家電のトレンドを一通り押さえようかなぁ、なんて軽い気持ちで店に入ってみると、いきなり1Fで戦争が繰り広げられていた。
とはいっても、一方的な戦争だ。
武器の使い方を知っている者と知らない者。
戦争をしていると認識している者としていない者の戦い。
簡単に言ってしまえばこんな感じだ。
そう、iPhone4Sの予約合戦という、KDDIとソフトバンクのガチンコの戦争が行われていたのだ。
ソフトバンクというキャリアは回線品質が悪いという点、またそれを改善するといって顧客をだまし続け、実際のところ肝心なところでちっとも繋がらないという詐欺まがいの行為を平然と行っているという点において、おいらは死ぬほどこの会社が嫌いだ。
しかし、現実的にはiPhoneを使うためにはソフトバンク回線で契約するしか無いため、仕方なくソフトバンクのiPhone3GSを使い続けている。
しかし、ソフトバンクが国内におけるiPhoneの独占販売権を得るために努力したこと、また販促のために仕掛けた様々な施策については(実質0円といった詐欺まがいの料金設定だったりはするものの)、普及のためにあらゆる手を尽くしたという点については、客観的に見て評価せざるを得ない。
この点に関してはおいらも異論は無い。
思うに、ソフトバンクというのは良くも悪くも朝鮮系マインドにあふれた企業という事ができる。民族的差別意識があるわけではなく、彼らのビジネスに対するアイデンティティは、間違いなく半島系のそれだ。
モラルと金儲けを天秤にかけ、そのギリギリの線を突いてくる手法は、従来の日本企業の倫理観からはとうてい許容できない施策だったりするものだから、ソフトバンクの販促施策にKDDIやドコモがすぐに追従できないことも理解はできる。
しかし、結局のところは消費者にとって魅力的に映ればそれでよく、結果としてソフトバンクはiPhoneを効果的に活用することでKDDIに迫る契約者数を獲得している事実があるわけだ。
ソフトバンクがKDDIやドコモと違ってインフラに対する責任というものにあまり固執していないことは、32キャリアの中で唯一CEATECに出展していないことからも透けて見える。
“政商 孫正義”の考え方というのは実にわかりやすい。
消費者に対しては耳障りのいい事ばかりを発言して、実のところはおいしいところだけ首を突っ込んでかっさらっていく姿は、KDDIやドコモにしてみればさぞ腸(はらわた)の煮えくり返る思いだろう。
話が脱線したが、ソフトバンクという会社はそもそも異なる倫理観に基づいて企業活動を行っており、そこと戦わなければならないということは、相手を十分理解した上で戦略を練らなければならず、十二分なリソースの投入と、迅速なスピード感が求められる。
戦うと決めた以上、この点に関しては最初から攻めの姿勢で臨まなければならない。
当たり前の事だ。
そんなわけでKDDIはさまざまなリスクを承知の上でiPhoneを手にした。
武器を手にしたからには、使い方を覚え、それを戦場で効果的に使う事が求められる。
その意味で、KDDIは戦争の準備が不十分のまま開戦してしまった。
KDDI軍の兵士はiPhoneという武器の使い方を知らない。
必要な情報も降りてきていなければ、作戦についても十分な説明を受けていない。
やれることといえば、「KDDIのiPhoneの受付はこちらです」とアナウンスするのみ。
それに対するソフトバンク軍の攻勢は熾烈だった。
圧倒的な人員による物量作戦。
複雑すぎて得なのかどうかわからない料金プランを逆手に取って、とりあえず次から次へと予約者を捌いていく。
売り場のいたるところで「ソフトバンクのiPhone予約受付中」のボードを持って声を張り上げている。
KDDI側にはそうした人員がほとんどいなかった。
当然結果は明らかだ。
30分ほど売り場を眺めていたが、ソフトバンクのiPhone4Sの予約者が10人とすると、KDDIは1~2人程度だ。
これはもう虐殺と言っていいほどKDDI側の一方的な敗北だ。
なぜこのようなことが起こっているのか?
