
世の中、というより欧州市場においてここ数年で積極的に推進されているダウンサイジングの流れ。
VWが先導するように小排気量に過給を加えることによるパワートレインのダウンサイジング、そしてボディサイズもセグメントごとの分類はあるとはいえ、全体的にディメンジョンは引き締める方向に進んでいる。
この流れは効率化の追求と、エコムーブメントの産物であることは容易に想像がつくが、それだけ必死だということも言える。
そんな中で、我らがプジョーさん、207と308では先代よりボディをふた周りほど拡大してブクブクと太りやがりまして、日本市場において顧客を逃しまくったのは記憶に新しいところであります。
いやまぁ、プジョー側にも言い分はあって、エンジンについてはBMWとの共同開発による1.6L新型エンジンでダウンサイジングの流れに乗ってはいたものの、肝心のボディサイズにおいてはデザインと衝突安全性能を両立させるため、またセグメントの中では大きなサイズであることが他者に対するプレミアムな価値観を提供できるという発想の元にサイズアップをしたわけであります。
207/308が登場してきた頃はまぁそれでも良かったんでしょうが、いかんせんサイズアップした割に車内の居住性はあまり改善しなかったことから説得力がいまひとつだったのは残念なところであります。
また、ガソリンエンジン系の燃費が芳しくないのは困ったものです。
で、そんな反省を活かしたかどうかはしりませんが、207の後継車種である208が2012年の発売に向けて絶賛開発中でありまして、ぼちぼちそのテスト風景がスクープされるようになってきました。
またそれに伴い、208がどのような開発方針なのかというのもだんだん見えてきたようでもあります。
AUTO CARの記事によると、関係者の話として以下のポイントが語られているようでして。
・208は207に比べて小さく、そして軽くなる。
・小さくなっても、居住性はむしろ良くなっている。
・207より-100kgほど軽くなっている。
・デザインはSR-1のコンセプトに基づいている。
・当然大口&グリルのスタイルではなくなる。
・内装はシンプルかつ上質なものに改善される。
・エンジンはダウンサイジングされ、ターボチャージャー付に集約(?)
・GTIは200bhpの1.6Lエンジンを採用。
・若い世代に向けたGTも計画中。
ということで、特筆すべきはやはりボディのダウンサイジングというところでしょう。
正直言って207について、特に日本においてはNAエンジンと4ATという組み合わせで206の頃のような軽快感が薄れてしまいました。
上質感は増したものの、トレードオフで失うものが多かったわけですね。
特に道路や駐車場などのインフラが物理的サイズ制限を受ける日本のような市場では、Fiat500やMINIの好調を語るまでもなく、よりコンパクトであることが歓迎される市場になっているわけです。
求められる要件は異なるものの、欧州のダウンサイジングのトレンドは、日本にとっても歓迎すべき話であるわけですな。
居住性を向上させてサイズをダウンするというチャレンジは、一連のプジョー車のデザインにおいてはかなり難易度の高いものになるでしょう。
さすがに206のように5ナンバーサイズまで小さくなるとは思わないけど、VWポロとそれほど変わらないぐらいのサイズでまとめてくるような感触を受けております。

というのも、テストカーのディメンジョンを見ると、207のように過度なサイドの膨らみがそぎ落とされて、引き締まったスタイルに見える点。
そしてSR-1以降に提示された新しいデザインフィロソフィーと、508に見られるラインの処理などからも、ある程度の想像がつくわけです。
-100kgの軽量化とコンパクト化がもたらす新次元の走りに期待したくなってきますねぇ。
そしてその次に登場するであろう、308の後継車についても、同様のコンセプトでデザインされるのならば、割とおいらにとっては理想的なクルマになるんじゃないかという期待感が個人的に強くあるわけです。
さて、これからモーターショーでの発表にむけてどんな情報が出てくることやら。
注目していくことにしましょうかね。
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