【実燃費対決】カタログ達成率ベスト10…意外なクルマ続々!?
1位:プジョー 207…104% 13.1km/リットル
2位:マツダ アテンザスポーツ…98% 12.4km/リットル
3位:BMW 320i…97% 11km/リットル
4位:日産 ムラーノ…97% 9km/リットル
5位:日産 フェアレディZ…95% 9km/リットル
6位:VW ティグアン…92% 9km/リットル
7位:トヨタ ヴァンガード…91% 8.7km/リットル
8位:ホンダ レジェンド…90% 7.8km/リットル
9位:スズキ エブリイ…88% 14.8km/リットル
10位:VW ニュービートル…88% 9.9km/リットル
ということで、なんとびっくり、プジョーさんの207が10・15モード燃費(カタログ燃費)に対する達成率で104%という数値をたたき出してトップになっちゃった。
カタログ燃費ではVWに到底及ばないというイメージがあるにも関わらず、実際の値はカタログ燃費に限りなく近い、むしろそれをも凌駕するというわけだ。
ここに高らかに宣言する。
プジョーの燃費は日本いちぃぃぃ!
・・・なんてね。
っていうか、燃費が一番いいんじゃなくて、公表している燃費より実際の燃費の方が良かったというだけの話であって、メーカーの正直度合いのバロメーターってだけの話なわけです。
上記の元になっているe燃費のデータを語る上で、いくつか補正を掛けておかなければならない要素がある。
・e燃費はユーザーの燃費情報を投稿という形で集めている
・集めた燃費を均衡化することで、その車種の燃費としている
・一定のサンプル数が集まらなければ実燃費として認められない
これが前提条件。
それに対して、
・e燃費登録ユーザーは燃費自慢をしたがる傾向がある
・必然的にエコドライブをする傾向が強くなる
・正確な値を投稿しているかは保証できない
・登録の多い車種は均衡化のため数値が下振れする傾向がある
という要素で補正しなければならないので、これが万人向けの実燃費情報としてしまうのはあまり好ましいとは思えない。
しかし、一定数のサンプルから割り出された数値であることも事実であるわけで、
現時点において実燃費に近いであろうデータ
という認識でe燃費のデータを参考にするのがいいだろう。
で、上記のデータから何が導き出すことができるのか?
それは、「日本車の10・15モード燃費がいかに現実離れしているか」の一点につきるのではないだろうか。
実はこの件に関しては5年前に「意味のない10・15モード」というエントリーを書いている。
要はこういうことなわけだ。
その反省から、国土交通省が新たな燃費測定基準としてJC08モードを制定し、段階的に燃費の表記を10・15モードからJC08モード燃費へと切り替えていくよう指導してきた。
本来であれば今年(2011年)4月からは全面的にJC08モード表記に切り替えを行わなければならないのだが、この直前の状況にあってもまだ10・15モード燃費が世間を騒がせている。
なぜか?
JC08モード燃費は実燃費に現実に近い測定方法のため、10・15モード燃費に比べて10%以上数値が下がるからだ。
自動車メーカーの思惑としては、たとえそれが実際の燃費とかけ離れていようが、とにかく10・15モード燃費の高い数字を出しておいた方がエコであると消費者にイメージを植えつけることができる。
小さくJC08モード燃費も併記しているケースがあるが、ここ最近の新車発表などで話題にする燃費のデータは、ほぼ例外なく10・15モード燃費だ。
マーチ 26.0km/L
フィット ハイブリッド 30.0km/L
ヴィッツ 26.5km/L
プレスリリースにおいては近日中に表示が義務化されるJC08モードの数値はいっさい載せないという徹底振りは、もはや笑うしかない。
エコカー補助金パニックの頃は、各社とも狂ったように10・15モード燃費だけを高めるクルマを乱発した。
実燃費に悪影響が出ようとも、10・15モード燃費を高めることを第一にセッティングされたクルマなんかも存在しており、もはやきちんとしたクルマを作るという良心すら放棄しているとしか思えない。
アクセルの踏み込み量を微細に調整すれば確かに燃費は伸びるが、普通の人はそんな乗り方はしない。
むしろ、道路状況に合わせて自然にアクセルを調整すると、燃費は一気に悪化する。
10・15モードと実燃費の乖離はそうしたところから発生しているのは明白で、上記のランキングで各社のエコカーが上位に入ってこないことは見事に説明がつく。
それに対して輸入車については幸か不幸か、日本の10・15モードに特化したようなセッティングをわざわざ施すことができないため、ほぼ海外基準に則った形で日本に導入されている。
それがむしろ実燃費との乖離が少ない要因になっていることもまた、プジョーが1位に入るという珍事の説明にもなるわけだ。
国産エコカーに並んだとまで言われるVWのポロやゴルフがこのランキングに入ってきていないことにも注目したい。
もちろんVWは母数が多い分だけ均衡化されたデータが下振れしているという原因によるところも大きいわけだが、やはりVWの10・15モードの数値もまた、国産エコカーと同じようにかなり特殊な条件でないと叩き出せない数値であるという証左であろう。
クルマの基準を「エコ=燃費」という価値観で捉えること自体を否定するつもりはまったくない。
むしろおいらも燃費についてはクルマを選ぶ上で2番目ぐらいに大切な基準だと思っている。
しかしそれはあくまで実燃費がどうであるか?ということが重要であって、いくらカタログに書いてあるの10・15モードの燃費が高くても実際はその6~7割程度しか出ないのであれば満足感なんて得られないと思うぞ。
そんなわけで、燃費は重要だがカタログ燃費を鵜呑みにするようなことのないようにしたいものだとつくづく思う。
ちなみに、我が家の307swは上記のエントリーから5年経過して距離は55000kmになったが、通算で
10・15モード燃費 10.0km/L
実計測燃費 10.84km/L
達成率 108%
という実績を記録している。
どうだ、すごいだろうw
普通に走ってももっと燃費のいいクルマは山ほどあるけどなwww
この記事へのコメント
通りがかり
10.15モードの話ですが、もっと酷いと聞きます。
10・15モードの試験が始まると(検知すると)、
燃料マップや変速プログラムが専用に切り替わる
そうです。