日本は日本で円高が大変なことになっており、欧州通貨危機についてあまり思いを馳せる余裕がないわけですが、あちらはあちらでリーマンショック以上と言われている通貨危機そしてそれに伴う景気後退についての備えをしているようでありまして、我らがプジョー(PSA)さんもその準備に余念が無いようでありまして。
仏プジョーCEO:人員を削減、経費節減も強化へ-景気低迷に備え
9月13日(ブルームバーグ):欧州2位の自動車メーカー、フランスのプジョーシトロエングループ(PSA)のフィリップ・バラン最高経営責任者(CEO)は13日、人員を削減し、3カ年の節減計画を強化する方針を明らかにした。欧州がリセッション(景気後退)入りする可能性がある中でも利益拡大を目指す。
バランCEOはフランクフルト国際モーターショーでの説明会で、フランス国内での操業で競争力が改善しない場合、パリの北にあるオルネー工場を閉鎖する可能性があるとも語った。
「人員削減なくしてのコスト削減はあり得ない」と指摘しつつ、詳細には触れなかった。さらに「欧州は成長減速局面またはリセッションに直面しつつある」と続けた。
バランCEOは今年の営業利益を昨年実績の18億ユーロ(約1900億円)から改善する目標をあらためて示し、自動車需要や価格が落ち込む中で大半の目標を達成するためにはコスト節減の規模を引き上げる必要があると説明した。
フランクフルトショー初日にこんな話題が出てくるというのは、なかなか欧州の市場は楽観視できない状況なんだと少々驚いております。
特に問題になっているのがフランス国内での生産を維持するかどうかという点でありまして、我が国でも海外移転が進んで空洞化が叫ばれている中で、他人事ではないという思いも強くするわけです。
(もちろん空洞化と海外進出は根本的に異なるというのはあるわけですが、この場合は空洞化懸念といって良いでしょう)
今のところPSAグループとしては、販売台数についてはそれほど悪材料が出ているわけではないので、利益確保のためのコスト削減という方向で調整の余地がある分、深刻の度合いは低いのかもしれませんが、その方法として自国の工場を閉じてより低コストで生産できる他の国へ移転という話が出てくるというのはなんとも・・・
当然本国および欧州市場でこうした状況になると、必然的に他の国での利益確保の締め付けが厳しくなってきたりすることもありえるだけに、販管費の圧縮にともなうマーケティング活動の縮小や、1台あたりの利益を確保するための実質値上げなんて懸念を抱いてしまったりもするわけです。
杞憂であればいいんですけどね。
ってことで、世界的な不景気の波が再びやってきそうな感じをひしひしと受ける昨今、クルマなぞ買っている場合ではないよなぁ、といった感じで生活防衛に走る消費者をどう振り向かせるか。
クルマ売るのも大変な世の中になるかもしれませんな。
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