トヨタアワード2010、社長賞に3代目プリウス昨年も同じ試みが行われていたが、おいらは「自画自賛で終わらせないために」ってエントリーを書いた。
トヨタ自動車は社内表彰制度「トヨタアワード2010」の受賞作品を選んだ。豊田章男社長が選ぶ「モリゾウ賞」には主力ハイブリッド車(HV)の3代目「プリウス」が輝いた。内山田竹志副社長が選ぶ「ウッチー賞」には、スポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザー」が選出。新車販売部門1位には、スポーツカー「LEXUS LFA」が選ばれた。
基本的にこうした試みは自画自賛でありつつも、マーケティング活動の一環でもあり、そこで選ばれた結果には何かしらの意図があるわけだ。
昨年はリコール騒動に対するアピール、そして今年は・・・何をアピールしたいんだろう?
豊田章男社長が今年選んだのはプリウスだ。
まぁ、こういう時代だし、昨年のプリウスの好調を考えればこの結果にはそれほど不満は無い。
しかし、副社長が選んだウッチー賞()笑が「ランドクルーザー」というのは、いささか疑問を呈さずにいられない。
ここで選ぶべきは「FJクルーザー」だったのではないか?
ウッチー賞は、トヨタがアピールしたいイメージが選ばれる傾向が感じられる。
それは昨年の結果が「ウェルキャブシリーズ」だったように、その社会的意義をもっと広く知らしめることでトヨタのブランドイメージを高めるためと考えると合点がいく。
で、それが2010年はランドクルーザーだ。
そこに込められたメッセージってなんだろうか?
それはすなわち、「世界をどこでも走れる自由」みたいなイメージ?
ランドクルーザーといえばトヨタの世界的なSUVイメージを高める重要な存在であるのは確かだが、直近のモデルチェンジがあったわけでもなく、また国内販売でも何らかのトピックになるような実績があるわけでもない。
つまり、ここでアワードを与えてアピールするには、メッセージ性が弱いと言わざるを得ない。
逆に、古き良きランドクルーザーのリスペクトとして、トヨタの柔軟性というか意外性をアピールできる素材としてFJクルーザーが昨年発売されたのだから、ここで選ばないでどうする?
もうひとつの新車販売部門(≒社員が選ぶ新車部門?)1位がLFAということは、テクノロジーとブランドイメージの極限であることをアピールする目的であることから、ある程度想像がつく。
そんなわけで、このウッチー賞の意味不明具合が際立って見える今年のトヨタアワードの結果だったのでした。
単なる自己満足の社内アワードに外野があまりどうこう言ってもしょうがない話だが、こうしたひとつひとつのアピールが消費者どう伝わるか、いや、どう伝えていくかということを考えた場合、今年の結果に妥当性も感じられないし、その方法も決して褒められたものではない。
このトヨタアワードのニュースだが、いつもだったらレスポンスなどがすぐに記事にするもんだが、今年はそうした動きが見られない。
この辺りも、世間的にはどうでもいい話題として扱われていることに、トヨタは危機感を強く持った方がいいんじゃないだろうか?
(後日きちんとした発表を行うからなのかもしれないけどね)
そんなわけで、「世界のトヨタ」ではあるものの、世界で一番マーケティングがヘタなのは「日本のトヨタ」だけなのかもしれない、ってちょっと思ったわけでありましたとさ。
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