KDDIはどこまでスマートフォンに本気なのか?

 
 
事業仕分けという名の茶番に電子書籍が俎上に載せられていた頃、おいらは六本木でKDDIのAndroid端末に対する取り組みについての説明を聞いていた。

KDDIは従来のガラケーにほぼ見切りをつけて、新たなプラットフォームであるAndroid端末に事業をシフトしていくことを明言した。
市場がゆるやかにスマートフォンへの移行が進むが、その中でアーリーアダプター(≒ARPUの高いユーザー)は率先してスマートフォンへの移行を始めており、そうした層をターゲットとしているCP(ContentsProvider)も、積極的にスマートフォンへのサービス展開をして欲しい。KDDIの主張はこのようなものだった。

スマートフォンへの乗り換えの障壁になっているとされていたSUICAやワンセグが、シャープや東芝の参入によりAndroid端末でも利用できるようになれば、あとはCP事業者がどれだけ魅力的なサービスを展開するか、というソフトウェア的な部分にフォーカスが当たる。
当然こうした分野では、先に事業を展開してユーザーを囲い込んでしまえば、従来のケータイアプリビジネスと同じような成長を見込む事も不可能ではない。
ほぼ満席の会場内からは、そうした期待を感じさせるだけの熱気に包まれていた。

従来のガラケービジネスとスマートフォンビジネスの大きな違いは、アクセスと課金の仕組みをキャリアが囲い込めるかどうか、という点に集約される。
特に課金の仕組みに関しては、ケータイ料金に含める形で一緒に引き落としをしてくれる決済代行を使う事で、ユーザーは新たにクレジットカードなどを登録する必要がなくなり、CPも取りっぱぐれのリスクを低減できるという、理想的な環境があったわけだが、今のところAppleもGoogleもそうしたキャリア課金を使うシステムを用意していない。

そこでKDDIは、auかんたん決済という仕組みと、au one Marketという仕組みを用意することで、コンテンツの流れはオープンなインターネット環境を利用するものの、課金に関してはキャリアの請求に含めた形でのビジネス展開が可能になる。

ピンハネ率は、アプリ売り切り型で30%+年間1万円、アイテム課金型では12%+1万円+年間1万円といったところで、ビジネスモデルによっては非常に有効な戦略を考える事もできるだろう。

スマートフォン後発となるKDDIがこうした仕組みを用意してきたのは、従来のビジネススキームをどうやってスマートフォンにも展開できるかというのをかなりしっかり考えた結果であり、個人的には魅力的なプランだと思う。
当然ここに向けてどういったビジネスができるかということを模索していくことになるわけだ。

そんな説明会の合間に展示されていた国産製新型Android端末であるIS03を触ってみた。
動作が非常に緩慢だった…
処理能力に問題は無いのだが、タッチ、フリックした際にワンテンポ遅れるというか、引っかかるような挙動を見せる。
この辺はAndroid端末全般に言えるのだが、このシャープ製のIS03ではそれが顕著に目立ったのが気になるところだ。
それでも、従来のWindowsMobileなどのスマートフォンに比べればはるかにマシなのだが…

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