答えはけっこう簡単だ。
この受注合戦が戦争であるという認識を持っているかそうでないかの違い。それだけだ。
iPhone4Sの料金プランの発表がギリギリまで延ばされ、KDDIが先行して発表したものの、ソフトバンクはそれを見て後出しジャンケンでそれを上回る(一見すると)お得なプランを提示してきた。
この時点で双方ともに販売店での予約受付という戦争が開始されたわけだ。
ギリギリのタイミングになったため、予約開始までの販促施策を準備する時間がほとんど取れなかった。
しかしそれは双方とも条件はイーブンだ。
この限られた時間で、どうやって予約者を囲い込むのか?その手腕が問われることになる。
KDDIは予約受付する店舗を850店舗ほどに絞ってのスタートとなった。
それに対してソフトバンクは2600店舗での予約受付と、この時点で3倍以上の開きがある。
なぜKDDIが予約受付する店舗を絞ったのか?という点については、いきなり大量の予約を受け付けてもデリバリーに問題が起こる事を想定しての施策だということは理解できる。
ソフトバンクの2600店で予約を受け付けても、発売日にきちんと供給できる店は半分にも満たないだろう。
しかしそれでも、ソフトバンクは全国2600店での予約を受け付けている。
最初から一気に囲い込んでしまう事の大切さを理解しているから。
緒戦で一番大切なことは、「いかに多くの予約を受け付けるか」という点にある。
発売日に必ず引き渡す保証などしなくてもいい。
より多くの予約数を見せつけることで、マスコミに対してアピールするだけでなく、アップルに対しても本気度をアピールして、その後の有利な立場で交渉に臨む。
つまりソフトバンクにとっては、KDDIとの受注合戦は戦争だった。
だからこそ、持てる限りのリソースを全投入する形でとにかく予約を受け付けてしまうわけだ。
別の店では、「予約してもキャンセル自由です!」とまで言わせていた。
緒戦での勝敗がその後に大きな影響を及ぼすことはよくある話だ。
そして、その緒戦でKDDIは大きく遅れをとった。
恐らくiPhone4Sの予約状況がニュースとして報じられるだろう。
そして、KDDIの思わぬ不調が当然のことながらピックアップされるだろう。
消費者はそれを見てKDDI版iPhone4Sに対して様子見のムードが漂う。
そして販売が伸び悩む。
こうした事態になることが容易に想像できる。
そしてソフトバンクはこの戦いに勝利することで、今までのネガティブな要因が忘れ去れらたように、再びiPhone4Sの販売を伸ばすことになる。
ひょっとすると、契約者数でソフトバンクとKDDIが逆転する契機にすらなるかもしれない。
武器を持っていても有効に使わなければ戦争には勝てない。
日本企業が海外で負け続ける縮図を見た気がした。
要は、覚悟の違いということだ。
今回の複雑極まりない料金プランと、既存ユーザの中にも不公平が発生する乗り換え施策を見て、ソフトバンクがさらに嫌いになった。
しかし、iPhone4Sの予約に掛ける執念というものについては、改めて“政商 孫正義”を評価せざるを得ない。
さて、KDDIはこれからどうするつもりなのだろうか?
この記事へのコメント
au太郎
iPhone4S争奪戦は、うわべの魅力だけはゴージャスに飾り立てたSBMに客を守られているのはたしかなようですね。繋がらなくて不満だったけど、今使ってる3GS/3GSの残金をチャラにしてくれて4Sにできるんだったら、新しいモノ好きとしてはしょうがないかな、なんて思わせてみたり・・・
そして16GBモデルを実質0円機種として出す以上、他の「Android au」たちも価格差を抑えるために販売奨励金を積み増しする事に遅かれ早かれなるのでしょう。
あまり騒がれず、販売後も盛り上がらないメトロタッチのWindowsPhoneも低空飛行のままでしょうから、auは端末販売で大きく苦しむ構図が透けて見えているような気がします。
pon太
制限によるものらしいという話があるようですが。
ヨドバシアキバで予約の様子を観察していた
限り、iphone予約をなにが何でもという気迫
はなかったですね。。。
むしろwimax搭載機でいいんじゃないですか?
というようなムードすら。
かくいう私はiphone by auを予約しに行って
photonを買って帰りました。(ドコモからの
乗り換えは予定通り)
海鮮丼太郎
>ドコモ太郎
毒饅頭だからといって食わないのもどうかと思いますが。
今後のインフラへの投資と回収をどう目論むのか、見ものであります。
>pon太
真相はどうなんでしょうね?
KDDIにとってはiPhoneも一つの選択肢、という演出をしたいのかな?とも思ったんですが、どうも販促施策がきちんと決まってないという印象を受けましたね。
なんつっても、現場の人がどう接客していいかわからず右往左往してましたから。