2月6日はアメリカが最も沸き立つ一日だ。
もちろん、スーパーボウルの開催日なわけだが、なによりその試合内容と並んで注目が集まるのが、趣向を凝らしたスポンサーのCMだ。
30秒のCMが250万ドル(約2億8000万円)という世界一高い広告料を払ってでも、この1回のCMで企業が何を訴えるのか。
たいていの場合、スーバーボウルのために驚きのCMを各社が用意することでも知られ、伝説的ともなったAppleの初代MacintoshのCMなんかや、昨年はGoogleがも含めて、話題になることが多い。
スーパーボウルの広告効果は、単に商品の宣伝だけでなく、企業の勢いを現す指標でもある。
その辺の事情はこのあたりが参考になるだろう。
そんな中でトヨタをはじめとして自動車メーカーもこぞってスーパーボウルでCMを打つわけだが、今年はメルセデスが初めてCMを出すことも話題になるぐらい、あまり米国でシェアの高くないドイツのメーカーが揃って参戦するところが見逃せない。
で、個人的に注目しているのがVWだ。
上記の動画は、VWが今年の5月に発売する“新型NEWビートル”(って書き方も変だが)のティザームービーだ。
たったこれだけのものだが、うめぇなぁ…と唸らざるを得ない。
広告のための広告とも言えるティザームービーを公開するというのは、スーパーボウルにいかに消費者の注目のピークを持って行くかというマーケティング活動の真骨頂のようなものであり、こうしたメッセージの一つ一つに一喜一憂するのもまた、スーパーボウルの楽しみ方でもあるわけだ。
たった15秒だが、ここから読み取れるのは、新型NEWビートルが“躍動感”というキーワードを前面に出しているところ。
しかも、2本のホワイトストライプが入っていたりするあたり、GT方面へのアピールまで匂わせている。
過去に触れたように、現行NEWビートルがどちらかと言えば丸みを帯びたパイクカーのようなキャラクターであったところが、新型NEWビートルではよりスポーティな実用車として生まれ変わることと見事に合致している。
ビートルが来るぞ!というメッセージをたったこれだけの内容で伝えるというのも、やはり海外CMのレベルは高いと言わざるを得ない。
こんなCMがタダで見られるんだから、アメリカという国はすばらしい。
そういえば、アメリカを一人旅した時に、何より楽しかったのが夜にテレビでCMを見ることだったなぁ。
地元のローカルCMからこうしたビッグバジェットのCMまで、どいつもこいつも面白くて、楽しい時間を過ごさせてもらった事を思い出した。
そんなおいらは、今でも海外CMを収めたDVDを機会を見ては買い漁っている。
究極のショートフィルムとして、海外CMの面白さはハンパないのである。
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