NAVITIMEはあくまでソフトウェア面でのサービスを開発する会社であり、CAR NAVITIMEのようなデバイス開発のノウハウを持ち合わせているわけではない。
そこが最大の懸念材料であったが、案の定CAR NAVITIMEの使い勝手は散々な評価を受けている。
過去に2回ほど大きなバージョンアップをしているが、それとて他のナビゲーションデバイスが標準で搭載しているような機能を追加したりと、便利になったというよりはやっとそこそこ使えるようになってきた、というレベルの製品に留まっている。
いや、狙いどころは悪くないとは思ったんだけどね。
ただやっぱり、ハードウェアのビジネスって難しいのよね。
陳腐化するのは早い割にイニシャルでの開発コストは結構掛かるので、“とりあえず出してみました”というレベルではなかなか商売にならないこと。
また、ナビゲーションを取り巻く環境が激変しており、1年前だったらPND派生のデバイスにも市場性があったのだが、今はやはりスマートフォンをどう活用するか、という話にならざるを得ないわけだ。
そして、ドコモとパイオニアが仕掛けてきたドライブネットのインパクトはかなり強烈で、今後はこちらの方向性で進化していくだろうことは疑いようの無い状況になった。
(しかしそのドライブネットもサービス品質はあまり高くないらしい)
そうなるとNAVITIMEは次にどんな手を打ってくるのか?
【スマートフォン&モバイルEXPO】スマホ用クレードルはアプリとのセット販売も検討…ナビタイム
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ヽ(・ω・)/ ズコー
\(\ ノ
、ハ,、  ̄
 ̄"
パイオニアのドライブネット用クレイドルSPX-SC01は、ジャイロセンサーと加速度センサーを搭載することで、スマフォ本体のGPSを補完してより精度の高い計測をできるようにしたからこそ価値があるわけで、そこにスマフォのアプリを充実させていく事でナビゲーション+αのサービスを提供しようというコンセプトが素晴らしいわけだ。ちゃんとしたサービス品質になれば、の話だけど。
それに引き換えNAVITIMEが発表した上記のモノは何なんですか?
「最近の端末はGPSや加速度センサーなどの性能が上がってきており、一般的な使用であれば単体での利用で十分に実用性が確保できている。またスマートフォンは手軽に使えるのが魅力で、利用者の大多数はライトユーザー。当社のクレードルは設置・取付けのしやすさを考慮してシンプルな設計とした」
これ、公式コメントとして解釈していいのかはわからんけど、本気でこう考えてるとしたら、NAVITIMEかなりヤヴァいぞ。
だってこれ、その辺で1000円ぐらいで売ってるスマフォ取り付けクレイドルとなんら変わらないし、こういうコンセプトを今後進めるってことを訴えたいのだとしたら、「CAR NAVITIMEは失敗だった」と宣言してるようなものじゃないか。
別にスマフォ向けアプリに注力する事自体は悪い事じゃないと思うし、NAVITIMEという会社の成り立ちを考えたら変にナビ専用機など出さずにこの路線を行った方がリスクが少ないとは思う。
しかし、iPhone版アプリでは過去に大顰蹙を買ったことでも有名なNAVITIMEなだけに、中途半端な感は否めない。
スマートフォンをカーナビとして使おうと思ったら、すでにいくつか選択肢があるわけだし、GoogleMapに至っては無料で使えたりする。
それに対してアドバンテージを持つとすれば、それはやはり精度の高いルート案内と、それに付随するサービスだと思うわけだ。
その意味で、1000円とかで買えるようなクレイドルでお茶を濁すのではなく、やはりパイオニアと同じようにセンサーを複数持たせることによって自社位置の正確な特定ができることに付加価値を求めるべきじゃないかなぁと思うわけだけどね。
なんかこう、CAR NAVITIMEに対する中途半端な姿勢からずっとNAVITIMEが次の一手をどうするべきか迷走しているように思えてならない。
正しい目的地にルート案内するサービスをやってる会社自身が迷走するって…ギャグとしても笑えんぞ?
この記事へのコメント
直近のユーザーレビューは星1つが多く惨憺たる状況。
世の中、勝ち残るかは分かりませんね。
海鮮丼太郎
いやまったく、おっしゃる通りですね。
このエントリーを書いた頃はこんなことになるとは思いもしませんでした。
逆にナビタイムは先日のモーターショーで話を伺ったんですが、有料バージョンではGPS以外に加速度センサーなど複数のセンサーを使ってスマホだけでかなりの精度を出せるようになったとのことでした。
反応などもう少しこなれて欲しいとは思いますが、専業メーカーの意地を感じました。