そもそも、MCCという会社(2002年にスマートへ社名変更)がビジネス的に大きく躓いたのは、想定以上に高騰した開発コストと、車種の採算性が悪かったからでありまして。
その顕著な例として挙げられるロードスターは、クルマとしての出来はよかったものの販売面でも苦戦し、結局スマート全体の赤字改善の名の下に販売を終了してしまったモデルでありました。
ラインナップを縮小し、ダイムラーのテコ入れでなんとか事業継続を試みてきたスマートですが、結局のところ最重要課題は採算性の確保であり、そのために2代目フォーツーではオリジナルのプラットフォームを採用しているものの、3代目フォーツーならびに4人乗車仕様はルノーグループとの提携によって次期トゥインゴとプラットフォームを共有することを発表したりして、なんとかコスト低減を目指している状態だ。
ダイムラーとしても小型車のラインナップは重要なので辞めるわけにはいかないが、だからといって道楽のようなクルマを作るほどの余裕も無い。
そんな状況で飛び込んできたこのニュースに我が目を疑った。
Smart Roadster revealed
2012年に新型ロードスターを発表する予定とのこと。
こんな話あったっけ?
というのも、ジュネーブショーで“forspeed concept”なんていうのを発表してはいたものの、その造型はあくまでフォーツーの派生もしくはクロスブレードの再来というイメージであって、ロードスターを復活させるなどという話は想像だにしなかった。
上記の通り、スマートはルノーとの提携で汎用的なプラットフォームを作り、そこからいくつかの車種を開発するという方針は公にしている。
イメージリーダーとなるフォーツーと、より実用的で量販車種の4人乗り。そしてそれらの派生であるBRABUSやEV仕様。
手堅く採算を確保するとしたらこの程度のラインナップに留めておくのが重要だが、ここへきてフォーツー派生ではない、オリジナルロードスターの後継車種を追加っていうのはどんな判断なのだろう?と心配になってしまう。
プラットフォームはルノーとの共同開発しているものを使うようだが、それほど数が売れるとも思えない車種を投入してくるというのは、現在のスマートを取り巻く環境から考えると無謀なんじゃないかなぁ、と思ってしまう。
しかも話はここで終わらない。
なんとこのロードスター復活の話とは別に、MINI Countryman(日本名:MINI Crossover)に対抗する4x4モデルも用意しているというお話。
この4x4モデルは先日発表されたメルセデスの新型Bクラスのプラットフォームを利用するらしいとのことで、ここまで来ると次期スマートはBMW MINIと同じように積極的な拡大路線を歩むんじゃないか?なんて予測も成り立つ。
それがうまくいくかどうかは別問題ですが・・・
ちなみに、意欲的に参入した北米市場では散々な結果に終わり、日産のマーチをOEM調達なんて話も立ち消えになってしまっております。
もちろんコンパクトカーでおもしろい車種が出てくることは大歓迎なのですが、今までの経緯を知っていると一抹の不安を感じざるを得ない初代スマート海苔の戯言でありましたとさ。
AutoExpressの壮絶な誤報だったら笑うけどww
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