カーコンビニ倶楽部といえば、もともとは翼システムがはじめた道楽事業のようなものであり、派手なCMでフランチャイズ店を集めた割にはなかなか事業がうまくいかず、結局会社ごと投資会社に買収されたのが2005年の話。
その投資会社も手に負えず2007年に手放したのを拾ったのが金融大手のプロミス。
で、そのプロミスも買収の思惑がうまくいかずにカーコンビニ倶楽部の事業を分離する形になったわけで、これでカーコンビニ倶楽部は独立した事業会社として船出することになる。表向きは華やかに見えそうだが、内実はそうでもなかったようだ。
【トップインタビュー】カーコンブランド展開、上場、アジアへ…カーコンビニ倶楽部 林成治社長
一方、親会社であったプロミスは、店舗での新車中古車の自動車販売を強化することによるオートクレジット事業の拡大を期待してカーコンビニ倶楽部を傘下におさめました。この点に乖離がありました。プロミスグループになったものの、FC各店舗は、すでに軽板金補修事業を展開しており、自動車販売にはなかなか力を入れられなかったのです。親会社の期待とFCの方向性に食い違いがあり、プロミスグループとしては想定していた相乗効果が得られないと判断し、カーコンビニ倶楽部をグループからの切り離すことになりました。
おいらがカーコンビニ倶楽部に注目(というより生暖かくうぉち)していたのはもう6年以上前の話であり、その後カーコンビニ倶楽部がどのようになっていったかは正直言って興味を失っていたので知らなかったのだが、さすがにオートクレジット事業との連携っつうのは難しいと思ったわw
プロミス自身が大幅なリストラを行っていた時期の買収だっただけに、なんかもうすこし遠大なビジョンがあるのかと思ったら、割と思いつきみたいな買収だったのね。
で、プロミス出身の林社長が自ら買い取る形でカーコンビニ倶楽部を独立化したという流れなわけですか。その心意気は素敵だと思います。
で、翼システム時代から事業継続に難題を抱えていたカーコンビニ倶楽部だが、独立してどんなビジョンでやっていくのか、ということが上記の記事で語られている。
そこで知ったのが
「ヤマト車検」⇒「カーコン車検」に名称変更
という衝撃の事実。
軽いショックを受けました。
ビジネス的に考えれば非常に正しい判断だと思うわけだが、やはりあの「ヤマト車検」という意味不明の店舗装飾が失われるのももったいないと思ってしまう自分がいるわけです。
ヤマト車検については上記のエントリーでも書いたが、とにかく松本零士の描く宇宙戦艦ヤマト風のアレ(大YAMATO零号)と、松本零士キャラを前面に押し出した、
「注目を集めるにはとても効果的だが、店に入りたいとは思わない」
という珍しい店構えだったりしました。
この辺を見れば誇張でないことも理解できましょう。
他にも「バイクコンビニ倶楽部」も松本零士キャラで展開されていましたね。
で、そのヤマト車検だが、おそらく翼システムの担当者が道楽でデザインを決めたとしか思えないわけだが、当然のことながら加盟店が伸び悩んでいたようで、180店舗がやっとだったとのこと。
それを「カーコン車検」と改めることで現在は280店舗まで加盟店が増えたというのですから、原因はやはり松本零士のアレだったのは明白であるわけです。
いや、松本零士先生が悪いんじゃないんですよ。
ものには適材適所というものがありまして、単に車検サービスのイメージには松本零士先生の描く絵は崇高すぎて理解されなかったというだけの話だと思いますです。はい。
世の中には車検サービスを売り物にしたフランチャイズはたくさんあるわけです。車検のコバックとか、ホリデー車検とか、今ではオートバックスとかの強力なライバルがいるわけですが、「カーコン」というブランド力を武器にそれらの競合と戦うのは結構大変な気がしないでもないです。
なんつっても、「カーコン」のブランド力って、思っているほど高くはないんじゃないかなぁ、なんて個人的には思うわけでありまして。
まぁ、クルマのコモディティ化が進んだことで、割高なディーラー車検を避け、こうした車検チェーンで安く上げようというニーズは増えることはあっても減ることはないと思うわけでありまして、そうした層をどれだけ掴むことができるのか、お手並み拝見といたしましょう。
今は亡き「ヤマト車検」が成仏してくれることを願うのみ。
どうでもいい話だが。
「大YAMATO零号」のDVDレンタルがTSUTAYAで始まったとかwww
ヤマト車検を看取りつつ、大YAMATO零号の雄姿を拝見することにしますかね。
あと気になったのが、他にも「カーコン」を冠したさまざまなサービス展開や、アジアへの事業展開という明確なビジョンが語られているので、割とこの林社長だったらカーコンビニ倶楽部をきちんと立て直せるかも知れない、とちょっとだけ思いました。
ただ、そのための資金調達として上場を目指すというところが、独立の経緯も含めてかなりデジャヴな感じなんですよ。
えぇ、某スキーから独立した某スキーソリューションズなんて会社をわたくし存じ上げておりまして、あの会社が上場のために何をやって、結果どうなったか?なんてことを身近で見てきているだけに、同じような轍を踏まないか気が気でありません。
ちなみに、カーコンビニ倶楽部を最初にスタートした翼システムという会社は、某スキーソリューションズと同じビル、しかもすごいご近所階にいらっしゃいましたとさ。
あぁ、こりゃこりゃ。
この記事へのコメント