そんなわけで前回の続き。
12月の販売実績が発表になったことで、年間のランキングも確定しました。
その順位と内容について考察していきましょう、というのが本エントリーの趣旨であります。
ってことで、2010のランキングベスト20は以下の通りです。
■2010年輸入車メーカーランキング(カッコ内は2009年順位との比較)
1位:VW (→)
2位:BMW (→)
3位:Mercedes-Benz (→)
4位:Audi (→)
5位:BMW MINI (→)
6位:Volvo (→)
7位:Peugeot (→)
8位:Fiat (→)
9位:Porsche (→)
10位:Renault (↑)
11位:Ford (↓)
12位:Citroen (↑)
13位:Jeep (↑)
14位:Alfa Romeo (↓)
15位:Jaguar (↓)
16位:smart (↑)
17位:Chrysler (↑)
18位:Land Rover (↑)
19位:Dodge (↓)
20位:Chevrolet(↑)
こんな感じになっております。
上位陣(1~5位)まではほぼ不動と言っていい状況になっております。ある意味、磐石な体制と言えなくもありません。
ただしその実績内容を見ると、VWが前年対比で123.1%となっており、明らかにその勢いを増しております。
これはもう、ゴルフをはじめとしたメインラインナップを日本独自の環境規制に適合させたことでエコカー補助の対象にしたという功績が大きいと言わざるを得ません。
こうした努力はきちんと評価されるべきで、事実その評価が販売に結びついたという証でもあるわけですね。
また、一部では大不評だった「フォルクスワーゲン報道官」のCMシリーズが、消費者に対してVWという輸入車ブランドを日本車と同じ土俵に上げさせる役割を担ったという点も忘れてはなりません。
おいらは常々、欧州などで流されるおもしろくてセンスのいいCMを日本でも流すべきだと主張しておりますが、上記の報道官シリーズのような大衆に媚びたCMを流すことも、目的が明確(徹底的な大衆化)であれば、それを否定するものではありません。
というわけで、VWの勢いは「商品力」+「巧妙なマーケティング」によって生み出された、まさにお手本とすべき実例だったんじゃないでしょうかね。
ただし。
そんなVWではありますが、調子がいい事で図に乗ったのか、これだけ円高にも関わらず仕様変更でコチョコチョと値上げを繰り返しております。
減税があるから実質的な購入者の負担は増えてないようにも見えますが、こういうのを許していると、また輸入車は不当に高い、ということにも成りかねないので、消費者目線での警告を発しておくことにします。
2位のBMWと3位のMercedes-Benzは、同じ富裕層向けとはいえ微妙にクラスタの異なる層を相手に商売をしているわけですが、2009年実績では700台ほどの差であったものが、2010年は1600台近くの差がついてしまっております。
両社とも似たような環境対応車を出してきたり、イメージ戦略に躍起になっていたりしたわけですが、メルセデスが思いのほか伸びてないなぁと感じられます。
なぜでしょうね?
2011年は2万台、2015年には3万台を狙うというアウディに関しては、先日考察したとおり。
ただし、12月の実績が大ブレーキになっている点が気になります。
通年でも伸び率が104.2%となっており、A1の販売でどれだけ新規の顧客を獲得できるかというのが2011年の注目どころと言えるでしょう。
5位のBMW MINIについては、Fiatと同様、単一車種のバリエーション展開で食っている割には安定してますね。
2011年はMINI Crossoverを発売し、またWRCへの復帰も果たすことからモータースポーツ方面での露出も増え、プジョーで言うところの206HBや307HB系のオーナーなどスポーツHB好きを取り込む可能性があるだけに、その販売動向が気になるところであります。
一時期は6位のVolvoに追いつくんじゃないかと淡い期待を抱かせた7位のプジョーさん。
残念ながらちょっとだけ見えた背中はまた随分遠のいてしまいましたね。
フォードから中国資本へとまるごと売却されたVolvoでありますから、これからのクルマ作りに不安の種が無いわけでもありませんが、少なくとも現行ラインナップに関してはプライスタグからかなり激しい値引きが提示されていることからも、実質的なコストパフォーマンスは悪くないと思います。
品質の低下が起こる前に、一度ボルボに乗ってみるという選択もいいんじゃないでしょうか。
ただ、モデル末期のものが多いのよねぇ・・・
で、プジョーさんについては2010年は健闘したと言っていいんじゃないでしょうか。
RCZという新機軸を打ち出し、それが概ね好評を持って迎えられたことは、プジョーというブランドの幅が広がることに繋がるので歓迎といったところです。
また、輸入車系自動車雑誌の社有車として導入されているケースも多いようで、先日のLOVECARS!summit にも登録したてのRCZ(どこの媒体だか忘れた)が来ておりました。
これは、RCZが“カッコいい”とか“ステータスのある”クルマとして認知されている証左でありましょう。表現が幼稚ですいませんが。
3008については価格設定がちょっと残念なことになっており、街角で見かけることもほとんどありませんが、モノはいいクルマですんで是非とも試乗してみてくらはい。
他にも308シリーズのAT刷新といったトピックがありましたが、ランニングチェンジ扱いで媒体の露出が少なかった気がします。
新車に比べるとレビューで取り扱ってもらうのが難しいのかもしれんですけど、明らかに商品力は向上してるんですから、提灯記事でもなんでもいいから媒体露出を高めることはできませんかねぇ?
