一方RJCはスイフトを選んだ

 
ね、言ったとおりでしょ?

ってことで、今年のもうひとつのカーオブザイヤーであるところのRJCカーオブザイヤーは、スズキのスイフトが選出されました。おめでとうございます。

その他の賞に関しては、

インポートーカーオブザイヤー:ポロ(VW)
テクノロジーオブザイヤー:先進運転支援システム「新型アイサイト」(スバル)

ということで、技術に関する賞を残したところがRJCらしいといえばらしいのですが、こうタイトルの内容がコロコロ変わると、どういった基準で何を選んでるのかがよく伝わってきませんね。
この辺はCOTYと同じ病巣を抱えているとしか言いようがありません。
もう少し何とかしてください。

ってことで、ここで選出されたクルマが日本の自動車販売ランキングのベスト30にも顔を見せる事すら稀な状況にあって、選考員はいい車を選んだつもりでも、現実として消費者はまったく違うものを買っているというのが顕著だったというのが今年の日本の自動車市場の特徴であったわけです。
その背景にはもちろん例のエコカー減税&補助金があったからに他ならず、各メーカーもそれにひきずられるような形でエコカー(のようなもの)が突出して販売を伸ばした、ということになります。
本来買い換える予定の人が減税と補助金を使って自分の生活に見合ったクルマを選んでいればいいのですが、9月以降の販売の落ち込みを見ると、どう考えても需要の先食いをやらかしただけに過ぎず、今後しばらくは何をやってもクルマは売れない時期が続くでしょう。
その中で、必要な人が自分にとって何が大切かということをきちんと考えた上でクルマ選びをするようになれば、このいびつな状況も少しは改善されるのかな、と期待していたりもします。

で、話が元に戻るんですけど、RJCもこの選考結果とは別に、今年の自動車業界をどう総括するのか、コメントが出ていないように見受けられます。

組織としてのRJCが、どんな総意の元にスイフトを今年の一番のクルマであると認めたのか。
そして、日本の自動車社会はどうあるべきなのか。
これらをきちんと総括しなければ、選考結果に込められたメッセージを広くアピールすることができないでしょ。

だってさ、スイフトがいいクルマだということを、一般の消費者にどう説明できるの?
乗ったらわかる?
おいらはわからないと思うなぁ。

スイフトが安心して走り、曲がり、止まることが出来るということをもって良いクルマだったとして、それが背が高くて重心がフラフラして、ヘッドレストにモニターを埋め込んでテレビが見られるクルマが魅力的と思ってる人をどう説得するのさ?
そういう答えを用意しないで、欧州基準だ、走行性能だと語ったとしても、誰も耳を傾けやしないよ。

多様な嗜好に合わせ続けた結果が今の日本の自動車社会の現状であることを前提として、その上でどうあるべきかということを総括するのは、ジャーナリストの集まりであるRJCとしては必須の事項だと思うけどなぁ。
COTYとの差別化を図るには、もうそれくらいしかないでしょうに…
 
 

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