
今年も世界のCMフェスティバルをオールナイトで観覧し終わった。
会場は例年通り満席となっており、このイベントの人気の高さが伺われる。
なんといっても、日本のCM制作に携わるクリエイターと思われる連中が大挙して観覧に来ていたり、また女子率が高いのもこのイベントの特徴だろう。
しかも2、3人の女子だけで来ているグループもけっこう目立った。
短いCMを次々と繰り出してくる構成なので、素人でも楽しむ事ができるので女子を誘ってオールナイトデートにもってこいのイベントだというのに、世の文化系男子はいったい何をやっているのだろうか?
などということは置いといて、イベント全体の雑感。
500本のショートフィルムを見るようで、充実したひと時を過ごす事ができたのは、主催のジャンクリスチャン ブーヴィエの努力の賜物だろう。
ただ、今年は何か物足りなさが残った。
なんだろう?といろいろ考えてみたのだが、全般的に強烈な印象を残すCMが見当たらなかったというのがその理由だという結論に行き着いた。
もちろん、この日上映された500本だけが世界中で放映されたCMというわけではなく、あくまでブーヴィエのセレクションによるものだということはわかっているのだが、それでも全体的に強烈なメッセージや映像で見せるダイナミック感のあるCMが少なかった感は否めない。
特に元気がなかったのがクルマ関連のCMだ。
毎年アウディやらVWやらを筆頭に、クルマのCMはアイディアと驚きに満ちており、まさしく世界中のCMをリードするような立場だったにも関わらず、今年はそうした秀逸な作品はひとつも見られなかった。
唯一クスっと笑ったのは、VWが制作した一連の「SAVE THE TRADERS」というCMだったが、これも例年であれば並の出来と言わざるを得ない。
特に、毎年驚くようなCMで強いメッセージを発するホンダの元気の無さが気になった。
(それでも素敵なCMは何本かあった)
恐らくは不景気の影響なのだろうが、こんな不景気だからこそ、クルマのCMには元気な活力を与えるものであって欲しいと心の底から思ったのでありました。
その他には、今年はソニーもCMに元気が無かったのが気になった。
日本国内のソニーのCMはクソみたいなものばかりだが、海外ではBRAVIAなどのCMで他の追随を許さない素晴らしい作品(CMというよりまさに作品!)を連発していたのに、それがまったく影を潜めてしまっている。
繰り返すが、あくまでこれは主催者のブーヴィエがセレクトした500本だったので、ひょっとすると素晴らしいソニーのCMがあったのかもしれない。
しかし、イベントとしてのCMフェスティバルでは、そうしたCMはお目にかかれなかったという事実はここに記しておこう。
例年おいらを楽しませてくれたメーカーのCMが元気がないだけならまだしも、その他の商品・サービスのCMにおいても、どれもあまり唸るようなCMはなかった。
世界的な不景気はやはりCMの内容にも影響を及ぼすということなんだろうな。
そういえば前回観覧したのは、リーマンショックが起こるちょっと前の2008年夏だった。
あの頃は世界が元気があったからなぁ…
ということで、素敵なCMを見るためにも、世界の景気が一刻も早く改善されることを切に願う次第なり。
ちなみに、ここ数年のCMフェスティバルで上映されたCMをセレクションしたDVDが発売されている。
(WEBには載ってないが、2009年度も3枚発売されている)
イベントの楽しさが凝縮されているので、海外CMの楽しさを体験するためにもぜひご覧になる事をオススメする。
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匿名