バナーや文字広告やアレな出稿でお目に掛かることがありますが、きちんとクルマを評価できる媒体への露出はもう少し策を練ってもいいんじゃないでしょうか。
そういえば、編集部対抗エコカップの模様って雑誌の記事になったりしたんですかね?すっかり忘れてましたが。
そうそう、ついでにこんな記事がありまして。
プジョージャポン、フラッグシップを今夏投入…11年の販売目標8000台
8000台って数字、デジャヴな気がしないでもないですが。
目標を現実的なところで高めに設定するのは良いことだと思います。はい。
ただ、恥ずかしいので
プジョー車の2010年の国内販売は同37.9%増の6021台と好調だった。プジョー・シトロエン・ジャポン設立以来の伸び率で、過去10年でも最高だった。最盛期から実台数で大きく数字を下げてるのにこんな事アピールしないで下さい。あんたらアウディかよっ!
一時はプジョーに肉薄したFiatさんですが、残念ながら2010年も8位となりました。
それでもまぁ、実質的にFiat500のバリエーションで数字を稼いでいるわけですからBMW MINI同様大したもんだと思います。
アルファロメオが不振なので、グループとしてはFiatに頑張ってもらわないといけない状況なのですが、本社がクライスラーを併合したことにより車種開発が混乱していて、しばらく新型車が出てこないなんて不穏な噂もあったりします。
もともと車種はそれほど多くないメーカーなだけに、SEDICI(スズキSX4のOEM)のように他社からOEM調達もいいですが、独自開発でラインナップ強化もして欲しいと切に願っております。
あと、ランチアの国内導入はどうなりました?
ルノーやフォード、シトロエンといった大衆車メーカーよりポルシェが売れる不思議な国ニッポン。
ということで、ポルシェについては半ば呆れ気味に見ておりますが、好きな人は好きなんでしょう。
買えないものに興味なし。
で、2010年の輸入車メーカーの中で、VWの次に賞賛すべきはルノーでしょう。
新車を発表してもあまり台数が売れないことを逆手にとって、次から次へと特別仕様車を投入して我々を驚かせたのは記憶に新しいところです。
そうした地道な積み重ねが2536台という年間実績を上げた原動力なんでしょう。
大した台数に見えないかもしれませんけど、前年対比で144.5%というのは立派な実績だと思いますよ。
ただ、販管費が掛かりすぎてきちんと利益が出ているのか?という不安は拭えませんが。
特別仕様商法は、それなりに話題を集めることが出来て効率的である反面、通常のカタログラインナップが売れなくなるという諸刃の剣であったりするわけで、あんまし長く続けられる手法ではないと思いますんで、今後のルノーがどういった戦略を取ってくるのか、非常に興味深いところであります。
フォードについては前年割れではありますが、Kugaの投入で欧州フォード復活というめでたい展開がありました。
今年はFiestaの投入などもあるようなので、その存在感を再び発揮して欲しいと願っております。
Fiesta、FOCUS、Kuga、S-Maxぐらいまでラインナップしてくれると素敵だと思うんですけどねぇ。
シトロエンについてはDS3とC3効果が出ましたな。
街中でもDS3に遭遇するケースが増えました。逆にC3はほとんど見ませんが。
C4がモデル末期で売るタマが無かった割には健闘したほうだと思います。
なんつっても、前年対比で171.9%ですから、売るものがあればきちんと数字を稼ぐことが出来ることを証明しましたな。
これで全国のシトロエンディーラーも一息付けたんじゃないでしょうか。
2011年はファミリアCワゴンこと新型C4が登場しますんで、既存のお客さんを逃さないよう、しっかり販売していくことが大切ですね。
ところで、新型C4の国内投入が4速ATってホントかね?
イギリスのカタログ(PDF)見る限りでは、6速EGSと4速ATって記述なんだけど、まさか、そんな自殺行為はしないよ・・・ね・・・?
その他のトピックとしては、Jeepの意外な健闘、アルファロメオの不振、smartさんが(少しだけ)息を吹き返した、といったところでしょうか。
2011年を占うとすると、国内の輸入車販売が伸び悩みが叫ばれている反面、国産車の過度のエコラインナップに嫌気をさした消費者は一定数存在しているわけだから、ここをどう取り込むかがカギになるんじゃないでしょうかね。
ここはひとつ、輸入車メーカーが合同でイメージキャンペーンでも張ってみたらどうかと思うけど。
「エコは大事だけど。クルマってそれだけですか?」
ってな感じね。
統一のスローガンを設定し、それに対して各メーカーが独自のアピールをするって方法ならば、各メーカーの色を出しやすいでしょ。
今年は東京モーターショーも開催されるわけだから、絶好のアピールの機会があるわけじゃん。そこで何が出来るのかを皆で考えてみたらいかが?
現状を嘆くだけなら誰でもできる。
文句はやれることをやってからじゃないと、説得力持たないよ。
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